つまり,甲第5号証の捜査報告書により,被疑者が犯行時かつ犯行現場に居たこと(間接事実)を証明し,その他の間接事実から,被告人Aの犯人性(犯罪事実)を推認するので,甲第5号証の捜査報告書は,間接証拠である。
2015-09-17 10:44:49併せて,同凶器に被害者の血液が付着していた甲第6号証の捜査報告書(実質的には鑑定定託書 間接証拠)から,同凶器が本件犯行の凶器であること(間接事実)を証明し,これらの間接事実から,被告人Aの犯人性(犯罪事実)を推認する。
2015-09-17 10:44:17先述したとおり,甲第5号証の捜査報告書の性質には,鑑定受託書である面がある。この鑑定受託書(犯行直後かつ犯行現場付近に遺留されていた被告人Aの指紋が付着した凶器である飛び出しナイフである旨の報告書 間接証拠)から,被疑者が犯行時かつ犯行現場に居たこと(間接事実)を証明し,
2015-09-17 10:43:53(3) 供述書(捜査報告書)たる性質の部分について 刑事訴訟法第321条第1項3号書面として,証拠能力が認められる。 3 結論 以上を踏まえ,甲第5号証の捜査報告書は,以下のとおり,間接証拠である。
2015-09-17 10:42:40趣旨(①専門家が作成するので相当の正確性を有すること,②内容が専門的なので口頭による説明より書面による説明の方が正確性を保ちやすいこと)が当てはまるからである。
2015-09-17 10:42:00確かに,裁判官の命じた鑑定人の場合に比し,人選の公正さ,宣誓の有無等において相違がないわけではないが,鑑定の性質として本質的に異なるところはないので,
2015-09-17 10:41:42しかし,指紋の鑑識(鑑定)それ自体とは異なり,指紋鑑識に係る鑑定受託書は,刑事訴訟法第321条第4項の「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」(鑑定書)と同様に,供述証拠であって,同項の準用により,証拠能力を認めることができる。
2015-09-17 10:41:21(2) 鑑定受託書たる性質の部分について 確かに,科学的証拠は,非供述証拠であって,供述証拠と異なり,伝聞性(法律的関連性)や供述の任意性(証拠禁止)の問題はないので,自然的関連性(要証事実に対しての必要最小限度の証明力)の有無が問題となるところ,
2015-09-17 10:40:34つまり,題名は,「捜査報告書」であるが,実質的には捜査機関から鑑定の嘱託を受けた者(鑑定受託者)の作成した鑑定受託書(刑事訴訟法第223条第1項)たる性質をも有する報告書である。
2015-09-17 10:39:422 甲第5号証の捜査報告書の性質 (1) 甲第5号証の捜査報告書は,「平成27年2月1日に領置した飛び出しナイフ1丁の柄から採取された指紋1個が,Aの右手母指の指紋と一致した。」というものである。これは,捜査機関によって指紋の鑑識をした結果を報告した書面である。
2015-09-17 10:39:21同凶器に被害者の血液が付着していた鑑定書(間接証拠)から,同凶器が本件犯行の凶器であること(間接事実)を証明し,これらの間接事実から,被告人の犯人性(犯罪事実)を推認する。
2015-09-17 10:38:52たとえば,犯行直後かつ犯行現場付近に遺留されていた被疑者の指紋が付着した凶器(間接証拠)から,被疑者が犯行時かつ犯行現場に居たこと(間接事実)を証明し,併せて,
2015-09-17 10:38:30これに対して,間接証拠とは,犯罪事実を直接証明するのではなく,間接事実(犯罪事実を推認する事実)を証明することにより最終的に犯罪事実の証明に寄与する証拠である(間接証拠⇒間接事実⇒犯罪事実)。
2015-09-17 10:37:59第3 〔設問1〕(3) 1 直接証拠と間接証拠 直接証拠とは,犯罪事実を直接証明するのに用いられる証拠である。たとえば,①犯行目撃者の証言,②被害者の証言,③被告人の自白,又は④それらの者の供述調書等である(直接証拠⇒犯罪事実)。
2015-09-17 10:37:29同ナイフ1丁の柄から採取された指紋1個が,Aの右手母指の指紋と一致したこと(甲第5号証 捜査報告書)から,争点である被告人の犯人性にも結び付くので,同ナイフが本件傷害事件の犯人に関連する証拠であることも明白であるとして,釈明(説明)する。
2015-09-17 10:36:10領置した同ナイフの刃に人血が付着しており,そのDNA型が,vから採取した血液のDNA型と一致したこと(甲第6号証 捜査報告書)から,同ナイフは本権傷害事件の凶器であることは明白であり,②しかも,
2015-09-17 10:35:533 関連性についての検察官による釈明の仕方 検察官は,①犯行後間もなく及び犯行現場付近に,飛び出しナイフ1丁が落ちており,犯人の遺留品の可能性があること(甲第3号証 捜査報告書),
2015-09-17 10:35:29している。したがって,関連性のない証拠による証拠調べ請求は却下しなければならないので,関連性の有無に関する説明を聴くため,規則第208条(釈明等)第1項に基づき,釈明を求めた。
2015-09-17 10:34:54また,同規則第189条の2(証拠の厳選)は,「証拠調べの請求は、証明すべき事実の立証に必要な証拠を厳選して、これをしなければならない。」と規律している。また,同規則第190条(証拠決定)第1項は,「証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でこれをしなければならない。」と規律
2015-09-17 10:34:39同条第3項は,「裁判所は、必要と認めるときは、証拠調の請求をする者に対し、前二項に定める事項を明らかにする書面の提出を命ずることができる。」と規律し,同条第4項は,「前各項の規定に違反してされた証拠調の請求は、これを却下することができる。」と規律している。
2015-09-17 10:34:05刑事訴訟規則第189条(証拠調の請求の方式)第1項は,「証拠調の請求は、証拠と証明すべき事実との関係を具体的に明示して、これをしなければならない。」と規律し,証拠調べの請求をする際には,立証趣旨(要証事実)の明示を要求し,
2015-09-17 10:33:462 裁判官による求釈明 Aの弁護人による異議申立てに対して,裁判官は,検察官に関連性に関する釈明を求めたところ,これは,刑事訴訟規則第208条(釈明等)第1項「裁判長は、必要と認めるときは、訴訟関係人に対し、釈明を求め、又は立証を促すことができる。」に基づく求釈明である。
2015-09-17 10:33:08証拠調に関し異議を申し立てることができる。」に基づく意見である。すなわち,同項の「証拠調べに関し」とは,証拠調べに関係のあるすべての訴訟行為を意味し,したがって,検察官による「証拠調べの請求」に対しても,関連性がないことを理由として,異議を申し立てることができる。
2015-09-17 10:32:54第2 〔設問1〕(2) 1 .Aの弁護人の意見の意味 下線部③に関し.Aの弁護人は,甲第4号証の飛び出しナイフ1丁について「異議あり。関連性なし。」との意見を述べたところ,これは,刑事訴訟法第309条第1項「検察官、被告人又は弁護人は、
2015-09-17 10:32:16