ウリエルさんとアヴァンさん。それからスッフィー

戦闘の途中保存だよ!
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おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 デセオ市内を歩いて回る男の視界にふと動くものが映る。 それは鷹だった。昨晩も見た、焔の鷹だ。持ち主が誰であるかは言わずもがな。 焔鷹はアヴァンの目の前にあった街路樹の枝に止まり、一声鳴く。そしてばさりと飛び立ち、どこかを目指してゆっくり進んでいく。→

2015-09-20 21:15:04
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk デセオの中は昨日の蟲共のせいで、少なからず損壊を受けていた。他の領といえど、関係ない者が巻き込まれるのは、あまり気分の良いものではない。 「…、…あれは」 ふと、視界の端に動くものを見付けた。ゆらゆらと燃える焔が鷹の形を作ったものが、街路樹に止まった。→

2015-09-20 21:46:40
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「(あの鷹は、…この前の黒フードの男のやつか。どうしてこんな場所に?)」 そんな事を考えていると、焔の鷹がこちらを見つめたまま、ひとつ鳴いた。大きく翼を広げて枝から飛び立った焔の鷹はゆっくりと何処かへ飛んでいく。……これは、 「……ついて来い、…か」 →

2015-09-20 21:49:05
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk この鷹についていく義理はないが、…あの男は、パンドラにしては立場に違和感があった。 …呼ばれているのなら、それなりの理由があるのだろうと。警戒は十二分にしつつ、ゆっくりと、焔の鷹の後を追った。

2015-09-20 21:49:41
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 鷹はちらと後ろをついてくる邪紋使いの様子を確認し、黙って進んでいく。その仕草はどこかあの男を彷彿とさせた。 焔鷹は大通りを進み、路地を曲がる。角をいくつか曲がりくねって路地を進むと、不意に鷹は宙に舞い上がって霧散した。火の粉がちらちらと雪のように降り注ぐ。→

2015-09-20 22:05:28
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 その火の粉の向こうに、建物の陰に、アヴァンは見るだろう。一人の男と一人の女が真紅の縄で縛られ打ち捨てられている。男の方は死んでいるのか気を失っているのか微動だにしない。女の方は泣いている。 ふと女がアヴァンに気づく。助けを求めるように彼を見た。

2015-09-20 22:08:22
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 路地を曲がり、また曲がり、進んでいく程に入り組んでいく道に、罠を疑う気持ちが大きくなっていく。それでも一度選んでしまった以上、進むしかない。 それから少し歩くと、先を案内していた鷹が不意に舞い上がり、ボ、フッと火の粉に霧散した。→

2015-09-20 22:40:29
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 雪にしては熱い火の粉が降る向こう。フードの奥の二色の瞳が、ビルの影に打ち捨てられているような二人の人間を捉えた。 男の方はどうやら血は出していないが倒れたまま動かない。こちらに気付いた女が、泣きすぎで濡れた瞳で助けを求める視線を俺に投げ 掛けてくる。→

2015-09-20 22:42:08
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「(罠、だな)」 あまりにも、雑な罠だ。 助けを求める視線に居心地の悪さを感じながらそう考えた。……さて、あの2人には暫くの間そのままでいてもらうことにして。罠なのは分かったが、これを仕掛けたあの鷹の男は何処に居る?気配を察してやろうとし、思い付く。→

2015-09-20 22:42:52
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「…こんな罠を仕掛けて俺が掛かると思ったのか。見ていないで、出て来たらどうだ」 息を吸い、辺りに聞こえる様に無駄に大きな声で言う。男が突然の大きな声に身悶えをする。どうやら二人とも生きてはいるらしいな。腰の剣に手を添えつつ、辺りを伺う。

2015-09-20 22:43:26
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 返事はない。シン、と静寂が響く。 瞬間。邪紋使いの頭上に現れる影。無言の黒い影の手に光るは真紅の短剣。屋根の上より急襲したる男はアヴァンの心臓目掛けてその刃を振り下ろす!

