【うみねこのなく頃に】黄金郷に招かれた信者達【ツイッター】

最近の信者の発言がすごいのでまとめ。
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Townmemory @TowMemo

(1)竜騎士さんはミステリーを信じてはいないし、自分自身の言葉を信じてはいないし、まして読者なんてものを信じてはいません。それは一見、良くないことのように聞こえるかもしれないが、そうではないのです。「そういったものを軽々しく信じない」ことが物語作家の最低限の条件なのです。(2へ)

2011-01-07 04:51:56
Townmemory @TowMemo

(2)逆に言えば「それらを軽々しく信じない」ことが出来ているから彼は「作家」なのです。それはごく卑近な言い方をすれば、「ミステリの約束事」であるとか「自分の言葉は意図された通り相手に伝わるだろう」とかいった「安易なもたれかかり」を排除しているということなのです。(3へ)

2011-01-07 04:52:10
Townmemory @TowMemo

(3)自分が信じてはいないミステリーという枠組みを用い、信用するに足りない読者に対して、自分自身で信用できない自分の言葉というツールだけでそれでも何かを伝えることができるのか。できるのです。その激しい摩擦、シリアスな交渉があるから、あれだけ大きな「世界」が描ける。(4へ)

2011-01-07 04:52:21
Townmemory @TowMemo

(4)さらに卑近に例示するならば、だからこそ「信じられない相手との交渉」というモチーフが描けるし、その中から「赤字システム」という魅力的なアイデアを思いつくことができ、なおかつそれを最後には自分自身で軽やかに裏切って見せることすらできるのです。(5へ)

2011-01-07 04:52:35
Townmemory @TowMemo

(5)当然のことながら、ミステリーを信じていない竜騎士さんは、ファンタジーを信じていません。さまざまなものを「信じよう」という頻出メッセージが、「不信」を前提としたとき初めて出てくるものであることに注目します。これは全部「信用できないものとの交渉」なんだ。(6へ)

2011-01-07 04:52:47
Townmemory @TowMemo

(6)信用できない読者との間に、信用できないミステリーというものを俎上に乗せて交渉するとき、「信じようじゃないか」という提案が出るのは当然なのですね。でもそれは「信じて欲しい」からではなくて、「信じるというアプローチをいったん取ってみよう」という「交渉」なのです。(7へ)

2011-01-07 04:53:03
Townmemory @TowMemo

(7)ですから、「信じよう」という言葉は、竜騎士さん自身によって信じられてはいないし、「いったん信じてみた結果、そうではなかった」という結論はもちろんありうる。ウィルが言ってるのは「とりあえずテーブルにつけ」ということであって、それ以上のことではない。(8へ)

2011-01-07 04:53:23
Townmemory @TowMemo

(8)このことは赤字と響き合う関係にある。ドラノールが「作者と読者の信頼」と言い、ウィルが「まず信じろ」というのは、「信用ならない相手が対面に座っているテーブルに、それでもつけ」という意味。Ep2で赤字が提案されたのは、テーブルにつくのを拒否する戦人をつかせるためだった。(9へ)

2011-01-07 04:53:35
Townmemory @TowMemo

(9)当然のことながら、「いったん信じるというアプローチを取って検討した結果、信じるに足りないことがわかった」という結論はあるのです。その結論を得ることも「交渉の成果」なのです。そして当然「いったん赤字を信じた結果、赤字は疑わしいことがわかった」りもするでしょう。(10へ)

2011-01-07 04:53:49
Townmemory @TowMemo

(10)「信じる」というのは「判断を、相手や枠組みに委ねてしまう」ことではない。という認識に立った者は、「自分の言葉や読者を信じはしない」という言葉を、必ずしもマイナスには受け取らないはずです。「安易なもたれかかり」をしない、というのはそういうことでもあります。(11へ)

2011-01-07 04:54:02
Townmemory @TowMemo

(11)ちょっと話をずらす。最後の二択、「ミステリーを選ぶかファンタジーを選ぶか」という形で認識した人と、「アンチファンタジーを選ぶかアンチミステリーを選ぶか」という形で認識した人では、やはり読みがおのずと違っているはずです。(12へ)

2011-01-07 04:54:22
Townmemory @TowMemo

(12)そして「既定路線の二択を選ばされた」と認識している人と、そうでない人も、かなり読みが変わっているはずだ。一方を選んで、他方のバージョンを確認しなかった(セーブから戻って選ばなかった)人ってどのくらいいるのかな?(13へ)

