ウイルス作成罪(不正指令電磁的記録作成等)法案についての議論
- HiromitsuTakagi
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@tedie それに対応させるならば、仮に「偽造文書」ならぬ「偽造実行」なる言葉があるならば、「偽造実行の用に供する目的で」という書き方をすべきところだと思うのです。それを一言で表す「行使」に対応する言葉があればよいのですが。
2010-08-09 03:31:22@HiromitsuTakagi 処罰の実体である行使を目的とすることで偽造行為の違法性を基礎づけるようにしています。これは,不正指令電磁的記録作成罪も同様です。つまり,意図に沿わないまたは意図に反する動作をする指令を与える電磁的記録を供用することが処罰の本体です。
2010-08-09 03:33:24@HiromitsuTakagi したがって,供用行為には,現に実行する人の動作に対する信頼を裏切る形で提供するという意味がはいっていることになります。これを作成行為等の目的へと前倒しすることになり,供用目的には,現に実行する者の動作への信頼を裏切る形でのという趣旨がでてきます
2010-08-09 03:36:04@HiromitsuTakagi 刑法になれてしまっていると,このような目的犯の構造,処罰の基礎づけ方からすると,どうしても,高木さんの言われるような条文の規定形式は,冗長なものと見えてしまいます。たしかに,もっとうまい表現があればよいのだと思います。
2010-08-09 03:40:58@HiromitsuTakagi しかし,処罰の基礎づけを,プログラムの動作に対する信頼としてしまったがゆえに,そのように規定されてしまうのは,ある意味で,当然のもので,普通の法律家であれば,異議を唱えないものだと思います。
2010-08-09 03:43:11@tedie そこで考えたのが、先に供用罪を規定して、それを参照して作成罪を規定する書き方です。http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20061022.html の「先に供用罪を定義してその後に作成罪を」から始まる部分です。不格好でしょうか。
2010-08-09 03:44:24@tedie 結局、前方参照の問題(後に定義する言葉を前で使用できない)を解決するために、文書偽造罪においては「行使」という都合の良い言葉があったけれども、不正指令電磁的記録作成罪においては、言葉がなかったため、パラレルにしたつもりがパラレルになっていないという話だと思います。
2010-08-09 03:48:03@HiromitsuTakagi それでもよいのですが,条文のお約束みたいなものがあって,それに反しているのが難です。供用罪を原則として規定し,その予備として作成罪を規定するのでもよいのですが,それもちょっと
2010-08-09 03:48:48@HiromitsuTakagi ところで,目的犯の目的は,実行行為のときに必要です。作成罪では,作成行為のときに(意図しない動作をさせるためという意味での)供用目的が必要になります。そのため,作成時に通常の機能通りの目的であっときは,処罰されず,
2010-08-09 03:52:56@tedie その点、電磁的記録不正作出罪のときは都合良く解決できています。同じく前方参照の問題が生じかねないところ、この罪では偽造文書に対応するものは「人の事務処理を誤らせる電磁的記録」だと思います。それをそのまま目的節に「人の事務処理を誤らせる目的で」と書いてすんなり解決。
2010-08-09 03:54:07@HiromitsuTakagi 供用行為を実際に行なうか,または供用目的での保管行為が認められてはじめて処罰されることになります。
2010-08-09 03:54:08@HiromitsuTakagi 電磁的記録不正作出罪は,人の信頼を直接問題にしないで,電子計算機の動作の信頼に着目したからなのだと思います。しかし,不正指令電磁的記録作成罪は,人の信頼を直接問題にしています。
2010-08-09 03:56:10@tedie ははあ、つまり電磁的記録不正作出罪は元々パラレルでないので参考にならないということでしょうか。
2010-08-09 04:00:20@HiromitsuTakagi まったく参考にならないわけではないです。処罰の基礎づけをどのように考えるのかということで,目的の中味が変わりうるということです。文言を形だけ変えるというのではなく,処罰の基礎づけからそういう文言になるのだということを説明できるかどうかが重要です。
2010-08-09 04:02:54@tedie わかりますが、そう解釈するには条文の文言がそうなっていないことを問題にしています。仮に「供用」という言葉が「行使」ほどに特別な意味を持つとするならば「供用の目的で」と書けばOKです。刑法における用語ということで。しかし「実行の用に供する目的で」と一般的な文ですので。
2010-08-09 04:06:47@HiromitsuTakagi 「人の電子計算機における実行」という限定も必要です。供用では,電子計算機で動作させない形での提供も含みうることになります。
2010-08-09 04:10:42@tedie この法が成立すれば2項を「ウイルス供用罪」と通称するようになると思うのですが、通称における「供用」は言葉通りの意味ではなく、指している条項の内容の意味になるのですよね。「行使」という言葉が通用するのもそういうことかと思いまして。
2010-08-09 04:17:48@HiromitsuTakagi 161条の2の電磁的六不正作出罪のところでも「供用」が使われています。こちらは,「人の事務処理の用に供する」という内容です。ですから,供用と略称するときでも,罰条によって意味が違うことになります。行政法規では他人に使用させるという意味で使う場合も
2010-08-09 04:27:19@tedie というわけで、言葉を探すか、構成を変更するか、だと思いますが、本日は床に就きます。どうもありがとうございます。
2010-08-09 04:42:25@tedie おはようございます。昨日の件ですが、「次項の実行の用に供する目的で…作成し、又は提供した者は」というのはどうでしょう? (文書偽造罪の「行使の目的で」が前方参照しているのに合わせる形式でどうにかする方法として)
2010-08-09 12:36:17@HiromitsuTakagi 「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせる」プログラム……客体(A) (続く)
2010-08-09 17:05:48@HiromitsuTakagi 「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせる」目的……主観的要素その1(B) (続く)
2010-08-09 17:05:58