2015.9.23大岡山駅前の対ヘイト街宣カウンターで個人的に考えたこと。
- gurugurian
- 2125
- 2
- 0
- 3
※注 以下のツイートで「ヘイト側への攻撃」という強い表現を使っていますが、「対抗・対峙」と読み替え下さい(寝不足で、適切に語彙を選択できなかった(;^_^A)
昨日の大岡山カウンターについてレポート。 の前に。ちょっと(広義の)カウンターについて私論を述べたい。長くなるかもしれないけど連投します。 何度か書いてるけど、カウンターには三つの役割があると思ってる。①被害の軽減、②周知、③ヘイト側への攻撃、の三つ。
2015-09-24 15:04:46①は一番大事なこと。反差別・反ヘイトのカウンターとしての立場を表明・可視化することで、被害者の苦痛・負担を軽減させる。現場では撒き散らされるヘイトスピーチを対抗スピーチやコールで書き消す・無効化させる。
2015-09-24 15:09:15②は、ヘイトスピーチの害悪、被害の深刻さ、現状改善の必要性を第三者に訴えること。通行人に向けたスピーチや周知ビラの配布など。広義のカウンターという意味では、いかに酷いヘイトスピーチが行われているかをネットを含めたメディアで伝えるのもこれにあたる。
2015-09-24 15:13:58③はヘイト側の意気を挫くこと。満足感・勝利感を与えない、「楽しくヘイト」させないことで、次も参加したいと思う気持ちを無くさせる。そうして参加者が減れば、ヘイト行動の頻度も減り、結果的に被害も減っていく。カウンター側の負担も減る。
2015-09-24 15:17:54この三つのどれも重要で、いずれもないがしろにするべきではない。 ただ、このそれぞれの目的を果たそうとする時に、他の目的と衝突することがしばしばある。
2015-09-24 15:21:12わかりやすいところで言うと②の周知について。ヘイトスピーチの害悪を知らしめるには、具体的にどのようなヘイトスピーチが行われているかを明示するのが効果的だ。つまり、奴らがこんな酷いことを言っていた、こんな酷いプラカードを掲げていた、と。
2015-09-24 15:23:24ところがこれを何の配慮もなしにやってしまうと①と衝突する。たとえ周知目的でも、具体的に明示されたヘイトスピーチを目にすることは被害者に苦痛を、つまり二次被害をもたらすからだ。だから最近ネットでは具体的なヘイトスピーチ明示の際、「閲覧注意」のただし書きがされることが多い。
2015-09-24 15:27:03確か関西で放送されたヘイトスピーチについてのテレビ番組では、実際のヘイト行動を放映する前に「この後実際のヘイトスピーチの映像が流れます」とテロップが表示されていた。これも②周知が二次被害をもたらす可能性をなるべく低くするための配慮・工夫だ。
2015-09-24 15:29:58ざっくりまとめると、カウンターには①被害の軽減②周知③ヘイト側への攻撃の目的があり、それぞれの目的が達成されるよう、また他の目的と衝突しないよう、配慮や工夫が必要、ということ。
2015-09-24 15:33:26さて、ここから話をいったん切り替えて、昨日の大岡山カウンターの報告。 最初に良かったことを書くと、昨日は通行人の方からの応援や励ましがとても多かった。笑顔で手を振ってくれたり「頑張ってー!」と声援を送ってくれる方が多く、とても励まされた。
2015-09-24 15:37:23しかし、途中から、それ以上のクレームや非難の言葉を投げかけられた。 理由は単純で「音が大きすぎた」こと。
2015-09-24 15:39:09昨日ちらっとツイートしたけれど、あるカウンターの方がかなり強力なトラメガを二台持ってきて下さった。これはマイクも複数つなげられるため、何人かのカウンターで交代で共有されたのだけれど、率直に言って大岡山駅前という場所で使うには強力すぎた。
2015-09-24 15:41:41これがたとえば銀座とか新宿、あるいは国会周辺のような繁華街、あるいは一般的な日常生活と離れた空間であれば、あるいはデモの追走で使われたなら問題はなかったかもしれない。しかし大岡山駅前はこじんまりした、日常生活に密接した場所だ。しかも場所は固定されている。
2015-09-24 15:45:54もちろん他の場所でも「うるせーよ!」「邪魔だよ!」というクレームが寄せられることはしばしばある。でも昨日の大岡山で寄せられた苦情はいつも以上だった。今も思い出すと申し訳ない気持ちで胸が痛くなる。
2015-09-24 15:49:08「あのー、これって逆効果じゃないんですか!?逆に反感買いますよ!」と半ギレしながら言ってきたのはまだ良い方で「うるせーんだよ!目の前に病院あるんだよ!少しは考えろよ!」と五分くらい抗議してきた男性もいた。
2015-09-24 15:52:34他にも、直接的に抗議はしてこなかったものの、耳を押さえながら足早に通り過ぎるお年寄りや小さなお子さん連れはたくさん見た。こうやって書きながら思い出すだけでも辛くなってくる。
2015-09-24 15:54:51ここまで読んで「だったら音を下げればいいじゃん?」という人もいると思う。もちろん一時的にボリュームを下げたり、あるいは監視している公安に強制的に下げられたりもした。 ただ、しきしま会のヘイトがあまりに酷かったせいもあったけど、カウンター側もヒートアップして自制がきかなかった。
2015-09-24 15:58:52そして、大音量に加え、ヘイト側に浴びせた罵倒の一部も、第三者的には「どっちもどっち」、もしくは「ヘイト側以上に不快」だったかもしれない。
2015-09-24 16:02:09念のために言えば二時間ちょっとのカウンター行動がずっとそうだったわけではない。途中、抑制が効いてちょうどいい塩梅で対抗・周知が行われた時間もあった。 ただ、全体として見ると、今回のカウンターに対してネガティブな印象を持った地域住民は少なくなかったのではないかと思う。
2015-09-24 16:06:41もしまた大岡山でカウンターをするとしたら、昨日の始めの時のような好意的な反応が期待できるかどうかはかなり怪しい。というか住民からの苦情を理由にカウンター行動そのものが制限されてしまうかもしれない。もちろんヘイト街宣そのものが許可されないのが一番だけど、あまり期待はできない。
2015-09-24 16:10:24話を最初の「三つのカウンターの目的」に戻すと、ヘイト側に対してある程度の音量で対抗すること、そして彼らに直接的に抗議や罵声を浴びせることはヘイトの無効化や意欲を削ぐためには有効だと思う。ただそれも過剰になされれば、周知、つまり理解や賛同、支援を増やす目的と衝突してしまう。
2015-09-24 16:18:12ヘイトに対抗すること、カウンターすることはいうまでもなく「正しい」。でも、たとえばウルトラマンは怪獣を倒すためならいくら街を壊してもいいのか?という。
2015-09-24 16:22:49怪獣を倒すためにスペシウム光線使うのは当然だけど、人に当てれば死ぬよ?っていう。 (ちなみにこのテーマに深く切り込んだのが「ガメラ3」だったりするのだけど、話が脱線するのでここまで)
2015-09-24 16:25:08たぶん、今書いたようなことは今まで各地で大なり小なりあって、各地でのカウンターの方々がいろいろ配慮したり工夫したり改善の努力をしているのだと思う。ただ今回の大岡山ではそれがかなり目に見える形で表出した。
2015-09-24 16:29:07