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cyborg001 @cyborg0012
NATROM氏が私を3回もブログで論敵として取り上げて下さっている。光栄である。しかし、彼の異常ともいえる執着心の原因を考えると、少し深刻である。彼は議論の弱点を突かれていることが分かっていながら、それを素直に直視できない。正直乗り気ではないが、少しまとめて反論したいと思う。
cyborg001 @cyborg0012
まず、NATROM氏の主張を見てみよう。表面的には分かりやすい主張である。①韓国では検診で甲状腺癌が急増した。②しかし、死亡率に変化がない。③よって増加した癌の大半は過剰診断に違いない。④エコー検査は益よりも害が大きい。止めるべきだ。 pic.twitter.com/e57o18DeUL
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ある点まではNATROM氏に賛成である。韓国の癌急増の一部は過剰診断が原因であろう。他方で、検診の成果である「早期発見による予後改善ベネフィット」を示唆する報告も多数ある。彼はこのベネフィットをほぼ全面否定する。この論点が「論争的であること」さえも拒絶する。極めて独断的である。
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NATROM氏@NATROMは自分の見解には「一流誌の論文」のお墨つきを得ていると「自信たっぷり」である。ランセット、NEJMである。まずはこれらの議論を確認したい。 pic.twitter.com/qtiw3Vqt5v
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『ランセット』ペーパーは「韓国では近年甲状腺癌が増加したが、死亡率に変化がない」とし、その原因を「過剰診断」に求める。しかし、強い口調で「甲状腺エコー検査の害」をアピールするものの、死亡率データの記載はなく、分析の跡すらない。 pic.twitter.com/X5eMS2nPzn
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cyborg001 @cyborg0012
NEJMペーパも同様である。『ランセット』と同様に、「死亡率は安定している」とし、過剰診断論を展開している。しかし、同じく死亡率データの詳細な記載はなく、死亡率に関する分析をほぼ全面的にネグレクトしている。 pic.twitter.com/0l8BaJckvI
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このように、ナトロム氏@NATROM が誇る「一流誌の論文」は、死亡率の分析をほぼ全面的にネグリながらも、きわめて独断的に「死亡率は一定=過剰診断」との結論を導いている。
cyborg001 @cyborg0012
さらに、NATROM氏は『ランセット』ペーパーを「論文」と呼んでいるが、実際の発表形式はcorrespondenceであり、「論文」(article)ではない。実践的提言だけのページ1枚のレターである。彼一流の細かいミスリードである。 pic.twitter.com/Jp7zwwe8pB
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それでは、「韓国では検診で甲状腺癌が増えたが、死亡率に変化なし」という命題は本当に正しいのだろうか?この点の考察には、死亡率に焦点をあてた論文をレヴューするのが不可欠である。『ランセット』等が役不足であることは繰り返すまでもない。
cyborg001 @cyborg0012
2014年11月に『内分泌代謝雑誌』に掲載されたY. M. Choi et al. 2014は、「初めて韓国甲状腺癌の死亡率に焦点を当てた論文」であり、韓国統計局、WHO、ISS人口統計を使用して1985年から2010年までの年齢調整死亡率を分析したものである。
cyborg001 @cyborg0012
この論文(Choi et al. 2014)は、①甲状腺検診が始まるまでの15年間死亡率が3倍増加していた、②しかし、2000年代以降は減少に転じている、このように分析、結論付けている。以下図のグラフが分かりやすい。 pic.twitter.com/YdXlDPymq8
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こうした分析から、Choiらは過剰診断論を退け、「韓国の甲状腺癌増加は、何らかの暴露要因等によって発生した本物の増加の可能性」を指摘している。 pic.twitter.com/tpMtqWAmPL
