「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱いにおいての@tukinoha氏との応答

「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱いについて(http://togetter.com/li/8693)をめぐり、「メシア的時間」という概念を示唆された@tukinoha氏と@crow_henmiとの応答。
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@crow_henmi

@tukinoha とすると、前半部の繰り返し生成消滅を続ける可能世界は「似非メシア的時間」すなわちそれぞれの個別性をメタ視することでようやくなりたつ時間性かつ「すべての選択が無効化される」可能性の牢獄で、そこを突破していく過程として「送還」そして曜子との対立があるといえますね。

2010-03-10 02:05:38
@crow_henmi

@tukinoha 固有ミキミキの話は、このループ構造が「似非メシア的時間」であることを指し示し、その後のメシア的時間へと近づくマニューバーを意義づける話、と読むこともできますね。

2010-03-10 02:08:03
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi メシア的時間について論じる場合、神樹の館の話も絡めてみると面白いかと。

2010-03-10 02:14:26
@crow_henmi

@tukinoha 神樹は途中で投げてしまったので語れないのです。こんなのがロミオ論をやるのかと我ながら恐縮汗顔。then-dさんに原稿書きませんかと云われたときは「過去論集成でいいですよ」という話だったので結構楽観してたんですが、だんだん深みにはまってきた模様です。

2010-03-10 02:17:32
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 神樹は最終シナリオがだんとつで面白いので、ぜひ最後まで読みましょう。一番つまらないのがメイドさん編。

2010-03-10 02:18:59
@crow_henmi

@tukinoha で、ここまでの議論は十分批評として有効なものだと思われますか? と聞いてみたり。

2010-03-10 02:19:10
@crow_henmi

@tukinoha 神樹のCD探してみます

2010-03-10 02:19:32
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 東浩紀のメタ物語論の検討、ということになると面白くないかもしれません。議論の水準は高いと思うのですが、構造分析って往々にして「ためにする」議論になりがちで、どう目的付けるかが重要ではないかと。

2010-03-10 02:23:09
@crow_henmi

@tukinoha なるほど。ちょっと考えてみます。

2010-03-10 02:24:09
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 『CC』をメシア的時間という観点から読むのはとても面白いと思います。なぜなら、それは物語分析であると同時に言説論でもあるから。太一のラジオ放送というナラティブのあり方を検討することで、検討している論者の立ち位置が問題化されるという。

2010-03-10 02:25:55
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi ただ、この場合『イマ』が鬼門になるんですよね。『CC』だと「メシア的な時間を前提とするからこそ、太一のラジオ放送が成り立つ」と言えますが、『イマ』だと「この作品はメシア的な時間を前提にしてます、だから?」となる。

2010-03-10 02:27:24
tukinoha @tukinoha

私の個人的な考えでは、それを論じる本人の立ち位置が問題化されないような構造分析・言説論はつまらない。

2010-03-10 02:31:02
@crow_henmi

@tukinoha イマにおいてはメシア的な時間からクロノス的時間への移行を図る方向性が強く出ていると思うのです。しかしそれでいて、メシア的時間性ももちろん担保されていて、ここが語りにくいところですね。

2010-03-10 02:31:19
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi そうやって『イマ』をメシア的時間からクロノス的時間への移行と考えてしまうと、さきほどまで論じてきた「『CC』は似非メシア的時間(=クロノス的時間)からメシア的時間への移行」という話と逆になってしまうのでは。

2010-03-10 02:38:18
@crow_henmi

@tukinoha 自分の立ち位置は後期近代における自己形成の困難が、物語の反復による試行錯誤を要求すると共に、その困難を表すというところにあるんですが、これとは別に構造論そのものへの執着があって。「Kanon」以後、なぜエロゲは可能性時空的な意味で後退したかが気にかかります。

2010-03-10 02:38:33
@crow_henmi

@tukinoha その場合「C†C」と「イマ」の対称性に意味を見いだすことになりますが、まずはイマが本当にそういうものなのか、ということを突き詰めたく。個人的には、イマとC†Cでは「クロノス的時間の多数化展開」と「多数化された時間の線的展開」で対になってるところに注目したく。

2010-03-10 02:42:40
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi シナリオがどのように語られてきたかという言説論によって解かれるべき問題ではないかと思われます。田中ロミオによる『kanon』の誤読はそういう意味でも興味深いなぁ、と。

2010-03-10 02:44:42
@crow_henmi

@tukinoha C†CがKanonを逆倒させたものなら、イマはC†Cを逆倒させたものになってる。このねじれがなんなのか、ということも気に掛かるわけです。

2010-03-10 02:44:57
@crow_henmi

@tukinoha 「均質で空虚な時間」観からすれば誤読とは云い難いのですが、Kanonはその時間性をかなり深いレベルで排除したものになってますからね。

2010-03-10 02:47:35
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 私は『イマ』も、少なくとも日常編はメシア的時間の具体化として読んでいいと思っています。「すべて終わってしまった」未来に、過去が甦りその意味付けを変えていく。これがメシア的な時間なのではないか、と。

2010-03-10 02:50:50
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi そろそろ夜も更けてきたので、今日はこれくらいにしておきましょう。

2010-03-10 02:51:57
@crow_henmi

@tukinoha 了解です。お付き合いくださりありがとうございました。

2010-03-10 02:55:20