fujisawakenta先生の「カルマン渦列」の違和感について

学術用語で、カタカナ人名+湯桶読み(訓読み+音読み)の「カルマン渦列」が最強、という考察。
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FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

本当にどうでもいいことを、天文学会前日の夜につぶやく。 以前から「カルマン渦」という言葉に奇妙な印象を持っていた。が、その奇妙さをうまく言い表せなかった。先日はっと気づいたのだけど、これは「カタカナ人名+和語」という組み合わせなのだ。

2015-09-08 22:52:37
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

それが奇妙さの原因だったのだ。 通常、学術用語は漢語で表現する。例えば熱力学第二法則とかシュレディンガー方程式のように。しかしこれを「カルマン渦」に当てはめると「カルマンか」となってしまう。これでは何のことかわからない。

2015-09-08 22:52:53
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

「渦」の音読みが「か」という一文字で、しかもそれだけでは何のことかさっぱりわからない、というのが「カルマンうず」という言葉の誕生の理由だろう。 これですっきりした。 が、次に類似の言葉にどんなものがあるのか気になってきた。そこで探してみた。

2015-09-08 22:53:06
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

その結果、  カルマン渦列  モファット渦  コルニュの渦巻  ラグランジュの渦定理 などが見つかった。出典は物理学辞典である。

2015-09-08 22:53:24
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

カルマン渦は「カルマン渦列」として記載されていた。「渦列」は湯桶読みであり、つまりカタカナ人名+訓読み+音読みである。ますますややこしい。 モファット渦は、カルマン渦と同列に位置づけられるが、知名度で劣るのが惜しい。 コルニュとラグランジュは「の」が入っている点が惜しい。

2015-09-08 22:53:44
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

渦のほかにもさがしてみたら「こま」があった。すなわち  ラグランジュのこま  コワレフスカヤのこま  オイラーのこま である。 ラグランジュは二度目の登場である。「コワレフスカヤのこま」はこのシリーズ上唯一の女性。 ただ、すべて「の」が入っているのが惜しい。

2015-09-08 22:54:01
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

まだある。 フーコーの振り子 ボルダの振り子 ケーターの可逆振り子 レイリーの流れ ポアズイユの流れ

2015-09-08 22:54:22
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

まだまだある。 フレネルの鏡 ロイドの鏡 ロックウェル硬さ ブリネル硬さ ショア硬さ これは「の」がない。が、硬さ、という言葉の硬さがやや惜しいところ。

2015-09-08 22:54:38
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

こんなのもある。 ブルースターの干渉縞 ハイゼンベルクの谷 シュレディンガーの猫 レッジェ的ふるまい ランダウのゆらぎ ユリウス日 最後にぞろぞろと大物が出た感がある。 干渉縞という言葉は重箱読み。これも「縞」を音読みすると「こう」となって何のことかわからなくなるからだろう。

2015-09-08 22:55:59
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

こうしてみると、やはりカルマン渦(列)という言葉が、知名度、完成度の高さ、響きの美しさ、複雑さと統一性など、他から一歩抜きんでているといえる。

2015-09-08 22:56:14
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

ところで話をひっくり返すようだが、「場」を「ば」と読むのは訓読みである。これを持ち出すと・・・電磁場、重力場、ゲージ場に始まって、ハイゼンベルク場、ディラック場、ヒッグス場といろいと出てくる。 しかしカルマン渦にはかなわない、というのが私の(どうでもいい)見解である。おしまい。

2015-09-08 22:56:45
平山🛰 @H_Hirayama

@fujisawakenta 「流れ」は「の」を入れずに言う場合もありますね。その場合、もし音読みすると、人名+「りゅう」で、流儀や学派みたいに聞こえて妙です。やはり「ながれ」でないと。

2015-09-14 10:32:45
FUJISAWA KENTA @fujisawakenta

@H_Hirayama レイリーながれ、ポアズイユながれ、なかなかいいですね。 今思ったのだけど、流派として「流」を付ける場合の発音は平坦なのに、流れとして付ける場合は「り」にアクセントがあって「う」で下がる、という風に言っている気がします。 ますますどうでも良いことですが…。

2015-09-14 11:59:08