いまこそ知られるべき二宮金次郎の先見性

木下斉さんと久松達央さんによる「地域再生」に関する対談記事「二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?縮小時代を生き抜くための“収支”思考(4)」から、抜粋してまとめました。
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二宮は仕えていた小田原藩主から農村再生を命じられて、引き受ける条件として、その地域への支援、今でいう補助金を止めることを提示したんです。 ow.ly/SJbkm 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?縮小時代を生き抜くための「収支」思考(4)

2015-09-28 12:21:17
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補助金を出すだけでは、役人と農民がつるんでお金を取り合うだけで本業の農業に力が入らない。だから補助金ではなく、生産量に応じて税金の算定を変えたり、新規の開墾を推奨するなど推し進めるんです。 ow.ly/SJbod 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?

2015-09-28 12:23:53
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彼の作った「報徳仕法」という手法は本当に巧みで、まず現地をしっかりと調査した上で、それぞれに相応しい支出限度である「分度」に定めます。地域における収支均衡、均衡予算の考え方ですね。 ow.ly/SJbJt 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?

2015-09-28 12:28:01
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二宮はさらに地域内で生まれた余剰の一部を皆に拠出させて、これを原資に地域金融の仕組みを動かすんです。貧しい人には無利子で、豊かな人には一定の金利で。農道整備など社会資本の整備には長期低金利で融資する、といった方法で再生を図りました。 ow.ly/SJbOy

2015-09-28 12:30:15
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生産活動を基本において、その生産力に応じて支出を決めて収支を一致させ、余剰は金融として回していく。このサイクルによって600以上の農村を再生させたといわれています。 ow.ly/SJbS2 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?

2015-09-28 12:30:59
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二宮には多くの地域から依頼が来たんですが、その藩が率先して財政規律を高めない限り引き受けませんでした。貧しい地域で行政側の予算が手厚いのは、身の丈に合わない予算で借金漬けになっていたり、重税体質になっているはずだ、というわけです。 ow.ly/SJc4s

2015-09-28 12:33:44
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しかも二宮は、数字を示して進言するんです。過去の租税台帳から豊作と凶作の平均値を細緻に割り出し、収穫高を見極め、それによって藩の財政規模の適正値を出す。さらに藩財政の部門別予算まで手を入れ、どこを削減するかまで依頼主に提言します。 ow.ly/SJcgB

2015-09-28 12:36:52
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藩の側には自分たちの予算は削減せず、農民だけ働かせて生産力を上げてもっと税金をとりたいという魂胆があったりするので、それを見抜いたら報徳仕法の導入を引き受けないんです。これは現在の地域再生にも通じる、重要なプロセスです。 ow.ly/SJckq

2015-09-28 12:38:12
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二宮の凄いところは徹底した現場主義であるのと同時に、しっかりと書類で記録し、報徳仕法というマニュアルとして体系化していることです。今の時代も現場主義の人って、事業をやることばかりで、記録や体系化とかやらないですから。 ow.ly/SJdoU

2015-09-28 12:57:04
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二宮は晩年に過去の記録と手順書を整備し、同じ方法を実行できる人を増やそうとした。二宮が現代にいたら、アプリを開発したり、プロジェクト管理もオンラインでサポートしていたかもしれません。 ow.ly/SJdwh 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった?

2015-09-28 13:02:17

木下斉氏(左)、久松達央氏(右)

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IT化やシステム化はこけおどしみたいなものもたくさんあって、それに騙されてしまう人もいるし、システムにものすごくお金をかける自治体もある。でも本来は「お金をかけないためにやる」ことなんですよね。 ow.ly/SJdGa

2015-09-28 13:04:21
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「●人が利用しました!」なんて利用実績には意味がなくて、「年間1000万円かかっていたことが50万円でできた」「半年かかっていたことが1週間でできた」「10人がかりでやってたことが1人でできた」というのが実績なんです。 ow.ly/SJdJu

2015-09-28 13:04:45
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会計から販売管理まで、生産性を向上するアプリケーションサービスは山ほどあります。こういうものは、人が減っている地方ほど早く活用しなければいけないんです。 ow.ly/SJdXt

2015-09-28 13:06:30
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雇用は重要な指標ですが、その中身を見ないのは典型的な部分最適です。税収からの予算で雇用を増やしても、生産力が上がっていなかったら、結局は地域の財政負担を拡大し、収支としてはむしろマイナスです。目的と手段をはき違えてしまっている。 ow.ly/SJe05

2015-09-28 13:07:20
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無駄なコストをかければ、結局は量の競争に巻き込まれてしまうんです。それでは地方の中小零細事業では太刀打ちできません。不利を自覚する人ほど、生産性を意識して無駄なことからやめて、量の競争の論理から抜け出さないといけないんですよね。 ow.ly/SJe3K

2015-09-28 13:09:15

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リンク WEDGE Infinity(ウェッジ) 二宮金次郎はクラウド型支援の先駆者だった? 縮小時代を生き抜くための「収支」思考(4) 報徳仕法とは、現地を調査した上で相応しい支出限度である「分度」に定め、地域における収支均衡、均衡予算の考え方だ。