私家版ハイデガースタディー08 時間を現勢的有限の規定とするとき人間は有力化する

語りえないものは、非本来的な語りによって、語らされないものだが、ハイデガーが注目したカントの図式論、超越論的時間規定とはより単純に、永遠時間を語る時、本来の自由が語れない、という問題である。 まず、近刊の菊池健三『カントと動力学の問題』を読む。意識や自我では、霊魂と時間を非実体と規定できない。この霊魂と時間の規定の相剋は、菊池によるとカントでは霊魂を潜勢させる永遠の時間という規定性。それに対して、ハイデガーでは霊魂を現勢させる有限な時間の規定だ。 カントが時間を潜勢した霊魂の不滅として語るために、ヘーゲルは眼前時間と神を、マルクスは時間の永遠と人間の無力を語る。それを非本来的なお喋りとするハイデガーは、存在の証明を休戦するとしたデカルトの要請に応えて、時間を有限と規定しなおし人間の有力とする超越論的想像力を語る。そこでは当然、霊魂という規定は現勢の規定となる。 続きを読む
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

そうではなく、弁証法的止揚を仮象として捉えることといってよい現象学では、範疇的直感、意識を志向と記述すること、具体的には身体論の問題です。なぜ身体には随意と不随意があるのか、などという問題です。つまり、心身二元論という措定が間違っているという。@doctor0621

2015-10-01 06:27:27
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

心身問題は二元論的であるより、身体一元論としてしか語ることができない、という現象学の問題は、ハイデガーをも批判したメルロ=ポンティの知覚の現象学を始めとした記述が、もっとも正確といわれていますね。ところで、@doctor0621

2015-10-01 06:29:51
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ところで、問題は、twitter.com/doctor0621/sta… ですね。これはメルロ=ポンティが身体一元論、つまり随意の問題として語るだけでも不十分なのでしょう。メルロはハイデガーに批判的でもあるが、やはりそれも誤解に思えてくる。@doctor0621

2015-10-01 06:32:02
怪老医@doctor0621 @doctor0621

@sunamajiri 承前。とすれば我々は存在したのだろうという疑問も残るのでしょうか?生命は宇宙の中での一つ現象に過ぎないかもしれない。ただ人間としての極く短い時間では親しい人の思い出は明らかに継続するので、これは何だろうと問いかけたのです。議論がかみ合わないのは承知です。続

2015-10-01 06:07:03
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ちなみに、一つ注釈しておくと、日本人は不用意に術語を使うが、現象というのは、対象や仮象などの反対語。規定というのは仮定や想定の反対語です。彼らがいう観念論というのは、こうしたコトバのルールの策定のことで、唯心論のことではない。@doctor0621

2015-10-01 06:33:28
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

おもしろいのは、立花隆が、臨死体験のNスペで、霊魂の不滅や死後の意識がないことを、科学的に証明する話ばかりするでしょ? 彼は死後の世界の科学的証明を求めてるのではなく、全く逆で、死後の世界が存在しないことを科学的に証明できないか、という話ばかりする。@doctor0621

2015-10-01 07:15:09
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

立花は常にデカルトの骨から語り始めるので、科学や実証というサブカテゴリーではなく、哲学という上位範疇を意識しているが語りきれていない。哲学的には非実体を実体化できない、というのは明証的なので、その実在性の実証という問題が生じない、というだけにも拘らず。@doctor0621

2015-10-01 07:16:29
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

カントが霊魂の不滅というのは、彼は脳の解剖学的研究ばかりやっているんですよ。かなり医学的です。そして霊魂は脳のどこにもないということばかりいうんです。つまり非実体的だからこそ不滅だというんです。ハイデガーはカントに批判的だが、その点を批判しているのではない。@doctor0621

2015-10-01 07:16:59
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ハイデガーはカントのように脳解剖学的な話どころか、身体論も捨象するが、非実体なのは自明なのであって、そんなものは証明できないという立場にたっているだけです。カントは非実体を存在証明しようとしていることになるのだが、ハイデガーはそれを退けているのです。@doctor0621

2015-10-01 07:17:56
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

カントが脳解剖学の話をするのは、三批判書ではなく、脳理論を形而上学という題名で語る生涯の講義録です。カントの言う形而上学とは脳解剖学のことです。ライプニッツの動力学が霊魂は実体の予定調和と語るのに対して、大反論をするのがカントの脳理論=動力学という問題です。@doctor0621

2015-10-01 07:19:39
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

カントが一体何が言いたかったのか、脳を解剖学しまくり、霊魂の非実体性と霊魂の不滅の存在証明という彼の執念が、どこにあったかは、三批判書には片鱗しか顕在的ではなく、カント全集を全部読まないと見えて来ない、と言われているますね。批判書はその暗号みたいなものです。@doctor0621

2015-10-01 07:20:32
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

しかし、むしろカントの興味は、今日で言えば医学的なんです。外面的には分からないが、脳解剖学をすると霊魂などみえてこない。だから霊魂は非実体で不滅なのだ、というのが彼の執念です。晩年はそれをエーテルとか電気とかオカルトを口走り錯乱してると言われるのですが。@doctor0621

2015-10-01 07:21:21
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

まとめ直すと、空間を時間化するような止揚という、弁証法的な記述では、虚点としての今時間という仮象が実体化するが、そこには自由はなく、自由を記述する方法的懐疑は、規定の問題を厳密化する以外にない、という問い方をしているのが、戦前のカント書までのハイデガーです。@doctor0621

2015-10-01 07:22:42
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