小説家・榊一郎氏、漫画家・松田未来氏の創作講座『読む側の思考の流れ』

物語の話をどう順序立てて組み立てるかについて。 ※関連 漫画家 松田未来@MacchiMC72氏も推薦!  小説家 榊一郎@ichiro_sakaki氏の、創作講座;『読み手のことを意識する』というのは、どういうことをいうのか http://togetter.com/li/87257 続きを読む
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

いわゆる、文章力はある、プロットも面白い、なのに最終選考まで残らない、というパターン。実は意外に多いのではないかと最近思ったり。勿論、新人賞の下読みについて話を聞くと、「投稿作の半分は日本語の態を成していない」そうだけど、それは、さておき #sousaku

2011-01-08 22:16:49
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

そもそも日本語の態を成してない、というのも微妙な話で。「正しい日本語」というものが果たして存在するのか(言語は日々世俗を反映して少しずつ変わっていくし、方言もある)、という問題も。なので、文法的な意味での正しい日本語が問題になっている場合はさておき、 #sousaku

2011-01-08 22:18:42
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

大抵の下読みさんが言う「日本語の態を成していない」というのは、多分、二通り在る(想像なので違ったらごめん)。一つは単純に文法無茶苦茶。実際、会話を録音してそのまま文章起こしすると分かりますが、人間、以外に非論理的というか、大系だった喋り方してない。 #sousaku

2011-01-08 22:20:38
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

つまり、話し言葉のノリでそのまま書いちゃう人。悪いけどこれは論外。何故かというと、前後の話題や場の空気や口調、下手すりゃ周囲の雑音や明るささえ絡んで人間の喋り言葉は変化するので、それらの情報を削ぎ落とした文字情報だけで書けば、そりゃ支離滅裂になるわな。 #sousaku

2011-01-08 22:22:07
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ネットで議論がすぐ喧嘩になるのもこの辺が影響してんじゃないかなと思って見たり(で、その文字以外の情報を補完するのが顔文字だったりする訳で)。 #sousaku

2011-01-08 22:23:00
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

しばしば私が言う「原稿の向こうに読者を見る」という事、あるいは某氏が言う「脳内読者」、何でも良いですが、これが欠落しているパターン。「読む側の思考の流れを一歳考えてない」文章ですね。文法的には破綻してないかもしれないけど、これがものっそい読みにくい。 #sousaku

2011-01-08 22:25:15
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

えば主人公が、異世界でその世界の剣技を、別キャラから学ぶために訓練をしている場面。(私の本だと、「イコノクラスト!」の3巻だっけ、に類似の場面があり)木刀で訓練してる訳ですが。日本じゃないので「木刀」でも実際には直剣(ヨーロッパの騎士風の)で訓練してる場面。 #sousaku

2011-01-08 22:30:40
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

主人公視点で書かれたこの文章、当然、類似の概念としてつい「木刀」と表現しちゃうのはいいとして。原稿用紙数枚分の、訓練の場面を書いた「後」で、これを片付ける場面において、「木刀と言っても実際には剣道のそれの様に緩やかに反っているのではなくまっすぐの」と書くとする#sousaku

2011-01-08 22:32:13
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

書いた本人は私が「駄目だろこれは」と言っても分からなかったようですが。ちなみにこれは、読者の脳内に,既に「木刀」という言葉のイメージで場面が描き出されている筈なのに、全てその場面が終わった後で、「修正情報」が入る訳です。 #sousaku

2011-01-08 22:34:34
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

つまり、脳内での場面に、遡って、修正を加えて描き直さなきゃならない。これは、何というか、読みにくいですよね。同じ箇所を右往左往しなきゃなんない。 #sousaku

2011-01-08 22:35:19
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ちとレスを止めて先に進めますが(レスから漏れた人は勘弁)。 とにかく、これは分かり易く、極端(つまりは直しやすい)例ですが。映画のカメラワーク、漫画のコマ割りと一緒で、情報提示には「読者が読みやすい」「受け入れやすい」「整理して司会しやすい」順番があり、 #sousaku

2011-01-08 22:41:21
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

それを崩して書いちゃうと、最悪「意味わかんねえよこの文章!」となります。これをも含めて、下読みの人は破綻した日本語と言っている可能性が無いかな、とか。実は生徒を見ていると、大抵がこれ。本当に文法的に、論理的に破綻している文章ってのは実は私は殆ど見た事が無い。 #sousaku

