あたらしい春雷としてのBLという可能性~BL俳句誌「庫内灯」の感想もよもよ~
「庫内灯」読んでます。完成度が高くて面白いのですが、とくにすごいなあとおもうのは「そもそもBLってなんですかね?」っていう枠の問題に編集の方々が海のようなひろがりをもって接していること。感情の決めつけを避け、ゆらぎのなかで浸透していく関係性を楽しんでいる印象を受ける。 #BL俳句
2015-09-21 12:57:37BL俳句誌「庫内灯」読了しましたので感想を。まずこの本は装丁が綺麗なんだけど、中に仕込まれている「BL」「俳句」の世界観の色めきが強いから表紙や全体の装丁が白いのはすごくいい。各人の世界観の濃い作句や読み解きがカラーインクみたいにこの白に落ちてて雄弁な七色をかんじる。 #庫内灯
2015-09-21 22:22:31表紙が型押し?蝋押し?みたいになってるんだけど、読み終わってみるとこの白いまるに色が見えてくるのが面白い。きらきらのステンドグラス、その色の幅っていうのは作者の個性の他、わたしたちがきっとBLというものに託したい「名付けられないなにものかのなにか」の関係の幅なのかなって。#庫内灯
2015-09-21 22:26:22「あなたにとってのBLってなんですか」って結構言われていて、わたしも長い間オタクだし自称F女子なんだけれど、どうにもBL的界隈に馴染めない部分があって。だから今回の寄稿も迷ったんだけど、読み終わってひとつ見つけた答えは「BLって可能性のことなんだな」っていうことです。#庫内灯
2015-09-21 22:30:34「名前は呪」っていうけど、名前をつけられると縛られてしまう。恋とか友情とか主従とか、でもそういう札ってやっぱり乱暴で。わたしたちの感情がグラデーションである以上、本来的に人間の関係ってグラデーションじゃないの?っていう問いかけや訴えをBLものは含んでいる気がします。#庫内灯
2015-09-21 22:38:48「おにぎりをソフトクリームで飲み込んで可能性とはあなたのことだ」という雪舟えまの短歌があります。BL界隈を思ったとき、ふとこれが浮かびました。関係の可能性、表現の可能性。名前という札から逃げ、当たり前という枠から逸脱してグラデーションにひかるわたしたちが見つけたいもの。 #庫内灯
2015-09-21 22:43:20なぜ女子がBLに惹かれるのか。自分たちが札を止むなく受け取らざるを得ない存在として生きているからっていうのはあるよね。だから恋愛が好きだからBLが好きというよりかは、もっとフラットでもっとグラデーションのゆるされる人間やその関係の可能性を探しているんだなと思いました。 #庫内灯
2015-09-21 22:47:48BL俳句誌「庫内灯」はそういうグラデーションに敏感で、BLというものが孕む可能性に対して真摯に向き合っています。BLを男同士の恋愛のみだと定義すると、多分この雑誌に載ってる結構な量の作品は規格外になると思います。それを全部飲み込んで、BLとして輝いてるのに感動しました。 #庫内灯
2015-09-21 22:54:25そもそも、ものを詠むのが基本の俳句においてひと(しかも関係)を詠んで解くっていうのは本当にあらゆる意味で可能性だなあと思いました。基本的に俳句って個とか主観とかをいれちゃだめっていう決まりがあるんだけど、それを裂いて夜を行くっていうかんじがしてめっちゃいいです。 #庫内灯
2015-09-21 23:04:20定義づけが嫌でBLを生み出したのに「BL的(男性同士の恋愛のみ)」にまた縛られがちになっているBLから発展するさらなるBLという関係性への可能性、ものをよむ俳句に対してひとを読み込んでいくという文学的可能性、など本当に刺激的でとにかく本当に面白い雑誌でした。感動したー! #庫内灯
2015-09-21 23:09:20よしながふみの「あのひととここだけのおしゃべり」という本がBL史ものとしてもすごく面白く読めるんだけど、JUNEよりポップでキャッチーなものとしてBLが発達してきて、その点で関係の妙として間口が広がったし面白い世界が開かれてきたと思うんですよ。でも、いまやJUNEが絶滅してて。
2015-11-08 01:04:15結果として、BLというポップな枠組みはどんどん強化されていくんだけど、JUNEが内包していたものの行き場が良くわからなくなってしまったと思うんですよね。「これはBLじゃない」とか言われて、それぞれが生まれる経緯とか根底の新しい関係への希求ってそんな違わないと思うんだけど何かズレる
2015-11-08 01:12:51BLって今大きな力があるし、人間性の関係性についてもジェンダー論含め(ジェンダー論に寄りかかりすぎるのも好きじゃないのですが)色々論じられていてあらゆる方面で可能性がある。だから今もう一度JUNE的なものっていうか、あるいは更に開かれた関係性を取り込んで吸収して欲しいなってのが
2015-11-08 01:23:41願いだなあとおもう。わたしは最終的にBLが「B」且つ「L」でなくなってもいいと思ってるんですよね。男同士の愛だけじゃない、あらゆる性別での組み合わせ、種族の組み合わせ、関係の組み合わせから落とされる星々の軌道が受け入れられる場所が出来ればよくて、その可能性に最も開かれてるのがBL
2015-11-08 01:24:48なのや!!というきもちを改めてなんか噛み締めてしまった深夜だった。それ別にBLに課さなくても良くない?と思われるかもだけど、BLの基盤をわたしは信頼しているし、これからもいろんな部分で救済を担える力があると思っているのでひとりで勝手に期待しているのです。
2015-11-08 01:28:17「まぎょさん百合はどう思ってるんですか」って以前いわれたけど、いまの枠組みのままで答えるなら百合作品のテーマって未分化なのかなとおもってて。わたしとあなたがひとつになる、みたいな同一視化、取り込み、交わりがカラーのようなきがしている。とても勝手に。
2015-11-08 01:37:18対してBLは「おれ」と「お前」の確立が結構はっきりしていて、この個と個同士の間に生まれる関係を読みといていくものなのかなと。こういう方程式で見ているので、女子同士男子同士とか関わりなくBLとか百合とか言ったりしちゃうし、まどマギはどっちかというとBLの方程式で書かれてるとおもう。
2015-11-08 01:40:30