twitter開始5周年記念、自選ついのべ（ #twnovel ）50作（2014・9~2015・9）

日向日影🍊📖@文化系物書きVtuber（HUB） @hyuugahikage

#twnovel 白い石をチョーク代わりに、下手くそな絵を歩道にどこまでも書いていった。あの頃は、そんな落書きでも、そこに無限の世界と冒険が広がっていたのに、今同じように歩道に書いても、ただの絵でしかなくて。何人かが僕を怪しい人と指差す中、僕は僕の中の王国の終焉に涙した。

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#twTorT #twnovel ネルシャツにジーンズを着て、仮装行列の中を歩いている。周りの目線は微妙だけど、私は間違っていない。今日は人間のマスクでかぼちゃの頭を隠して、思いっきり人間の仮装を楽しんでいるのだから。

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#twnovel 「君を、救いたいんだ」その男性は、おなかが減って困ってる私の前に現れました。とても優しそうな声と、キラキラした瞳で、困ってる人を見ると放っておけないんだ。私のためならなんでもしてくれると言ってくれました。意外と美味しかったです。

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#twnovel 底の見えない大きな穴が開いていた。諦めた夢をこの穴に捨てると、吹っ切れるのだという。気づいたら私は両手いっぱいの叶わぬ夢を抱えていて、目を背けながら一気に投げ捨てる。その夢の軽さに、自分の人生を吹っ切れた私は涙を頬に伝わせながら追いかけるように穴へ飛び降りる。

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#twnovel このお店は会員制だが顔パスで入れる人もいるというので、入り口にいる黒服に顔を剥いでパスした。黒服は喚くばかりで止めないので入店する。店員は電話で忙しそうなので勝手に座ってメニューを見る。おや、パトカーと救急車のサイレンが聞こえてきた。近くで何かあったのかな。

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#twnovel 英語で母国語はmothertongueというらしい。tongueとは、舌。そう、舌は言葉なんだ。だから、今日もあなたに言葉を這わせる。あなたの体をレコードにして、ピンク色の針がかき鳴らす喘いだ音色が、あなたからの、続きを求める返事。口、耳、首、胸、脚、そして。

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※この #twnovel を読まれる前に。この作品はフィクションであり、作品内に登場する個人・団体・組織などは実在のものとは一切関係ありません。また、この作品の内容はあくまで作者個人の主張であり、事実とは違う主張が中に含まれる可能性があります。以上の点に注意して物語をお楽しみくだ

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#twnovel 飲め、歌え、騒げ、愛し合え、爆竹を鳴らせ、車を乗り回せ。どんな乱痴気騒ぎも許される。年下のスタッフは制止しない。あれは未来の自分だから。これが終われば、人生は20年という規則に従い新成人はステージの奈落へ飛び降りる。今日は成人死期。

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※この文章を読んでいるということは、あなたにはこの #twnovel を閲覧する権利がなかったということになります。この作品は公序良俗に反する内容が含まれており、読者の精神への影響を考え、一定以上の資格を満たした人のみが読むことを許されています。これはあなたを守るための措置です。

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#twnovel 言葉も、瞬間も、吐息でさえも、一瞬のうちに空を舞い、僕の手のひらのディスプレイに降りてくる。It's情報化社会。知は私達を豊かにする。でも、僕たちは相変わらず魔女を殺し、勇ましさと優しさのチキンレースをただ見送るだけだ。そこには豊かな論争ごっこが広がっていて。

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#twnovel 屋上の塀を乗り越えた男のために、専門家が集まった。その刹那彼は飛び降り、地面に叩きつけられる。専門家はすぐ駆け寄る。 8.0点 8.0点 8.5点 9.5点 7.5点 彼らは、動機、飛び降りの姿勢、死体の飛散具合などから飛び降り自殺を採点する専門家なのだ。

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#twnovel 仕方ない。こいつらは特別な悪だから、特別な解決策、つまり殺害という方法を使わざるを得なかった。本当はそんな方法をしてはならないが、今回だけは仕方ない。そして、あいつらも、同等な邪悪なのだから、また殺害をするのも仕方ない。あそこのやつらもぶっ殺さざるを得ない。

