稲川淳二のつぶやき怪談　2015年9月21日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

朝晩めっきりと涼しさが増してきましたね。 皆さん、お変りありませんか？　稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今年は異常気象で、豪雨に見舞われるわ、火山噴火も相次いで、 鉄道が運休になったり、道路は寸断されて、 全国ツアーの移動も、緊急事態の連続でしたが、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんな状況にもかかわらず、殆どの会場が早い時期からチケット完売で、 本当に嬉しい感謝でいっぱいです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

怪談ナイトも終盤に向かって、皆さんの応援を力に、 ラストスパートです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

２２日の大阪新歌舞伎座から、びわ湖ホール・・東京、金沢、長野から福岡。 そして、夏を追って沖縄へ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

１０月２３日のクラブチッタ川崎のオールナイトでゴールとなります。 お付合いいただいた皆さん、ありがとうございました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それにしても、土の中からやっと出て来たのに、 長雨続きで、晴れ間も見ずに寿命の尽きた蝉は、 可哀相ですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、今回の「つぶやき怪談」そろそろ始めましょうか。 節電のために、部屋の明かりを消して、 怖ーい噺で楽しんで下さい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。 何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

撮影で私は、日本各地にロケに行くんですよね。 その時によって、機材を持って行っても、うまく動かない事があるんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その日は、フォークリフトの調子が悪かったんです。 そうしたら地元の私の親しい人が、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「すぐそばに車の解体屋さんがあるから、そこへ行って借りられますよ」 と言ってくれたんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それで解体屋さんに行ったんですよ。 結構大きい解体屋さんでしたよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

敷地の中には、グシャグシャに壊れた車とか塗装が全部剥がれた車。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

茶色に錆びたのとか、みんな窓とかなくって、 タイヤも全部外れているのや、潰れた廃車が高く山積みされていましたね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「凄いもんだなぁ」 と、感心して見上げていましたよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その解体屋のご主人がとっても感じの良い人でね、 気軽に引き受けてくれたんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

私と雑談していたらそのご主人が、 「いやぁ、辛いもんですよ、稲川さん」 「早い話が、これは車の死骸ですよ」 と言ったんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

言われてみれば、 （確かに車の死骸だなぁ）と思いましたよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

もう使えない、車の最後の姿です。 なんとなく屍って感じがしますよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

新車の時には格好良く走っていた車が、 すっかり塗装なんかが剥げてデコボコになって、 部品がちぎれたり、ひどいもんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（最後はこんなに哀れな姿になっちゃうんだな） とか思ったりして。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そしたらご主人が、 「稲川さん、ほら、そこにある塗装のほとんどない車があるでしょ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「それなんか燃えたやつなんだけど、 燃えた車ってまるで生き物の焦げた匂いがするんですよ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「へぇ、そうなんですか」