高橋みなみ「AKBのセンターは、まず前田敦子という絶対的なエースがいて、彼女が卒業した後は大島優子になって、というように固定されて来た印象がある」 そして次の絶対的エースが渡辺麻友であることは、ファンもメンバーも当然の流れと考えていたのだが、運営は何故か、そこから迷走を始めた。
2015-09-26 12:45:19前田敦子卒業に合わせて行われた東京ドームの組閣では、各チームのエースが、渡辺麻友(A)松井珠理奈(K)島崎遥香(B)となり、この時点では、運営が渡辺麻友を中心としたこの3人を次期センター候補と考えていたことは間違いない。実際にAKBは、少なくとも半年はこの路線に沿って動いていた。
2015-10-04 00:01:10この方針が転換されたのは、やはり峯岸みなみに関わる騒動を発端に、AKBに対して「フェミニズムからのプレッシャー」が強くなったためだと思う。秋元康は、この圧力をかわすには、恋愛禁止ルールを一度、相対化し無力化して見せる必要があると考えた。その結論が総選挙での指原莉乃1位だったのだ。
2015-10-04 00:04:44当時、AKBが受けていた風当たりの強さや時代の流れを考えれば、恋愛問題を機にHKTに移籍していた指原莉乃をトリックスターにしようとした秋元康の戦略は決して間違っていたとは言えない。そして、指原莉乃をセンターとしたAKBは「恋するフォーチュンクッキー」という起死回生のヒットを放つ。
2015-10-04 00:06:56つまり、AKBは自らの手で「アイドル界のジョーカー」を生み出してしまったんだよね。日本一のアイドルグループであるAKBの頂点に立っている人が「アイドルという概念の破壊者」であるというのは確かに凄いけれど、この手が見事に決まったせいで、秋元康は、次の一手が打てなくなってしまった。
2015-10-03 10:04:26秋元康は賭けに勝った。しかし、見事に勝ち過ぎたために「元に戻れなくなった」。傍流であることで力を発揮する筈の、何でもありのトリックスターが主流になってしまったことによって、AKBはカオスの時代に突入する。2013年末には大島優子が卒業を発表。そして2014年、あの事件は起きた。
2015-10-04 00:12:31AKBを初期から支えた「もうひとりのエース」である大島優子は、渡辺麻友にエースを引き継ぎたいと発言していたが、時代はAKBを違う道へと導いた。大島優子の卒業発表は、リレーのバトンをきちんと渡したと納得したからというより、時代が自分の手から離れいくことを自覚して決意した印象がある。
2015-10-04 00:34:03大島優子の卒業という、歴史の転換点となる大きなイベントの直前、握手会でAKBを破滅させかねない「事件」が起こる。そして、その衝撃から立ち直る余裕のないまま、AKBは2014年の総選挙に突入した。しかし、この事件はAKBのファンに、カオスの時代からの覚醒という効果をもたらしたのだ。
2015-10-04 00:48:50あの衝撃の事件を経て、総選挙に臨んだファンに沸き起こったのは「もう一度AKBの原点に立ち返りたい」という想いだった。それが、予想を覆す渡辺麻友の1位であり、味の素スタジアムを揺るがす7万人の「まゆゆコール」だった。あの時ファンが示したのは「かつてのAKBに戻れ」という意志だった。
2015-10-04 01:01:49結局、秋元康と運営は、あの「まゆゆコール」に耳を傾けなかった。「一度開けてしまったパンドラの箱を、再び閉じることは出来ない」という思いだったのかもしれない。しかし、総選挙1位となった渡辺麻友と、それを支持したファンの気持ちを無視したことは、結果としてAKBの勢いを弱めてしまった。
2015-10-04 01:14:00AKBが渡辺麻友をセンターとして本気で推さなかったことと、恋愛禁止ルールの崩壊はリンクしている。これには仕方がない面もある。恋愛禁止ルールはいずれ崩壊せざるを得ない。AKBが完全にかつての姿に戻ることを時代は許さない。しかし、それでもAKBは、渡辺麻友から逃げるべきではなかった。
2015-10-04 01:33:29アイドルのファンタジーを追求する渡辺麻友とアイドルのリアリティを先鋭化する指原莉乃。二人の才能は正統と異端として補完関係にある。だから、本来、AKBの中心には正統の渡辺麻友がいて、異端の指原莉乃がそれを支える(又は脅かす)のが望ましいあり方なのだ。しかし、秋元康はそうしなかった。
2015-09-27 15:25:28@dvba40 アイドルの魅力には「日常の延長線上の親しみやすさ」と「日常では出会えない偶像への憧憬」がある。いわばリアリティとファンタジー。通常のアイドルは、その2つを併せ持ち、その間で揺れ動くものなのだけれど、指原莉乃と渡辺麻友は違う。それぞれ、片方の道だけを走り続けている。