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また、Choi らは「現在のところ厳密な原因は不明」と断りながらも、「エコー検査による早期発見が2000年代以降の死亡率低下に寄与した可能性」を指摘している。これはNATROM氏の議論を本質的な点で破綻させる「不都合な可能性」である。 pic.twitter.com/6JXrZsc2tZ
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NATROM氏はこの論文に対して、「5年間隔のデータ」で分析しており「信用できない」と無視し続けている。それでも、5年相対生存率も一貫して改善傾向にあり、さらに男女ともに同傾向を示している点は無視できるだろうか? pic.twitter.com/Qr2K1YcvVS
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cyborg001 @cyborg0012
このChoi et al 2014論文をNATROM氏はご存じなかったのだろう。@Sivadさんらがこれを取り上げたことで、彼は自分の議論の本質的部分が攻撃されたと感じ、急いで死亡率の具体的データを探し始めたようである。
cyborg001 @cyborg0012
NATRON氏が探してきたのが以下図である(ちなみに、出典は死亡率を分析した論文ではない)。しかし、この図、本質的にはChoi論文と変わらない。2000年代以降、男女ともに観察死亡率が期待死亡率を下回っているからである。 pic.twitter.com/3zvlB1mKLR
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cyborg001 @cyborg0012
さらに、ソウル国立大学医学部の臨床論文でも「エコー検査が生命予後や再発予後の改善」に寄与した可能性を指摘する具体的な報告がある(1962年から2009年までの臨床例)。たしかに、近年になるほど劇的な予後改善が見て取れる。 pic.twitter.com/O7aN3sxOar
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cyborg001 @cyborg0012
また、同論文は、「検査能力の向上で微小癌が急増しながら、リンパ転移や浸潤の割合が予想されたほど低下していない点」を指摘する。筆者たちは慎重であるが、過剰診断論では説明がつかない重要論点であろう。 pic.twitter.com/jHJCZBvouU
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cyborg001 @cyborg0012
最後に、ナトルム氏@NATROM の議論を根本から覆す論文を挙げておきたい。彼が無視し続けている論文の一つ、G.H.Chung et al. 2014である。 synapse.koreamed.org/Synapse/Data/P…
cyborg001 @cyborg0012
G.H.Chungらは、 ①「多くの専門家」は韓国の癌増加について「過剰診断論」を採用してはいない ② 過剰診断論は説明不足であり、他の原因を探すべきである この二点を強く主張している。 pic.twitter.com/fOWB6R1R1p
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cyborg001 @cyborg0012
G. H. Chungらの根拠の一つは、「韓国では成人だけでなく子どもでも甲状腺癌が急増している」というcrucialな事実である。小児患者は直近10年で2.5倍に増加している。その大半は検診を受けていない。NATROM氏が無視し続ける極めて重要な論点である。
cyborg001 @cyborg0012
韓国で近年甲状腺癌が急増した主要理由として、Chungらは、①遺伝的要因(とくにBRAF変異)、②過剰なヨウ素摂取、③医療被曝の増加、④肥満の増加、を挙げている。おそらく、過剰診断論一本やりの方々はこうした複合要因を「些細なもの」として無視するだろう。
cyborg001 @cyborg0012
さらに、Chungらは「エコー検査は害が多く、止めるべきだ」との乱暴な提言に警鐘を鳴らしている。当然であろう。韓国甲状腺学会やNECAは「エコー検査を推奨すべきか、反対すべきかを判断する十分なエビデンスは存在しない」としているからだ。 pic.twitter.com/KtPIdj6anc
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cyborg001 @cyborg0012
言い換えると、韓国の有力な研究機関は「過剰診断の害も、検診のベネフィットも、ともにエビデンスでは証明されていない」という立場に立ち、テーマの「論争性」を積極的に認めているのである。NATROM氏はこれにどう答えるつもりだろうか?
