黄昏町(九板)五日目

柊 @hiiragi_r_t_d

【五日目】 【魂10/力1/探索2】 【異形】三ツ目(力+1、探索+2) #hollytk

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[ハンドアウト]気が付くと、血溜まりの中で佇んでいる。君の血ではないようだ。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552 #hollytk

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「……はぁー」 わたしはぼんやりと溜め息をつく。 ふと周りを見ると、一面血溜まり。おびただしい量の赤錆色の液体が、そこに立つわたしのローファーを汚す。 頭の上には、昨日の男がかぶっていたパナマ帽。 「……お礼のつもりでしょうか」 01 #hollytk

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わたしは似合わないパナマ帽を畳んで懐に入れ、血溜まりの水面を眺めながら服を整える。 「あれ、額に傷がありますねー」 生き返るからと言って無傷で蘇るわけではないのだろうか？しかし大きな傷だ。額の真ん中を縦に走っていて、まるで昨日の男のよう…… 02 #hollytk

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ぎょろり。 額の傷が開き、中から黒い瞳が顔を出す。 「……え？」 血溜まりに映ったそれに唖然とするわたしの視界が、急速に塗り替えられていく。 目の前の赤に被せるように、燃えカスのような焦げ茶色。 その血溜まりに映るわたしの額に、塗り潰したような黒。 03 #hollytk

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「……騙されました」 殺されて異形が貰えるなんて、聞いていない。そんな事なら…… 「お礼の一つくらい、言っておけば良かったですね」 わたしは懐からパナマ帽を取り出して、目深にかぶった。額の眼が隠れるが、大きな眼はパナマ帽の生地越しでも容易く周囲を見渡せる。 04 #hollytk

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わたしはパナマ帽の角度を調節した後、のんびりと歩き出す。 「はぁー……また会えますかね」 お礼を言わなくては。やっぱりお礼は早い方がいいし。 そんな事を考えていたわたしの耳に、エンジン音が飛び込んでくる。 「……はぁー」 昨日別れたばかりの、鏑木君の車だ。 05 #hollytk

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今度はわたしをはねる事無く止まってくれた乗用車から、鏑木君が顔をのぞかせる。 「九板さん！良かった、無事だったんだね！……その帽子は？」 「この帽子はそこらへんで拾いました。似合ってますか？」 「あ、あー、うん。似合ってる」 ……思い切り気を遣われました。 06 #hollytk

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「ありがとうございます。じゃあわたしはこれで」 「そんな！またこうして会えたのも何かの縁、休んで行きなよ」 「……そんな事いって、わたしの事を探し回っていたのでは？」 昨日、あれだけ乱暴に扱われたからでしょうか。下衆な勘繰りばかりが冴え渡ってしまいます。 07 #hollytk

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「心外だなあ。僕はいつも通りのルートを走っているだけだよ。じゃ、またね！」 やや急発進気味に、鏑木君と愛車は去っていった。 「はぁー……バレてない、ですよね」 パナマ帽のつばをくいと上げ、三つの目で道の先を見据えるわたしは、高い煙突が立っている事に気付く。 08 #hollytk

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「……あの煙突、なんでしょうか」 地平線から顔を覗かせた煙突は、沈黙を守っている。 「行ってみましょう」 わたしは足取りも軽く歩き始めた。 ああ、なんといい気分だろうか。わたしは今、待ち望んだ『非日常』の中で、あまつさえこの身に異形を宿して歩いているのだ。 09 #hollytk

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「いやー、『生きてる』ってカンジ、ですよねー」 くすくすと含み笑いをこぼしながら、わたしは額の眼を見開く。 男の言う通り、夕焼け空がとても綺麗に見えた。 10 #hollytk

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──────── 【五日目】 【生存】 【魂+1】 【魂11/力1/探索2】 【異形】三ツ目(力+1、探索+2) 11 #hollytk

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[町]住宅地に足を踏み入れた途端、通りの向こうから乗用車が君を目がけ勢いよく走ってきた。《異形1つ以下なら保護される【魂+1】異形2つ以上で轢死【魂-2/異形『半透明(探索+3、力-3)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk