茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1598回【Y字路】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１５９８回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日のこと。

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昨日、新神戸の駅から内田樹先生 @levinassien の『凱風館』まで歩いた。iPhoneの予測だと、約８０分だった。ふらふらしていたら、途中に横尾忠則現代美術館 @ytmocastaff ytmoca.jp があったので、思わず入ってしまった。

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横尾忠則さんの「Y字路」のシリーズが大好きである。数年前に、兵庫県立美術館でやった展覧会でも、たっぷり見た。特に、いちばんさいしょの、横尾さんの故郷である西脇市のY字路を描いた作品が、強い吸引力を持っている。

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しかし、一箇所にとどまらないのが横尾さんで、その後もさまざまなスタイルやモティーフが登場し、まさに百花繚乱。すごいなあ、と思ってみていたら、学芸員の平林恵さんと、兵庫県立美術館　王子分館　分館長の金月武夫さんがいらして、お話することができた。

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平林恵さんは、金沢の２１世紀美術館にいらして、そこでも横尾忠則さんの展示を担当された。楽しくお話しているうちに、そろそろ行かないとまずいんじゃないかと思い、失礼して歩き出した。案の定ぴったりに着いたら、「凱風館」設計者の光嶋裕介さん @yusuke_koshima が立っていた。

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さて、横尾忠則さんの「Y字路」を見ると、湧き上がるなんとも言えぬ気持ちは、何に由来するのだろう。ある心細さであり、生きているという実感である。とぼとぼと歩いたY字路は、「私」の何かを映す鏡である。だから、アイコンとして、成立する。

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画家とモティーフの出会いは、興味深い。横尾忠則さんは、故郷の西脇市でたまたま撮った一枚の写真に浮かび上がったY字路の姿から、その絵の制作を思い立ったというが、セレンディピティを創作につなげるのが才能というもの。若きクリエーターたちに、君たちにとっての「Y字路」は何かと問いたい。

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以上、連続ツイート１５９８回、君たちにとっての「Y字路」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。