2011-01-07 04:54:36
Townmemory @TowMemo

(13)ほとんどの人が、両方の結末を都合良く見たはず。本来できるはずのないことを。みんなの中では、両方が併存している。「両方が併存」? つまり、両方を見たことで「猫箱は閉じてるのと同じ状態」になった。両方を見て両方をその手に持っているあなたは、いわば「猫箱の中にいる」。(14へ)

2011-01-07 04:55:00
Townmemory @TowMemo

(14)話を戻す。ミステリーもファンタジーも、別段信じられてはいないのです。それを「信頼の喪失」としてマイナスのニュアンスで受け取るのは受け手の勝手ですが、竜騎士さんは別段そのことに困ってはいないし、「それを回復したい」という思いはまったくないでしょう。と想像します。(15へ)

2011-01-07 04:55:14
Townmemory @TowMemo

(15)「作者と読者の間に信頼がある」という「幻想」があるのです。それが幻想にすぎないことに直面して、それでもなお何かを語ることができるのか。そこに直面させられた読者が、なお何かをつかむことができるのか。信頼できないミステリーで、何かを語ることができるのか。(16へ)

2011-01-07 04:55:26
Townmemory @TowMemo

(16)「信頼してくれるはずだ」とか「とにかく信用しよう」という「もたれかかり」を、どれだけ廃することができるのか。これは「うみねこ」に限らず受け手の存在する全創作に関わることです。それを意識出来るか否かが、「作家」と「お話らしいまとまった文章を書ける人」の差です。(17へ)

2011-01-07 04:55:39
Townmemory @TowMemo

(17)ですから竜騎士さんはその「信用できなさ」に全く苦しんでなどいません。その「信用できなさ」は自明のことであるからです。それは自意識のある作り手にとっては大前提なんだ。その「信用できない要素の習合」に魔法をかけて「信じさせてしまう」のが作家という能力なのです。(18へ)

2011-01-07 04:55:51
Townmemory @TowMemo

(18)ところが彼の恐ろしいところは、それが実は「魔法」であって、個々のパーツは信頼できないものにすぎないことを、全ユーザーに開示してしまうことなのです。彼が解明してみせたのは実は「物語の正体」なんだ。(19へ)

2011-01-07 04:56:04
Townmemory @TowMemo

(19)書いたことが本当になるというフィーチャー。これは「書いたからってそれが本当になるのか?」という問いと表裏一体であることは論をまたない。「書いたからって本当にはならないよ」という認識があって初めて、この能力は驚きにつながる。(20へ)

2011-01-07 04:56:17
Townmemory @TowMemo

(20)「右代宮戦人という人がいる」と書いたからって、右代宮戦人がいることにはならないし、いるとは思ってもらえない。それが「自分の言葉を信じない」ということであり、「読者を信じない」ということ(もたれかからないこと)の、ごくわかりやすい卑近すぎる例。(21へ)

2011-01-07 04:56:29
Townmemory @TowMemo

(21)それを、本当にいるかのように思わせてしまうのが、作家という能力であり、筆ひとつで世界を作るということであり、つまり「魔法」であって、それができるから彼は大魔女なのです。軽々しく信じてしまう人間にはそれは決してできないのだ。(1へ戻る)

2011-01-07 04:56:45
JunW🌗 @willmonia

うみねこはテーマ的にあまりにも強い普遍性を持っているので、とても多くの解釈・批評が可能。途中からスタイルを変えたひぐらしと比べて完成度が違いすぎる。「俺、最初から本気出せばこれくらい書けたんだぜ…」という竜騎士先生のドヤ顔が視えるくらい完璧な作品だと思う。 #umineko

2011-01-07 22:16:17
JunW🌗 @willmonia

まぁ明らかに竜騎士先生はひぐらしの途中からコツをつかみ始めていて、賽殺し編とか途中からテーマが変わったひぐらしを上手くまとめるように作った。あの賽殺し編読んでうみねこは絶対面白くならないわけがないと確信していた自分にとっては今回のEP8はある意味予想通り……!w #umineko

2011-01-07 22:27:49
JunW🌗 @willmonia

いやしかし本当にすごい。どうなんだろう。ここまで自覚的かつ分かりやすくエンターテイメント化して解釈とか言説とか消費とかを表現した作品ってこの世界にあるのだろうか。ノベルゲームっていうメディアとそれの鋭い批評(東浩紀)がある日本特有の作品な気がする。 #umineko

2011-01-07 22:32:54
めばた瞬@次は5月 @mebata

うみねこは作者と読者の信頼関係が築けてる感じがいいなあ 書き手と読み手の理想関係だよ #umineko

2011-01-07 22:49:01