伴悦『岩野泡鳴文学の生成』読書メモ集
- arishima_takeo
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岩野泡鳴の『神秘的半獣主義』は600部刷って400部しか売れなかった(「誤解された半獣主義」)。メモ。
2015-09-30 16:39:18「さきのヴェルレーヌの「暗闇」の力は、「黄昏の風景」に滲んで、泡鴫の詩の世界にも、より直截に影をしのばせているかのようにみえてくる」(伴悦『岩野泡鳴文学の生成』)。真面目なこと書いてくれてんだけど、凄い中二っぽい。
2015-09-30 17:30:17樗牛のニーチェ受容は結構微妙な線で、参照してるにしても『反時代的考察』ぐらいでは? と言われてるらしい。メモ。
2015-09-30 18:27:30しかし、ニーチェの影響っても、(なんの作家であれ)アフォリズム集から読み手の恣意的なメッセージをいくでも引き出せて来れちゃうから、結構研究としては難しいんだよな。
2015-09-30 18:31:17宣誓というのは神判の遺制にすぎない。われこの誓約をもし破らば、神よ、われに耐えがたき苦悩と滅亡をあたえよ、と祈る近代的な呪術にすぎないからだ。by高橋和巳『悲の器』
2015-10-01 15:02:12「井伏鱒二が初めて泡鳴に会ったのは、大正七年の秋であった。早稲田の高等予科一年の時で、専門部政経の学生光成信男に連れられて、訪ねたのである。時に二十歳であった」(伴悦『岩野泡鳴文学の生成』)。へぇー、そもそも会ってたんだ、お前ら。
2015-10-01 17:07:58「井伏鱒二は泡鳴に近づき、作家として生きるうえで大切なものを得たが、その代償として、指導教授片上天弦の怒りをかい、早稲田から追放される破目になる」(伴悦『岩野泡鳴文学の生成』)。二股禁止!
2015-10-01 17:08:40「泡鳴は最初に井伏鱒二に会ったとき、「僕なんかもこれからだ。どんなに才能のない者でも、自分が未知数であるといふ考へは、悄気たときには慰めになり、悄気ないときには鞭撻になる。」(「追憶の岩野泡鳴氏」(二))と述べたという」(伴悦『岩野泡鳴文学の生成』)。いいこと言うじゃん、泡鳴。
2015-10-01 17:18:26「泡鳴の「自然主義的表象主義」の「詩想」の中核にヴェルレーヌの影が落ちていることは、明白なことであるが、このヴェルレーヌを知ったのも花袋の持っていた書物からであった」(伴悦『岩野泡鳴文学の生成』)。へぇー。
2015-10-01 18:28:33伴悦『岩野泡鳴文学の生成』読了。大変勉強になった。明らかに入門書として読むべき本ではないが、泡鳴×ヴェルレーヌ、ニーチェ、中原中也、啄木、花袋など、狭い意味での作家の人生に興味のない私にとっては、こういうカップリング的視座が読みやすかった。啄木「我等の一団と彼」を読まなくては。
2015-10-01 19:31:03