モーニング編集長@asashima1の語る、『漫画の強みとは何か』・・・生産性の観点から

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島田英二郎 @asashima1

ここんとこバタバタしてて数日ぶりにツイッターあけたらTLがどえらいことになってた。ものすごい量のツイートが。ツイッターって面白いし役にも立つけどリアルタイムで乗っかってかないとついていけないのね。

2011-01-12 19:09:06
島田英二郎 @asashima1

ぶっちゃけ思うのは、こんなもんあったら「雑誌読む時間なんてなかなか持てないよな」ってことです。単行本はともかく、この状況下で時間を割いてもらうだけの雑誌をつくるのはつくづく容易なことではない。

2011-01-12 19:09:15
島田英二郎 @asashima1

でも「漫画が売れなくなったのは、いろんな娯楽が増えたから」って意見に簡単に与する気にもなれない。確かに「情報を得るためのツール」とか「単に時間をつぶすためのツール」ってのは、今や文字通り山のようにある。アップストアのぞいてるだけで一日終わっちゃうもの。

2011-01-12 19:09:25
島田英二郎 @asashima1

漫画ってのはものすごく広い娯楽だから、純然たる時間つぶしの娯楽にもなり得れば、楽しみながら情報を得るための道具にもなり得る。でも一番の強みは「手軽なのに単なる時間つぶしに終わらない娯楽」だってとこだと思う。

2011-01-12 19:09:38
島田英二郎 @asashima1

たった数分で読める20pの作品が、大の大人の人生観を変えることだってある。まあ、そういうと大げさだけど、でもちょっと世の中の観方が変わったり、それこそ生きる力がわいてきたりする作品ってあるでしょ?

2011-01-12 19:09:47
島田英二郎 @asashima1

池波正太郎さんのエッセイで、全盛期の新国劇の脚本を書いてたころはお客さんから「新国劇を観て自殺するのをやめた」って手紙を何度ももらったそうです。創作物は時間つぶしにもなるけど、実際に人の人生を変えることもできる。

2011-01-12 19:09:58
島田英二郎 @asashima1

考えてみりゃ当たり前のことで、自分の人生に映画や小説の影響を感じない人って珍しいのでは。聖書や四書五経が息づいてる世の中ならともかく、普通の現代人の倫理観のベースってけっこういろんな種類のフィクションによって出来てる部分が大きいんじゃないか。

2011-01-12 19:10:10
島田英二郎 @asashima1

子供のころ読んだ漫画の主人公みたいに生きたい! とはさすがに思わなくても(いや、思ってもいいけど)、「こういうことするのは人として間違ってる」とかもっとストレートに言うと「そんなことしたらかっこわるい」って感覚…

2011-01-12 19:10:22
島田英二郎 @asashima1

親や先生?の教育もあるけど、よーく自分のなかをさぐっていくと意外と矢吹丈とかブラックジャックとか銀次郎とかがいたりして…。もちろんちっともあんなふうにかっこよくはなれないしょうもない人生だけど「かくあれかし」と思うことはやっぱり大事だ。

2011-01-12 19:10:36
島田英二郎 @asashima1

別に修身の教科書みたいな漫画がいいって言ってるわけじゃなくて、漫画の大きな武器はそういう生産性ではないかということです。読む前と読んだあととで、こころに変化があるってこと。携帯ゲームには(少なくともいまのところは)ないものでしょう。

2011-01-12 19:10:46
島田英二郎 @asashima1

パスタイムツールとしては携帯ゲームや各種のアプリはものっっっっすごくよくできてます。そっちの土俵で全部勝負しようとしたら漫画はなかなか勝てないと思う。

2011-01-12 19:10:58
島田英二郎 @asashima1

漫画がほかの娯楽に勝てないとしたら、漫画が自分の武器を見失って相手の土俵にのっていくからだと思う。漫画の強みは人生を変えるような衝撃を、小説よりも映画よりも手軽に短時間にあたえられること。

2011-01-12 19:11:13
島田英二郎 @asashima1

そういう衝撃を「週刊連載」で与えられれば漫画はツイッターにも携帯ゲームにもアプリにも負けないと思う。たった20pの作品のなかに、大のおとなのこころを1週間わしづかみにして放さないような一コマがあればいい。

2011-01-12 19:11:22