私的ポエム的まとめ:ウルトラセブン「勇気ある戦い」の挫折 ~科学への「信頼」から「懐疑」へ。70年代リアルタイムの記憶と自分的整理
ウルトラセブン「勇気ある戦い」。心臓手術を恐れる少年を励ますダン。「科学の力を信じるんだ」。ウルトラセブンは科学信奉の時代の末尾にあった作品であり、すでにその思想に揺らぎが感じられる作品も混在した。セブンの後番組が科学悪用の犯罪者のドラマ「怪奇大作戦」であるから、科学の力を信じろ
2015-09-09 08:22:04↑(こちらのツイート一つをトリガーに、独自に始めた連想ですので、続きの引用は割愛します。)
Kenzō Tange's vision for Tsukiji, Tokyo (1966) pic.twitter.com/dnLGmaPwvX
2015-09-10 04:15:43(RT)セブンの「勇気ある戦い」は当時も論争だった日本初の心臓移植手術をモチーフにしたリアルタイム的作品。「科学・開発信奉から懐疑へ」の揺らぎ、混濁は70年代前半まで続いて、「ガッチャマン」も”科学の忍者”で長官は”国際科学技術庁”の博士だが、「公害の無い海底牧場」なんて表現。
2015-09-09 09:02:51注:本編中では「移植」とは言わず「心臓手術」。その他時系列等の訂正は末尾に。
「勇気ある戦い」のストーリーそのものは、ベーブルースの”約束のホームラン”の翻案の様な話です。
続)円谷の「ファイヤーマン」の頃はもう世はオカルト・ノストラダムス・日本沈没。その雰囲気を反映しているのに、なおそれを「怪奇大作戦」の様に”科学で解明する”コンセプトは既に「ズレ」が顕在化していた感。72年にはローマクラブ「成長の限界」。表現物はどんどん”暗く”なっていった。
2015-09-09 09:09:39続)公害と言うネガティブはゴジラ映画にも「ヘドラ」と言う突然変異を出現させたし、大阪万博の標語「人類の進歩と調和」の”調和”は、公害問題、人種間題、ベトナム戦争などを鑑みて加えるしかない言葉だった。万博はアトミックエイジ、「鉄腕アトム的な夢」の絶頂であり、またその終わりの始まり。
2015-09-09 09:14:55続)1960年生まれの自分は小学高学年から中学の頃に、この子供向け表現における、混乱、戸惑い、転換を目の当たりした世代。何と言うか「第二の敗戦」。無邪気な夢は潰えた。”成長の限界”を突きつけられてしまった。”アニメブーム”と「おたく」の誕生との関係を、森川嘉一郎氏などは示唆する。
2015-09-09 09:22:18続)この70年代初頭において転換していく巨視的な「世界の構造」そのものとはちょっと違うのだが、ちょうどのタイミングで現実問題として噴出したのが「中東オイルショック」。これは戦争とアラブの発言権増大と言う政治的背景で起こったものだが、日本社会に生々しい”成長の限界”を現出させた。
2015-09-09 09:37:44続)漫画雑誌が薄くなり、TV特撮映像がしょっぱくなり、「レオ」でウルトラが打ち止めになった理由の一端も、オイルショックと言う経済的事情。ナウシカじゃないけど世界は「右下がり」する時はするものなのだと言う”敗戦"あるいは中世的体感。物価上昇は激しく、「スタグフレーション」だと。
2015-09-09 09:45:49続)「宇宙戦艦ヤマト」は”地球滅亡”の心象を背景に、滅び行く「日本の過去」と「遠い未来」を、「現在」を無視、あるいは飛ばして”直結=ワープ”させる事で、”鉄腕アトム的な夢”を再構築すると言う、危うい綱渡りをしようとした集合無意識的作品、にも見える。スタッフの中心は元虫プロ。
2015-09-09 09:56:53続)メジャーコンテンツの「文化的敗戦」の一方で”アニメ”や”少女漫画”はむしろこの時期から上向きの目覚め、”中興”期に入っていく。いずれもそれまでは大人漫画(そろそろ滅びる)より、少年漫画より、「一段下」に見られていたもの。「コミケ」もこの時期に始まった。
2015-09-09 10:14:30続)それまでは社会に意識されなかった「差別用語」、従軍慰安婦など、抑圧されていた人権問題が顕在化するのも、70年代前半のこの頃。漫画やアニメで意識無く使っていた言葉が、「NG」になる。オイルショックは「アラブの目覚め」。この時期も、ひとつの「敗戦」であり「維新」であり「交代」。
2015-09-09 10:20:48続)因果は絡み、巡る。今この時期にも「敗戦」「維新」「交代」の雰囲気が漂っている。天皇陛下の御製に言う「根本に鎌をあてがう」。山上たつひこの「光る風」が今年復刊されて、「ネット」の「SNS」で”リアルタイム予言”として再評価されるなんて、20年ほど前までは想像もしなかった事。
2015-09-09 10:34:05マジで「予言書」になってしまった山上たつひこ「光る風」ですが、マンガとしても大傑作なのでぜひ。 光る風 amazon.co.jp/dp/4939138763/… twitter.com/risashim/statu…
2015-08-15 13:49:42「光る風」山上たつひこ (「少年マガジン」1970年4月26日号~11月15日号) pic.twitter.com/f745hHC32J
2015-09-02 22:59:34シビリアン・コントロール の崩壊と 軍需産業の拡大であるー 山上たつひこ『光る風』 pic.twitter.com/Ll0MObZnhe
2015-08-18 01:28:56続)日本の国は80年周期、40年で昇り下る、なんて見る人もいる。今、社会の「上部」にあるのは”失われた20年”を作ったもの。さてそれは、何か。どちらか。”両方”か。「根本」に近づく。「バカの壁」が見えた。壁を越えられるのは「相手が自分をバカだと思う理由」が納得できた人です。
2015-09-09 10:40:36補足(の方が長い):和田心臓移植、日本沈没等の時系列的誤記に就いてのご指摘と訂正