2015年10月12日

コロンビア映画『土と影』について

雑感
ロラン @malgre_nuit

ラテンビート映画祭にて『土と影』。灰の舞い散る、絶対的な存在としての大地を背景に据え、明るみと暗がり、移動と不動がせめぎ合い、その双方が儘ならないどうにもならなさ。しかし映画は燃え盛る大地の前に立ち竦む絶望に終らず、移動と不動の対極へと別れる家族の最後の姿を映し出す。素晴らしい。

2015-10-12 00:51:25
ロラン @malgre_nuit

『土と影』帰郷した祖父を迎える「外に出られない」孫。あるいは病床の息子。冒頭に提示される《不動》に対し、働きに出掛ける女たちの《移動》。彼女たちも、ストライキの労働者たちの中では沈黙する。そして映画を決定づける祖母の頑なな不動。絶対の大地の下、家族の内部で移動と不動がせめぎ合う。

2015-10-12 00:56:08
ロラン @malgre_nuit

『土と影』ストライキの労働者たちが座り込むショットに対し、一家の母と祖母が黙々と草を刈る逆構図のショット。遠景の左端で黒い鳥が、右端で白い鳥が低空を飛ぶ。祖父が独り夜道を歩く場面には、かつての愛犬と同じ数の犬が通る。冒頭で額縁に示される馬は、幻の如く家に現れる。奇跡的な動物たち。

2015-10-12 01:00:11
ロラン @malgre_nuit

『土と影』仕事からの帰宅を迎える義父の一言に、息子の誕生日を思い出す母。直前の車内で静かに涙を流していた彼女と待っていた義父の抱擁に感極まる。画面の左端へと家から退く祖父に対し、右端には彼が孫に作った鳥を呼ぶ装置がある。去り行く者と残されたものを等置させるショットにも驚嘆した。

2015-10-12 01:06:44
ロラン @malgre_nuit

『土と影』開かれた扉や窓が切り取る白昼の大地が暗い家を微かに照らしていたが、炎に包まれた大地は死に、その家も荒廃する。帰郷した祖父と共に《移動》する母子。再び去って行く夫と抱き合った後、座り込む祖母。無人の家を独り守り続ける彼女を映したラストショットにも、確かな《不動》があった。

2015-10-12 01:49:04
ロラン @malgre_nuit

辺境の大地における家族を描いた映画には『Medeas』という傑作があるが、『土と影』もそれに引けを取らない素晴らしさ。時に大胆な接写で映し出される家族の姿に何度も感極まった。そして、本作の《不動性》を決定づけるこのショット。 pic.twitter.com/MAtS0hafoW

2015-10-12 01:24:47
拡大

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?