馬さんの連続ツイート
例の「おかあさんごはん批判」を中心とする最近のTwitter上の論争は、まさに社会構築主義を自明視するフェミや社会学者と、その見解に同意しないその他の人との争いであった。しつこいけれど、その件について、私見を述べておく。
2015-09-06 16:28:26@ishtarist 両者の溝について、「フェミニズムについての勉強不足に責任がある」と考える向きも多そうだが、僕はその見解にはまったく同意しない。なぜなら、彼らの理論の鍵になる「社会構造」という概念自体が、完全なるマジックワードだからだ。
2015-09-06 16:33:45@ishtarist 実際、彼らがいうところの「社会構造」について、それがどんなもので、どこに存在するのか、きちんと説明できた人はいただろうか?今回の論争だけの話ではない。僕は以前、社会学批判の論文を書くために、社会あるいは社会構造について論じる主要な社会学者のテクストを
2015-09-06 16:37:18@ishtarist 精査したことがあったが、ギデンズもルー◯ンもバーガー=ルックマンもバトラーも、みな個人レベルと切断して、いきなり社会構造を実体化させるという、非論理的な「跳躍」操作を行っていた。そのようにして実体化された超越的な社会構造は、その存在論的ステータスを
2015-09-06 16:42:08@ishtarist 問われないまま、社会構造と、個人の行為との関係は如何?というミクローマクロリンク問題が、未解決のまま残っている。 エラい社会学者さんたちでさえ「社会構造」を訳のわからぬまま自明視するという跳躍を行っており、それを分かったフリができる人だけが社会学者になれるw
2015-09-06 16:46:59@ishtarist わかりにくいので簡単に説明すると、「神様は人間の空想の産物なんだけど、その産物である神様は実在で、人間を作っている」。その上で、「人間が神様を作るけど、神様も人間を作る。両者の循環関係はどうなってるの?」という問題が生まれて、その問題が100年未解決。
2015-09-06 18:16:29@ishtarist ここで「神様」を「社会構造」に置き換えたら、社会学(社会構築主義)の基本的なロジックになる。でもこのロジック、そもそも論理的に整合的に理解できる?神様が人間の空想の産物なら、それはどこまでも空想でしかないはず。なのにいきなり本物の神になるなんてあまりにも変。
2015-09-06 18:20:37@ishtarist つまり、これが「跳躍」ね。つまり存在論的ステータスが、認知的領域から超越的領域へと無理やりジャンプしている。
2015-09-06 18:23:13@ishtarist もう一度いうけど、この意味不明のロジックが「社会構築主義」であり、フェミニズムの多くは、そのロジックの極めて強い影響下にある。その意味不明のロジックをわかったフリができる人たちが、「お前たちはなんでこんなこともわからないんだ」と怒っているのが今回の論争。
2015-09-06 18:33:52高嶌さんの質問
@ishtarist さん、はじめて@ツイートさせていただきます。京都の高嶌と申します。フォローして頂き、ありがとうございます。私も今までに、ishtaristさんとkabutoyama_taroさんとの興味深い会話を読ませていただいたことがあります。
2015-09-07 04:53:03@ishtarist 不躾で申し訳ありませんが、もし可能であれば、このツイート→ twitter.com/ishtarist/stat… で述べておられる「社会構造」について質問させて下さい。
2015-09-07 04:53:51@ishtarist 質問は、以下の通りです。 過去には男女平等に反する社会制度が多数存在しましたし、現在なお、建前のうえでは男女平等だが実際には女性に不利に機能する社会制度が少なからず存在しています。
2015-09-07 04:58:18@ishtarist 私は漠然と、これらの社会制度の総体が、フェミニズムによって主張されている男性優位の社会構造だと理解していたのですが、ishtaristさんが念頭に置かれている「社会構造」というのはこのような理解とは異なるのでしょうか。
2015-09-07 04:58:43@ishtarist 質問だけでは申し訳ありませんので、以下で私見を述べておきます。ishtaristさんが念頭に置かれている「社会構造」とは異なるのかもしれませんが、私見では、フェミニスト論者の主張する男性優位の社会構造は存在すると考えています。その理由は、次の通りです。
2015-09-07 04:59:15まず、民主主義社会の根幹たる選挙制度についてすら、歴史的に見れば、日本のみならず多くの諸外国で女性の参政権承認は男性のそれよりも遅かったという事実があります。現在なお、女性の参政権を制限したり、承認していない国もあったと思います。
2015-09-07 04:59:41また、道徳規範のレベルでも、歴史的に見て日本の道徳規範に大きい影響を与えてきたと思われる仏教に、女性の存在を罪や穢れ等と結びつける思想が存在しています。このような思想が、人々に与えた影響は無視できないと思われます。
2015-09-07 05:00:24なお、念のため記しておきますと、すべての仏教がそうだというわけではありません。とりわけ原始仏教典には、自分は男なのか女なのかと考えること自体が悟りとは関係ないとの記述があったと記憶しています。
2015-09-07 05:03:57現代の日本ではどうでしょうか。一応、形式的には男女平等に反する法令はほぼなくなったようですが、内規やガイドラインのレベルでは残存している例も見られます。
2015-09-07 05:04:59たとえば、最近の例として、金沢地裁平成13年1月15日判決では、男性58歳、女性48歳を退職勧奨年齢とする町の退職勧奨制度は、その区別について合理的な理由があると認められないとして、女性職員に対する退職の勧奨行為が違法と判断されています(鳥屋町退職勧奨男女格差訴訟事件)。
2015-09-07 05:05:29また、ルールのうえでは形式的には男女を平等扱いしているが、実質的な運用を見れば、なお実質的格差が残っていると評価せざるを得ない制度は少なくありません。 国政という重要な社会制度において国会議員の女性比率がかなり低いことや、過去に女性総理大臣が存在しないという事実はその例です。
2015-09-07 05:06:16また、身近な例では、婚姻に際しての姓の変更制度があります。制度上は、男性が女性の姓に変わることも可能ですが、実際の運用においては、女性側が姓を変更する割合が圧倒的に多いのが現実です。
2015-09-07 05:07:04