cyborg001 @cyborg0012
ちなみに、私はChoi et al 2014を検診のベネフィットを示唆するエビデンスの一つとして見ているが、これが否定されるとしても困らない。テーマの「論争性」を受け入れること、この慎重な態度こそが、議論をする上でも、人の健康に配慮する上でも何よりも重要だと考えるからだ。

コメント

名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年9月25日
逐一反論も可能だけど、とりあえず一つだけ。「韓国での甲状腺癌診断増加は検診による過剰診断【のみ】なのか?」というのは論点ではないんです。検診以外にも増加要因はあるかもしれませんね。たとえば医療被曝など。というか、おそらくあります。個人的にはあると私は考えています。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年9月25日
それでね、論点は「甲状腺癌診断増加の【主因】は過剰診断なのか」です。Lancet誌やNEJM誌の論文でもわかるように、医学界のコンセンサスは過剰診断が【主因】だと考えられているんです。Choi らも、甲状腺癌診断増加は過剰診断【のみ】では説明できないって言っているだけで、別に【主因】は過剰診断であることを否定していません。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年9月25日
それにしても、[cyborg001さんに答えて欲しい質問リスト(2015年9月21日) http://d.hatena.ne.jp/NATROM/00150921#p1 ]に何一つcyborg001さんが答えていないのは、逆にすがすがしさすら感じますね。
cyborg001 @cyborg0012 2015年9月25日
一番重要な点に答えないと、あなたのブログは意味がないですよ。 https://twitter.com/cyborg0012/status/647313144323305473 それでも、このテーマがcontroversialなものであることを認めた点は評価したいと思います。これからは、バランスのとれた先行研究を心掛けましょう。ご自身の為を思っての忠告です。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年9月25日
私の主張はいまのところ変化していませんので、「このテーマがcontroversialなものであることを認めた」というのはcyborg001さんの誤読でしょうね。「何割が過剰診断の結果」なのかについては、別に厳密に数字を挙げなくても私の主張は変わりませんが、どうしてもというなら、おおよそ15分の14、9割超が過剰の結果だと考えます。ある程度の誤差はあります。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年9月25日
私にばかり答えさせて、cyborg001さんもご質問には答えないのですか?一問だけに絞れば答えてくれるのでしょうか。「韓国の甲状腺がん増加はエコー検査による過剰診断だけでは説明できない(本物の増加も含まれる)」という主張と、「しかし、そうはいっても増加の大半は過剰診断によるものである」という主張が両立することに、同意できますか?
cyborg001 @cyborg0012 2015年9月25日
>>おおよそ15分の14、9割超が過剰の結果だと考えます (NATROM氏)
cyborg001 @cyborg0012 2015年9月25日
定量化の意味、お分かりですか?というより「科学」の意味をご存知ですか?結論をどのように導いたのか、いわゆる「推論プロセス」が重要なんですよ。あなたの上の記述、失礼ながら、占いの類と変わりません。推論プロセスをデータに基づいて明らかにして下さい。このコメント欄では無理でしょうから、この点について、新しいブログ記事、期待してますよ。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年10月1日
定量化の意味や「推論プロセス」についてご説明してもいいですが、私が答えるばかりでcyborg0012さんが答えないのは不誠実です。[cyborg001さんに答えて欲しい質問リスト(2015年9月21日) http://d.hatena.ne.jp/NATROM/00150921#p1 ]にお答えいただくことを要求します。
cyborg001 @cyborg0012 2015年10月2日
呆れますね。あなたは「韓国の大半は過剰診断」と繰り返すが、韓国の専門家の多くはそれを否定し、韓国甲状腺学会も「エビデンスがない」と極めて否定的な態度をとっている。つまり、「増加した癌の大半は過剰診断ではなく、真の増加」という立場の研究者の方が多いんですよ。実際に、近年になり矢継ぎ早に過剰診断論を否定する論文が公表されている。よって、あなたの質問は無意味であり、答えようがありません。
cyborg001 @cyborg0012 2015年10月2日
本当に私に質問したいなら、定量化してご自身の(無理の多い)議論を正当化し、他者を説得する必要があります。むろん、推論プロセスを明らかにしてです。そうでなければ、「無意味な質問」には答えたくても答えようがありません。 ということで、まずは定量化の作業をしましょう。次回のブログ、楽しみにしていますよ。
名取宏(なとろむ) @NATROM 2015年10月3日
質問に答えるとご自分の欺瞞が明らかになってしまうので、「全部答えました」という嘘をなかったことにして、「無意味な質問に答えられません」という方針に転換されたのですね。
cyborg001 @cyborg0012 2015年10月3日
そこまで仰るなら、韓国甲状腺学会ですら持っていない「特別のエビデンス」をあなたは持っていることになります。定量化はむろん、このエビデンスもぜひ出してください。次回のブログ、楽しみにしております。
ひまわり @powerpc970 2015年12月17日
なとろむさんは誠実だという印象しか残らなかった。
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