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#twnovel 忘れない、か。テレビの中の罪なさげな善人たちは、たくさんの人の愛情のような自己憐憫のような想いを全身で受けている。あいつらはいいよな、って思うのは不謹慎なのか？誰かに優しくされたのはいつ以来か思い出せないまま今日もプリペイド携帯を握り、日雇い派遣の電話を待つ。

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#twnovel 大人になる自分を、いつも想像していた。素敵な家、素敵な家族。古いかもしれないけど、専業主婦の私をいつも思い浮かべた。いつかは、その全てが叶うんだって。ねえ、その夢にはこんなカビの匂いはなかったし、包丁は料理に使うものだったし、返り血なんて出てこなかったよ？

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#twnovel 鉢植えに苗が植えてあった。毎日毎日水をあげていると、苗は少しずつ育ち、やがて少年となった。その姿を見た私は世界の全てを思い出し、自分に水を注いだ人もそうしてくれたように、自分の全身をちぎって鉢植えの肥料とした。意識が蒸散する直前、少年が微笑んだような気がした。

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#twnovel 次のニュースですけど、これ僕本当悲しいんですわ。だってね、こんないい子が殺されてしまったんですよ。保育士を夢見る女子高生のね、去年、県の測定でこの子生きる価値80点だったんですよ。それが生きる価値15点で処分直前の男に通り魔で殺されるなんて、どうですか、ねぇ。

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#twnovel 朝、目が覚めると世界から祝福されたように感じるのは、昨晩、一人の少女が私たちの罪を抱いて眠ってくれたからなのです。勿論その少女は罪に飲み込まれ腐り朽ち果ててしまいますが、次の日には違う少女が罪を背負ってくれるのです。で、貴方様は今夜も、ぐっすり眠れそうですか？

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#twnovel 青い絵の具一本しか買うことはできなかった。あの電気屋のテレビで見た巨大ロボットを、少年は潰れた洋服屋のシャッターに描き殴る。全然似てなくて、もっと色々な色があればいいのにと彼が涙をこぼし、絵から視線を話すと、その青い破壊神は小さく震えた。 #滅亡colors

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#twnovel 気づけば、何もせず一時間が経っていた。本当になんでもない一時間だった。小学校の頃は一時間もあれば友達の家や、公園でお腹いっぱい遊べたはずなのに、今は疲れることも、癒されることもできない。あの頃より、時間は僕に冷たくなった。もう、新しい一時間が流れだしている。

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#twnovel 死んでもいい、そう思えるほどに、あなたを愛していた。でも、いつからだろう。その愛が求めるままに、あなたの心を、時間を、肉体を求め続け、いつしか美しい恋人だったはずの私は、醜い欲のカタマリになっていた。愛は私を殺さなかった。愛が殺すのは、いつも愛だった。

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#twnovel 僕の体から、少し焼き魚の匂いがするのに、クラスの金持ちグループが気づいた「えー、お前まだ食事なんかしてるの」「あんな健康にも環境にも悪いことなんか、貧乏人のやることだよねー」「こういう栄養カプセル買えないやつが、魚釣ったり草むしったりして食べてるんだろう？」

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#twnovel 真夜中の自販機は、昼よりも優しい気がする。街灯が一時の優しい死を演出する世界で、冬眠中に起きてしまったムーミンのように、その静寂をたゆたうことしかできない僕。そのためにその光を絶やさず、コーラの缶が落ちる音でここが本来生者の世界であると思い起こさせてくれる。

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#twnovel はい、思想検査は終わりです。ええ、あなたは善良で、常識的で、穏当で一般市民であることが確かに確認されました。では、ただいまよりあなたを拘束いたします。処刑は数日後です。ええ、もちろんです。あなたのような普通の市民が一番危険であると、歴史が証明していますからね。

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#twnovel 彼の呼吸の乱れに合わせて、私も息遣いを速くしてみた。窓の外では半月が、私たちの行為を滑稽だねと笑っているかのようで、私は、どうぞ笑いなさいと微笑み返す。彼もこんな時だけは真面目だから、何も気づかず、一心不乱に私を揺らし続ける。月はそれを見てまたも笑った。

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#twnovel 眠い目をこすりながら、ぶらんぶらん揺れている父と母を見つめる。ああ、今日か。僕は両親だった振り子を横目に、一番好きな味のカップ麺にお湯を入れ、食べる。「もういいかい」との声に、「もういいよ」と返すと「おにいちゃんまたね」の言葉と共に妹が僕の首にロープをかけた。