自分の描いたストーリーライン上の主役でいられなくなった時点をもって人は子供のときからの夢を諦めたこととなる

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アトレティコ・アドリー @rrrt77

子供が夢みる将来の職業としてはスポーツ選手だとか、漫画家などがよくあげられるわけです。多くの子供がそういう未来を心に秘めて年をとり、しかしながら実現できる者は当然少数で、最終的に意図せぬ仕事に落ち着いた彼らは「夢を諦めた」のだと自認することになる

2015-10-02 02:36:23
アトレティコ・アドリー @rrrt77

なぜそんなことになったのか? 才能がなかったのかもしれないし運がなかっただけなのかもしれない しかしながらあがきようによってはもう少し描いた世界であがけたのかもしれない BCリーグだってプロ野球であることにはかわりないし

2015-10-02 02:36:53
アトレティコ・アドリー @rrrt77

売れない同人作家でも漫画家の端くれを名乗ることもできないわけではない ですが彼ら元子供の多くはそういう生き方を良しとしない 良しとはせずいわゆるまともな職に就く どこかの会社なり団体なりの構成員となりサラリーを得て生きるようになるわけです

2015-10-02 02:39:14
アトレティコ・アドリー @rrrt77

そちらのほうが経済的に安定し、安定するだけならまだしも生涯収入的にもずっと上で、ならばそれは逃避というよりも自分の人生がより有利になるよう下した選択であるはずで、ですが多くの元子供はここで自分が「諦めた」のだと感じる。

2015-10-02 02:42:38
アトレティコ・アドリー @rrrt77

そしてもう大人なのだからくだらない夢など追ってはいられないとニヒリズムに満ちた笑みを零しつつ夕焼けに消え、駅前でギター片手に無許可の野外ライブをやっている歌手志望の若者を見つけては 「あいつは無意味なことに時間を裂き衆目に恥を晒している」 と馬鹿にしたりするわけです

2015-10-02 02:44:59
アトレティコ・アドリー @rrrt77

ではなぜこうひねくれるのかと言うと、あくまで自らの判断による選択であろうと、今現在の自分のあり方に完全に満足しきることができておらず、その意味で未来の自分への未練と、過去の自分への負い目があることによります。 地に根をはった職業は確実な収入は保証してくれても

2015-10-02 02:51:07
アトレティコ・アドリー @rrrt77

その分実利の確保に特化しなかなか「夢」は見させてくれない 組織の歯車にされているのならなおさらで、今自分がどういう役割を背負わされ何をやっているのかも分からなくなり、同時に実利を第一にしている以上、そこかしこで小汚い立ち居振る舞いも余儀なくされる

2015-10-02 02:53:36
アトレティコ・アドリー @rrrt77

職種にもよりますが、だんだん自分のしていることで胸を張れなくなってくる。 こうなると心の支えは年収額だけとなり、その上昇をひたすら望み、反面ネット上で富豪を妬み弱者を貶め不毛な叩き合いに奔走したりするようになっていくわけです

2015-10-02 02:55:54
アトレティコ・アドリー @rrrt77

そこで、そもそもかつての子供が描いた「夢」とはいったいなんだったのかについて考えてみる。 たとえばプロ野球選手や有名な漫画家と会社の営業職とであれば 多くの人は前者のほうがより夢のある夢的職業、生き方であると認識するものと思われます。 ではその実態は何なのか?

2015-10-02 03:03:22
アトレティコ・アドリー @rrrt77

その職が可能とすることもあるより高い収入なのか?一般人ではなかなか得ることのできない社会的名声あるいは知名度なのか? もちろんそういったものも夢の大きな要素となっていることは紛れもない事実でしょう。 小学生と言えどそういう部分に関しては意図せずとも狡猾的に打算するわけです。

2015-10-02 03:05:33
アトレティコ・アドリー @rrrt77

しかしながら同時に小学生に聞いた場合の将来なりたい職業には 「お花屋さん」 「おもちゃ屋さん」 「ケーキ職人」 と言った部類のものも頻繁に登場してくる。 これらの仕事は特段高収入や社会的名声が保障されているわけではありません。

2015-10-02 03:09:53
アトレティコ・アドリー @rrrt77

またそれだけを欲し、職はそれを得るための手段にすぎないというのなら その者はなりたい職業の欄に、「お花屋さん」ではなく「実業家」とでも書くべきと言うことになります 即ちカテゴリが根本的な部分で少々違う しかしながら子供にとってそれが夢であることに変わりはない

