【ザ・ボイス そこまで言うか!】有本香さんの解説 2015/10/13
ザ・フォーカス~中国の国際経済戦略の今後
【中国の国際経済戦略の今後】(1)有本:国際経済戦略ということで言うと、この夏までの間に習近平氏は2つくらい大きな構想をぶち上げていた。ひとつは陸のシルクロード、海のシルクロード。それからAIIB。日本とアメリカはなぜ入らない?みたいなやりあいもあった。 #ザボイス
2015-10-14 20:26:30【中国の国際経済戦略の今後】(2)有本:ただ中国国内の経済があまりにもわるいという状況もあるので、そうそう景気よく外に向かっていろいろなことができるか、という状況になっている。TPPの基本合意を受けて、中国も公式にコメントを発表しているが、平静を装っている。 #ザボイス
2015-10-14 20:27:54【中国の国際経済戦略の今後】(3)有本:つまりTPPは、アジア太平洋地域でのほかの経済協力など、今後中国が進んでいこうとする方向性と補完しあうものであって、べつにバッティングしないんだと言っている。中国は、決して反発したり対抗したりしませんよということを見せている。 #ザボイス
2015-10-14 20:31:35【中国の国際経済戦略の今後】(4)有本:しかしTPPに関係することで言うと、私はつい最近すごくおもしろい風刺画を見た。いま日本に一時的に「逃げて」きている中国人の風刺漫画家で辣椒という人がいる。この人がNewsweekに描いたマンガがある。 #ザボイス
2015-10-14 20:32:51参考:辣椒氏の風刺マンガ(Newsweek)
【中国の国際経済戦略の今後】(5)有本:そのマンガの中で中国がすごく汚い風呂に入っている。その向こう側にはきれいな風呂があって、日本とアメリカが入っている。その間に洗い場があって、体を洗っている人がひとりいる。だれかというと、ベトナム。ベトナムはTPPに入った。 #ザボイス
2015-10-14 20:34:04【中国の国際経済戦略の今後】(6)有本:TPPについてはまだはっきりしない部分もあるが、オバマ大統領は中国のような国にルールを作らせないぞということを言った。だからといって中国を未来永劫はじくということではなくて、中国のようなやり方ではお互いに商売しないよということ。 #ザボイス
2015-10-14 20:35:02参考記事(朝日新聞)
【中国の国際経済戦略の今後】(7)有本:ではなぜベトナムという共産国家がTPPに入っているのか。ベトナムのグエン・フー・チョン書記長は、今年7月に訪米した。もちろんベトナム国内、ベトナム共産党の中にも、ベトナムがアメリカと近しくなっていくことに懸念を持つ勢力はある。 #ザボイス
2015-10-14 20:36:33【中国の国際経済戦略の今後】(8)有本:しかし安全保障の問題もあって、いまベトナムはアメリカにどんどん近づいていっている。ベトナムにも人権問題があるが、書記長が訪米するとき、ひとつの「手土産」のようにして、拘束していた人権派の弁護士で非常に象徴的な人を釈放している。 #ザボイス
2015-10-14 20:39:02【中国の国際経済戦略の今後】(9)有本:TPPの最初のメンバーの中でベトナムだけがちょっと異色。でもベトナムはTPPの国々と同じような価値観に近づいていきますよ、というポーズをいまのところ一応している。その意味で、ベトナムが「きれいな湯に入ろうとして体を洗っている」。 #ザボイス
2015-10-14 20:40:41【中国の国際経済戦略の今後】(10)有本:習近平氏は来月、ベトナムを訪問する予定。なぜベトナムに行くのということだが、ベトナムがアメリカや日本という方向により一層近づいていくことに対する懸念が相当深い。 #ザボイス
2015-10-14 20:41:46【中国の国際経済戦略の今後】(11・了)有本:しかし1年くらい前には、ベトナムのEEZに中国が石油の掘削装置を置いたことで、ベトナムとも相当激しいやりあいがあった。だからそのあたりもちょっとおさめていこうという動きだと思うが、なかなかきびしい状況にはなっているだろう。 #ザボイス
2015-10-14 20:43:32Q&A:続・中国の国際経済戦略の今後
【続・中国の国際経済戦略】(1)有本:WTOに入るとき、中国は国際社会をだましたという評価。国際ルールに則っていくよと言って入ったのに、結局守らないじゃないかと。今度はTPPの「きれいなお湯」の方でやり直そうという意味だ、ということを風刺画の作者は言っている。 #ザボイス
2015-10-14 20:45:58【続・中国の国際経済戦略】(2)飯田:風刺画の「TPPの湯」のところに「迷惑行為の禁止」と書いてある(有本氏、飯田アナ、笑う)。よりきびしいルールという感じがする。このTPPの湯だが、いろいろなところが興味を示している中で、台湾も入るぞというような話もある。 #ザボイス
2015-10-14 20:47:59【続・中国の国際経済戦略】(3)飯田:とくに次の総統選挙で勝つだろうと言われている、野党・民進党の蔡英文氏。このあいだ来日していた。安倍総理に会った会わないという話も出ているが……。 有本:あれは会っているだろう。この前、李登輝氏が来日したときもこんな話があったが。 #ザボイス
2015-10-14 20:48:59【続・中国の国際経済戦略】(4)有本:蔡英文氏を今回迎えたのは自民党の古屋圭司氏と岸信夫氏。会わないわけがないだろう。古屋氏は安倍総理の最側近で、岸氏は安倍総理の実弟。それはもうわかりきっている話として、ただ公式には会ったことになっていないというだけの話。 #ザボイス
2015-10-14 20:50:24【続・中国の国際経済戦略】(5)有本:4年くらい前、蔡英文氏が東京に来たときに私も会ったことがある。蔡英文氏は弁護士出身で、英語も大変堪能。とてもクレバーでクリーンな印象があった。しかし、そのあと蔡英文氏は2012年の総統選に出馬して馬英九氏に敗れた。 #ザボイス
2015-10-14 20:51:28【続・中国の国際経済戦略】(6)有本:蔡英文氏はまだまだ政治的な経験が足りない、クリーンなだけではダメなんだと言われていた。でも最近、台湾国内でのいろいろな評価を見ると、いい意味かわるい意味かはわからないが、物言いが政治的になってきたと言われている。 #ザボイス
2015-10-14 20:54:32【続・中国の国際経済戦略】(7)有本:総統選挙はいまのところ蔡英文氏が有利ということだが、国民党も女性候補を立てるようだ。この人は中国に非常に近い。中国共産党に非常に親和性を持っているような人らしい。 #ザボイス
2015-10-14 20:55:28【続・中国の国際経済戦略】(8)有本:安倍総理は蔡英文氏に何回も会っている。安倍総理が総理に返り咲く前、安倍氏が台湾を訪れたときも会っていたはず。だから相当交流がある。もし蔡英文氏が総統になれば、それはそれでいい関係でコミュニケーションは取れるだろう。 #ザボイス
2015-10-14 20:56:51