@dmburg氏の記事で分かる、「信頼されるための言動」の重要性
はじめに
@dmburg氏の主義主張を知りたい場合は、彼女が投稿したまとめについての次のページが参考になるでしょう。
http://togetter.com/id/dmburg
以下の記述は彼女のまとめを読んで感じた感想ですので、あなたが読んだ場合と印象が異なることがあるかもしれません。
問題点1:自分と違う思想に対する攻撃的な態度
まずは、こちらのツイートを見て下さい。
抗原は13種類ありますので、現在の4つの混合ワクチンではすべてカバーできませんが、保護者としては、現在のスタンダードであるワクチン(C)を未接種だったことは心残りだろうと思います。RT @dmburg: ワクチンを接種しなかったから死亡した訳ではありません
2012-09-10 07:45:54 ここで彼女は『子供を亡くした親に対する「思い」としては最低です』と、@narumita氏に対してかなり攻撃的に返しています。
接種しても確実に抗体ができるわけではないのは事実ですが、「もしもワクチン接種によって抗体ができていれば子供が死なずに済んだのではないか」といった主張に対する返しとしてはあまりに極端で、辛辣に感じます。
また、次に挙げた例でも、そういった性格がよく現れています。
@dmburg @lovedogchiwawa この話の流れで、ジェンナーといわれてピンと来ない時点で、ワクチンについて語る資格はないですよ。
2012-09-10 18:20:30 @Pnagashi氏のツイートも過激ですが、散々ワクチンについてツイートした彼女が「専門外の人間」と自称するのは不自然に感じます。エドワード・ジェンナーは種痘を発明した近代免疫学の父であり、ワクチンについて語るなら当然知っていそうなものです。
それなのに、例えば「知ってますが何か?」などといった返しではなく「知らないのにそのことを笑うのはバカなのでは(ツイート)」「英語で書けば分かるのにそう書かないのはヤブ医者だろう(まとめコメント)」などと返すのは逆ギレと取られても仕方ありません。
ツイートで言い合う分にはまだ平和なのですが、彼女の行動はツイート外にも及びます。
togetterまとめでは、自分が作成したまとめに対するコメントを削除することができますので、「自身に否定的なコメントが付いた場合削除する」といった行動も可能です。実際、「(彼女の判断で)意図的にコメントを消している」といった旨を彼女は宣言しています。
http://togetter.com/li/369557#c823700
http://togetter.com/li/404767#c820773
http://togetter.com/li/649711#c1513056
コメントを消すとそのコメントは読めなくなりますので、「自分に都合の悪いコメントだけ消してるだろ」といった主張に対し反論できなくなります。すると、当然印象が悪くなるため、「そうではないことを証明するためにあらかじめWeb魚拓を取っておく」などの対策が必要になります(2ちゃんねるでも、どのレスをどんな理由で削除したかといったログが公開されている)。
主張を展開する者にとって、そういった綻びから信頼性が下がるのは好ましくないことなのではないでしょうか?
問題点2:データの取り扱い方に対する知識不足
科学の世界において、数値データやグラフは頻繁に登場します。専門家ですら正しく扱うのは難しいぐらいなので、次のような誤謬をしてしまうのは仕方ないことかもしれません。
@dmburg ちなみに、dmburgさんがtogetterに上げている最初の図は、本来ならこうなっているはずなのです。ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P… pic.twitter.com/bhI5G16llq
2014-04-06 10:05:04 ここで彼女は、「グラフの一部分を切り取って示す」という典型的なミスを犯しています。それを指摘する@jun0426氏に対して彼女は、「生活水準が向上したから減少しただけ」と反論しています。
もちろん彼女の主張が全て誤っているわけではありませんが、そもそも「因果関係を証明する」のは多くの場合において難しく、このグラフを見ても、天然痘の死亡率が「ワクチン接種が広まってから下がった」のか「生活水準が向上したから下がった」のか「両方が原因」なのか、一つに判断することは難しいです。
また、「接種率90%を超えている時期に頻繁に流行しているのはおかしい」との主張ですが、次の資料によるとスウェーデンの人口は1852年の時点で354万人であり、たとえ資料通りその年に2500人が天然痘で亡くなったとしてもそれは全体の0.07%でしかないことから、「接種してない人が感染して死亡した人数がたまたま多かっただけ」と推測することも可能です。このことから、彼女が言うように「接種しているのに天然痘の流行が頻繁におきている」などと判断するのはあまりに性急かと思われます。
「SCB(スウェーデン中央統計局)」
http://www.scb.se/templates/Product_25799.asp
また、科学の世界では、「実験」に対してしばしば「追試」が行われます。これは、一ヶ所だけの実験では抽象的な結論を確定するには至らず、複数の実験によって余計な外的要因を排除する必要があるからです。にも関わらず、彼女はソースを参照する際に一方向だけの資料ばかり集める傾向にあるようです。
例:
赤色の上に橙色を塗っても青っぽい色にはならないのと同様、バイアスが掛かった資料では正しい判断を行うことはできません。相手に自分の意見を通す代表例であるディベートでも、「どういった反論が飛んでくるかを想定して、双方の主張に関する資料を読んでおく」ことが常識です。ですがコメント欄を見るに、彼女の主張にはそういった対策が考慮されていないように見受けられます。
参考資料:
http://www.logicalskill.co.jp/debate/faq.html
http://www.huffingtonpost.jp/yukimi/debate_b_5540931.html
問題点3:政府や製薬会社などに対する異常なまでの不信感
彼女のツイートの中で頻繁に登場するのが、次のような主張です。
(多すぎるので適当に抜粋)
もちろん、政府や企業が常に清廉であったというわけではありませんので、積み重なって不信感が強くなったというのならそれは思想の自由です。ですが一般に、「これは○○がズルしたり騙したり金儲けしたりするための所作である!」と声高に主張することを陰謀論と言います。
陰謀論はしばしば「(Aが正しいとは限らないor間違っているのに)AなのでBである」「前提条件を略して誇大or矮小な表現で示す」などの非論理的な主張展開をするので信頼性に乏しく、Togetherまとめなどで「相手に自らの主張を信じてもらおうとする」際には用いるべきではない論法と言えます。
また、彼女は「ホメオパシーの効用」や「電磁波・環境ホルモンの健康被害」などに対して肯定的な立場です。