性悪説に立てば国は国民に対しても悪事を働く。武装を許されない国民に何ができるかは考えておくべき。

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kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

①「人はほっとけば悪事を働く」という基本的な考えを「性悪説」という。その性悪説に立って、軍事的抑止を正当化するツイートが今朝方回ってきた。つまり、警察に相当する実力組織が「国」の行動に対しては存在しないので、国際関係は事実上無法状態だという考えにこの話は立っていた。

2015-09-28 15:03:45
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

②国際関係は無法状態だという考え方は国際政治学者に多く見られるもので、無法状態のパワーバランスのありかたを論じる学問としてその観点はありだと僕も思っている。無法状態の国際関係で性悪説に立つと、国はほっとけば隣国を侵略するものだから抑止力は必要だというのがそのツイートの論旨だった。

2015-09-28 15:03:52
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

③話をちょっとだけ日本国憲法に振れば、日本国憲法は国連軍を想定してそこに警察権力を預けて日本は戦力を放棄しようとするものだった。今でも国連にある程度の力はあるし、各国は条約で結ばれてるし、国際法もあるから、完全な無法状態じゃないけど、性悪説を採るならたしかに危機はゼロではない。

2015-09-28 15:03:59
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

④警察のいない無法状態の国際世界を想定して「性悪説」から抑止力の必要性を論じたツイート自体に僕は異論はない。ただ、性悪説を言うんなら外向きだけじゃなく、内向きのことも言うべきだろうというのがそのツイートを見たときの僕の感想だった。つまり性悪説に立てば国は国民に対しても悪事を働く。

2015-09-28 15:04:12
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

⑤性悪説に立てば、国家はほっとけば隣国を侵略し、国民を奴隷化する。他国が侵略を夢見るなら抑止力は必要だ。そして国が自国民の奴隷化を夢見るなら、国民は国家に対して抑止力を持たなければならない。ただ、国は軍備を持てるけど、日本では国民が武装して国に対する抑止力を持つことはできない。

2015-09-28 15:04:19
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

⑥国民が国に対して武装するのを許す国があるかというと、実はある。アメリカ合衆国がそれ。米国にとって銃規制が憲法マターなのはそのためで、だから米国は国民の「武装解除」ができないでいる。この米国憲法の成り立ちが端的に示しているのは、米国では「性悪説」を国家に対して採っていること。

2015-09-28 15:04:26
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

⑦でも僕は国民が武装する社会がいいとは思わない。米国の場合は、憲法で国民が武装することを保証しているために、国家が国民に向ける武力も強力かつ大量で、武装した市民がお互いを武器で傷つけ合う事件も後を絶たない。武器のない社会の方が安心だけど、国民の国家に対する抑止力は弱い。

2015-09-28 15:04:35
kaz hagiwara(萩原 一彦) @reservologic

⑧国民に武装を許さない日本で、国民が国家に対して持ちうる抑止力は憲法で、憲法が尊重されるという前提で国民は国家に税金も払い、政治家に政治権力を与えている。国家が憲法を無視するそぶりを見せたとき、武装を許されない国民に何ができるかは対外抑止論を言う人も考えておくべきだと思う。

2015-09-28 15:04:45