2015-09-20 22:55:49
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 返事は、無い、か―――殺気。勝手に身体が動く。獣の如く瞬間で反応した本能が、柄に添えていた手が剣を引き抜き、引き抜きざまに心臓へ襲い来る凶刃を弾く。 ギィンッ!!と、刃同士がいう音を立てる。追撃が来る前にその男の身体を蹴り、後ろへ飛ばした。→

2015-09-20 23:11:51
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「……罠まで使って、何が目的だ?」 答えが帰ってくるとは期待していないが、それでもそう問いを投げつける。勿論、武器は構えたままに。

2015-09-20 23:12:32
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 流石は邪紋使い。常人離れした反射神経が牙を剥く。男は蹴りをガードしなかった。蹴られるままに吹っ飛ばされ、宙返りして着地する。まったく応えていないのか。 「昨日ぶり、だな。アヴァン。目的といえば……そうだな、少し派手に、焚火でも」 平坦な声音が言う。→

2015-09-20 23:24:11
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 「それでは興が乗らないか?なら、こうしよう。お前が負けたらそこの善良なデセオ市民を殺す」 男の右腕がしなる。空を切って飛来する短剣。弾く前に赤く光り、ナイフは目くらましの炎陣へと変わる。耳が捉える。爆発音。背中が感じる。背後の空間が燃えている。→

2015-09-20 23:27:40
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 加速。フードの男はアヴァンに迫り、お返しとばかりにその腹に蹴りを叩き込む。背後の焔の壁へ、彼を放り込むために。

2015-09-20 23:29:35
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 蹴られた勢いを自分のものとしたか。それでももろに食らって何もなしとは、痛みを感じないのか?、物理が効かないのか? 「……昨日は、どーも」 ぶっきらぼうに一言。…焚き火?何故俺を狙ったのか等は答えやしないのか。そんなもの、俺でなくとも良かっただろうに。→

2015-09-21 00:11:24
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 平坦な声が興味もなさそうに二人の市民の命を賭ける。……そんなもの、勝手に賭けるな。俺は連合の者じゃあ、ないんだ。俺には、関係ない。 「っ……クソ…!」 先程の赤く輝く短剣が空を切る音に、悪態はかき消される。弾こうとする瞬間に、焔の展開。目くらましか。→

2015-09-21 00:13:34
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk その炎陣は背後へと回り、爆発音。背後が炎に包まれて――そちらに気を取られ、前方の男を忘れる。 猛スピードで迫る男の蹴りを辛うじて受け止める。が、勢いは殺しきれず、焔の壁に身体半分が埋まり込む。凄まじい焔の勢いにマントの布が焼け落ちる。→

2015-09-21 00:14:13
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「っ゛、」 背中が焼ける痛みに喉が引き攣る。ただの、焔じゃない。コイツ、君主だったのか。男の思惑通りに全身を放り込まれないうちに、剣を男の腹部へと突き刺し、横へ流す。 断ち切る事は出来ないが、それで体勢が崩れればこの焔の壁から逃れることが出来るだろうと。

2015-09-21 00:16:18
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 腐っても君主、死んでも君主。その聖印はやはり邪紋使いには効くらしい。混沌を消し去る焔がアヴァンの背中を舐めていく。 「悪いな」 男は大人しく腹を刺されてくれた。傷口から血が溢れ出す。刺した感触も薙いだ感触も常人と殆ど変わらない。 だが。 屍兵は倒れない。→

2015-09-21 00:29:01
おやすみのウニ @hisyabun_sk

@avan027 それどころか痛みに身体を折り曲げもしない。ただ一瞬顔をしかめたのみで、悲鳴を上げなければ意識も明瞭に保っていた。は、と男の口から乾いた笑い。 「内臓は殆ど飾りなんだ」 剣を握る手を屍兵が掴む。骨が軋む。 前進。男が一歩歩を進める。焔にアヴァンを沈めようとする。

2015-09-21 00:33:58
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 腹の中の物を断ち切る感触、赤い血が切り口から流れ、その血の匂いが鼻腔に届く。変な匂いだ。今の内に壁から逃れようと… 「……っな、!?」 体勢を崩すどころか、顔を顰めるだけの反応に、驚きを表す。痛みを感じないとか、そういう問題じゃない、のか!?→

2015-09-21 03:56:25
アヴァン@つばめ @avan027

@hisyabun_sk 「飾り…ま、さか、アンタは」 既に死んで…そう口にしようとして、剣を握った手を男が掴んだことによりお喋りが止まる。文字通り骨が軋む感覚に今度はこちらが顔を顰めた。 男が歩みを進める。一歩、二歩、ほぼ全身が焔の壁に焼かれ、皮膚が、体内の混沌が焼ける。

2015-09-21 03:59:50
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