2011-01-08 22:43:26
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

いずれにせよ、これはもっと大きな視点で見ると「この場面は何の為に書くのか?」を意識して、その場面の「起承転結」が成立する様に、情報を提示するとかいう話になる。例えば訓練をつけてくれている女の子との親密度を上げる場面なら、最終的にはその結論になるように、 #sousaku

2011-01-08 22:47:24
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

情報を提示していく事になります。「木刀といいつつ真っ直ぐ」→「ここは異世界なんだなあ」→「文化も風俗も違うんだ」→「この子も異世界人なんだなあ」→「でも笑顔は何処も一緒だな」→「あ、この子もなんだか同じ事考えてた?」→「そっか。文化は違っても人間は人間だね」 #sousaku

2011-01-08 22:49:00
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

逆に言うと、この流れを考えず、思いつくままに書いちゃう人も居る訳で。これでそのまま読みやすい、という場合はその人が天才というだけで。そうでない場合は、心掛けてやらんといかんという事になります。 #sousaku

2011-01-08 22:51:07
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

勿論これは実は、文章だけの話ではなくて、構成とか、果てはアイデアレベルでも応用が効く訳ですが(多分、私の一連の創作ツイートを追いかけてくれている我慢強い人はお気づきでしょうがw)。趣味嗜好はさておき、人間の頭の中の論理構造など、そんなにバリエーションが無いし。 #sousaku

2011-01-08 22:53:03
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

さっきから連RTしている榊先生のツイート、漫画やアニメでも同様の注意点として気をつけています。小説の場合、文字から想像するという段階を踏むだけになおさらですが、絵で描いてしまう漫画でも「後出しジャンケン」は禁物。一番わかり易いのは伏線の張り方。

2011-01-08 22:48:27
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

ミスリードするとか言う目的以外で、伏線をボカし過ぎるのは誤解のもと。実は描いている本人ほど読者は読み取ってくれません。そりゃそうです、読者は大抵の場合初めてその漫画を読むのですから。「ちょっとコレはあからさまじゃね?」ぐらいに張っておいてはじめて伏線として機能する場合が多いです。

2011-01-08 22:51:20
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

伏線の貼り方にも色々ありますが、単なる台詞レベルの伏線はあまりページを開けないほうがいいです。忘れてしまうので(^^; 逆に印象的なシーンそのものを伏線にする場合はそんなに気にしなくてもいいですが、キャラに「あの時の…!」ぐらい言わせてフラッシュバックさせるとより親切になります。

2011-01-08 22:57:06
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

時々初心者のネームで、後出しジャンケンを意表をつく展開と勘違いしているのを見かけますが、それは読む方にはとても負担になります。十分な前置きをした上で読者の予想の斜め上を行くのが本当の「予想外の展開」なんです。

2011-01-08 22:59:29
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

偉そうに言っていますが、昨日直しが入った新連載のネームはまさにそのへんで配慮が足りなかったがゆえに指摘が入ったのです(^^; プロでもよく陥るということで、初心者の皆さんはより気をつけてみると(読者にとっての)読みやすさがアップすると思います。それは編集者も理解しやすい筈です。

2011-01-08 23:03:51
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

さっきの榊先生のツイートに関連して。冒頭が大事という話。大事だから漫画家は最初の滑り出しに悩んでなかなかネームが描き出せないという言い訳(笑)例えば32pの漫画の場合、起承転結で最初の「起」に使えるのは6~8p。このページ数で、主人公を目立たせ、人となりを語らなければならない。

2011-01-08 23:47:02
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

まず表紙で1ページ失うのすらもったいないから、表紙でできるだけ作品の世界観やらキャラやらなんやら情報量を詰め込みます。カッコつけてる場合じゃありません。以前はあまり歓迎されませんでしたが、表紙をそのまま本編に一部にするやり方もありますね。

2011-01-08 23:49:35
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

自分はアバンタイトル方式が好きなので、最初の一ページ目はいきなり本編にしたりします。ただコレは雑誌に掲載されたときに前の作品との境目が分かりにくくなりがちという欠点もあります。 http://twitpic.com/3o59n1

2011-01-08 23:55:47
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