2015-09-27 10:15:06@dvba40 指原莉乃は最初から「日常的なエロティシズム」を感じさせる子だったが、スキャンダルを自ら取り込み、幻想としてのアイドルの破壊者を選んだ。 渡辺麻友はアイドルというファンタジーを日常性で中和し、大衆化することを好まない。むしろ日常性を切り捨て、より純化する道を選んだ。
2015-09-27 10:32:46渡辺麻友は王道であり純潔である。かつてのAKBの「ストイックな真剣勝負」を純化したような存在だ。しかし、AKBのもう一方の本質「何でもあり」の部分は、自ら削ぎ落してしまっている。その純粋さをAKBの運営は恐れ、遠ざけた。しかし、アイドルグループの中心には王道がいなければならない。
2015-10-04 01:46:09王道があるからこそ異端が活きる。直球が存在するから変化球に効果がある。直球しか投げない渡辺麻友は、確かにイビツな存在だ。しかし一方で、変化球の名手、指原莉乃がいる。この二人が同時代にAKBのトップにいるのは偶然ではない。王道渡辺麻友を異端指原莉乃が支える。それが採るべき道なのだ。
2015-10-04 02:00:35今、直球と変化球という、野球の例を出したから少し説明しておくと、メジャーで頂点に立つのは、剛速球ではなくチェンジアップを使いこなす投手だ。でも、チェンジアップは速球があって、初めて効果が出るボールだ。速球がなくてチェンジアップだけだとしたら、それは「ただの遅いボール」なんだよね。
2015-10-04 02:12:35私は「異端の人」がAKBでトップクラスにいるのは良いことだけれど、「顔」になってしまうのは、長い目で見れば、好ましくないと思っている。これからAKBを目指す少女たちを考えてみれば分かる。子供は、そのグループの頂点を目標にする。であるなら、その「顔」は王道のアイドルであって欲しい。
2015-10-04 10:13:41もし、アイドルグループの「顔」が「アイドルの変化球」で「異端であるからこそ輝く人」だったら?そして、これからグループを目指す子供たちが、皆「あの人になりたい」と目標にするとしたら?いずれ、アイドルグループではなくなってしまうだろう。全員がバラエティを希望するならアイドルではない。
2015-10-04 10:21:46やはり中心には正統派のスターが存在し、子供たちは正統派にあこがれる。でも、中には「自分は、異端の人こそ本当の実力者だと思うし、その人を目指す」という子供も出てくる。これが長く続くアイドルグループの、正しいバランスではないでしょうか? 宝塚も歌舞伎も、その「顔」は正統派のはずです。
2015-10-04 10:25:17ただし、指原莉乃と渡辺麻友には、もう一つ興味深い側面がある。元々アイドルファンである指原莉乃は、実は正統派への指向が強い。一方、自他ともに認める正統派である渡辺麻友は、その内側にアヴァンギャルドを秘めている。その「魂の本質」では、指原莉乃こそ王道で、渡辺麻友は異端だとすら言える。
2015-10-04 10:34:13私が、渡辺麻友と指原莉乃のツートップ体制を支持するのは、この二人の資質が全く真逆で、完全な補完関係にあるからだけれど、同時に、二人は互いの役割を入れ替えることも出来るのではないか?という可能性を感じるからだ。 本当に優れたしゃべくり漫才が、ツッコミとボケを自在に入れ替えるように。
2015-10-04 10:37:18漫才コンビは普通、ツッコミとボケが固定されているけど、全盛期の「やすし・きよし」は、ツッコミとボケが高いレベルで自在に入れ替わり、笑いを重層的にしていた。渡辺麻友と指原莉乃はAKBの中でこれが出来る気がする。 いや、漫才をやれという意味じゃないよ!漫才でもいいけどさ。 (^○^)
2015-10-04 10:43:52@dvba40 指原莉乃は、本質的にはコモンセンスの人が、頭の良さでアヴァンギャルドを演じている。渡辺麻友は本質がアヴァンギャルドの人が、意志の力でオーソドックスの仮面を被っている。秋元康は、渡辺麻友に仮面を取って欲しかったのかもしれませんね。でも、渡辺麻友はそうしたくなかった。
2015-09-18 22:15:52『ガラスの仮面』の二人の王女編で月影千草が、北島マヤと姫川亜弓の「いかにも」なハマリ役を「この方が面白くなる」と入れ替えて見せたように、指原莉乃と渡辺麻友のAKBにおける役割も、入れ替えてみたらどうだろう?面白くなるかもしれないよ。 pic.twitter.com/lumavZIc7j
2015-08-26 18:26:07