2015-10-02 03:11:59
アトレティコ・アドリー @rrrt77

ここで子供が、というよりも社会が用意する種々な障壁の妨害作用に晒されず、したがって最も純然たる精神状態にある人間が「夢」として掲げる対象の要素として、「収入」や「名声」以外に「主体性」「主役性」などといった概念が想定されるのではないかと考えられるわけです

2015-10-02 03:18:28
アトレティコ・アドリー @rrrt77

「主体性」はほぼ辞書通りの意味で、自らの指針と行動の目的を自分で知り管理することのできる権限を有していることであり、これはスポーツ選手やクリエイター、自営業者は持ちえても、組織の歯車に甘んじる会社職員等には中々縁を持ちにくいものです。

2015-10-02 03:32:36
アトレティコ・アドリー @rrrt77

故に彼らは時として焦燥に精神を疲弊させることがあります。 これに対して「主役性」とは、「己が掲げる己の良しとするストーリーライン上の主役に自らを一貫して固定させ続けられること」を言います

2015-10-02 03:34:27
アトレティコ・アドリー @rrrt77

「花屋」「おもちゃ屋」などはその扱う商材が自らの好きなものであったり、またはそれを据え置く店全体の雰囲気が自身のアイデンティティに適合するものであり、ならばそれに身を染められると言うことはすでに自身の用意した世界観の中心座標でその隅々まで見渡しながら生きることができるのと同義で

2015-10-02 03:54:02
アトレティコ・アドリー @rrrt77

ここに人間は何物にも変えがたい充足感と精神的安定性を手にできるわけであります。 自営業の場合は、このように一種自己完結的な部分もあるのですが、プロ野球選手や漫画家などの場合には、これのみならず周りの目と言う材料も加わってきます。

2015-10-02 03:56:09
アトレティコ・アドリー @rrrt77

例えば試合を決めるホームランを放った打者は翌日スポーツ新聞の一面を飾るでしょうし、ヒット作を飛ばした漫画家もまた各種メディアにおいて自身や、あるいはその分身たる作品が引っ張りだことなります。 その瞬間彼らは確かに、自身のみならず彼らを監視するコミュニティ公認の主役となります。

2015-10-02 04:05:29
アトレティコ・アドリー @rrrt77

自らの主役感が多かれ少なかれ他者による裏打ちを受けられ、掲げるストーリーラインをより強固なものにしていけるという点では、名を売れる職業のほうが、「主役性」を希求する人間にとってはより理想的となりうる部分もあるかもしれません。

2015-10-02 04:11:12
アトレティコ・アドリー @rrrt77

ただその要素は、先述の夢を諦めるかどうかという挫折に密接に繋がっていきます。すなわち、地域リーグの野球選手や、売れない同人作家では、まず全国レベルでちやほやされることはない。 周囲からの補強は限りなく希薄化され、ならば「主体性」はあっても、自らの世界観の中心で生きていられようと

2015-10-02 04:15:44
アトレティコ・アドリー @rrrt77

「主役性」の完成にこの材料を頼りとしていた者は深刻な孤独を覚えることとなります。その際当人は、自ら、降りなくてもいいはずの主役の座から転がり落ちたりするわけです。 そうなると一転して「年収」や「安定性」といった他の、そしてより現実的な要素により目が行くようになり

2015-10-02 04:18:06
アトレティコ・アドリー @rrrt77

「あんなものは夢だった」 「自分は夢を諦めたのだ」 と己に区切りをつけそのフィールドから去っていくこととなります。 繰り返しになりますがこの選択は別に間違ったものでもないのです。 問題なのは、この時点において当人の胸中にあるストーリーラインが突如行き止まりとなり

2015-10-02 04:22:15
アトレティコ・アドリー @rrrt77

以降、己がどこにいるのか、ひいては何者であるのかを見失ったまま、ただただ過ぎ行く時間に心を焦らせ、いえそれならまだましなのですが、場合によっては時間の流れすらろくろく把握することができず、気がつけば定年を迎え

2015-10-02 04:28:20
アトレティコ・アドリー @rrrt77

振り返れば空白の過去だけがぼんやり転がっていたなどという事態にもなりかねないと言う事実です。 それは最悪の結末と言えます。 ここで夢的な生き方を夢的であらせる一大要素である主役性についてもう一度見直したいのですが、それを成り立たせているのは職種でもなければ他者からの承認でもなく

2015-10-02 04:34:55
アトレティコ・アドリー @rrrt77

自らを自身が用意したストーリーラインの主役に固定させ続けられるかどうかという、ただそれだけの事項なのです ならば「夢の終わり」は、職種継続上の頓挫からでも、衆目の無視から来るわけでもなく、自身のストーリーをある地点からそれ以降書き続けられなくなった段階で初めて発生するのであり

2015-10-02 04:50:24