「ラグビーは教育に似ている」

京都橘大学 池田修先生のツイートまとめ
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池田 修 @ikedaosamu

1)「ラグビーは教育に似ている」。これは私が『教師になるということ』(学陽書房)に書いたことだ。今回、ラグビーカップで日本が勝っている。勝っているのはとてもうれしいが、そうでなくても、このラグビーといスポーツを見るたびに、やっぱり似ているなあと思うのだ。#ラグビーW杯

2015-10-04 12:49:39
池田 修 @ikedaosamu

2)私がラグビーを最初に見たのは自分が中学生の頃だと思う。そのときは、非常に変なスポーツだと思った。色々と変なのだが、その中でも特に変だと思ったのは、パスのボールを前に投げられないことだ。(それってパス?)と思った。球技でそんなの他にはないんじゃないだろうか。

2015-10-04 12:50:41
池田 修 @ikedaosamu

3)さらにボールが楕円。キックは前にボールを出すことができるが、楕円なので、そのボールがどこに行くのかがわからない。そんなんで試合になるのか?と思った。いや、そもそものルールはとてもシンプルだ。前に進んで相手の陣地のエンドにボールを持ったまま置くシンプルさ。それだけに目立った。

2015-10-04 12:52:46
池田 修 @ikedaosamu

4)だけど、私が成長するに従って(これは面白いスポーツだなあ)と思うようになった。私が大学生の頃は、冬に国立競技場に見に行っていたこともある。なにが面白いのかというと、まさにそのボールを前にパスできないことなのだ。キックしたボールがどこに行くかわからないことなのだ。

2015-10-04 12:53:37
池田 修 @ikedaosamu

5)そして(ああ、教育に似ているなあ)と思うようになったのだ。私は、教師になる前に、なってからも色々なものを先達、恩師から手にしている。とても感謝している。恩返しをしたい。しかし、できない。先達や恩師は恩を返せるほど小さな存在ではない。また亡くなっていたらどうしょうもない。

2015-10-04 12:54:08
池田 修 @ikedaosamu

6)だが、日本語には恩返しならぬ、「恩送り」がある。恩は返さなくて良いのだ。恩は送ればいいのだ。教師は先達や恩師から頂いたものを受け取り、自分で前に進み、後から来る者に伝えて前に行かせればいいのだ。汚れた部分を拭い、受け取りやすいパスを後ろから来る者に渡せばいいのだ。

2015-10-04 12:55:04
池田 修 @ikedaosamu

7)時に、遠くに蹴り出すこともある。それは後ろから来る者を信じて、その「ボール」がどこに転がっていくのかはわからないまま(彼らならそれを拾って、前に進んでくれる)と信じて蹴るのだ。学級担任をしていたとき、ゼミをしているとき、年に数回、このタイミングを私は経験してきたし、している。

2015-10-04 12:55:29
池田 修 @ikedaosamu

8)次の対アメリカ戦を見ながら、またそう思うんだろうなあと思っている。#ラグビーW杯

2015-10-04 12:56:16