短歌のオリジナリティについて(他ジャンルの芸術との比較による)

「歌壇ではオリジナリティがどう評価されるんだろう?」という疑問に、さまよいくらげさん(@samayoikurage)が答えてくださいました。
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ユーリ(時には休息も必要です) @yu_riir_uy

先日お話しした歌人の方に、「短歌は“固有名詞”的なもの、つまり詠んだ人にしか詠めない、分からない歌がよしとされる」と伺ったのだけど、実際のところ、そうなんでしょうか。

2015-10-14 22:53:40
ユーリ(時には休息も必要です) @yu_riir_uy

オリジナリティってことかもしれないけど、ちょっと寂しくないですか? どうせなら共感して欲しいけどなぁ。

2015-10-14 23:00:15
ユーリ(時には休息も必要です) @yu_riir_uy

@samayoikurage おはようございます。よくよく考えると、短歌に限らず、芸術や創作はどれもそうですよね。ただこの前聞いた話だと、歌壇ではオリジナリティ追求傾向が強い(それもかなり)とのことだったので、そうなのかなぁと思ったのでした。

2015-10-15 08:08:46
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy さて、それでは少々長くなりますがいただいた疑問に答えたく思います。もっとも私は歌壇の主流に身を置いているわけではないので、別の歌人は別のことを言うかと思いますが、一つの意見としてお聞きいただければ幸いです。

2015-10-15 21:53:53
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy 芸術が共感性を求めることと、オリジナリティを追求することはいずれの芸術もそうです。しかし、短歌は詠む人間は読む人間、読む人間は詠む人間なのですね。要は作者と読者、両方やる人が普通です。なので、かなり変わった表現でも、「自分ならどう使う?」と考えます

2015-10-15 21:56:45
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy そういう読みをすると、かなりオリジナルな表現を使っても、かなり読めるといえると思います。実際、歌人の短歌の読み(作られたときの意図の再構成力とでもいえましょうか)は、かなり高いレベルに達しています。

2015-10-15 21:59:05
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy そういうわけで、かなり変わった、オリジナルな表現をしても理解してもらいやすいと言えます。また短歌の世界では、作者の意図をそのまま読み取る事が正解とされるわけではありません。むしろ新たな意味を見つけることを評価するほどです(評で歌が「立った」とか言います)

2015-10-15 22:00:49
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy したがって、かなりオリジナルなわけのわからない表現に、さらにわけのわからない評論をしても、成立してしまうとも言えます。もちろんこの点、短歌は初心者の入門を拒むからよくないとか、いっそ全部意味がわかるように作れとの意見も(短歌界の中でも)あります。

2015-10-15 22:03:33
篠田くらげ @samayoikurage

.@yu_riir_uy が、一応今の主流は、読者の読む力量を信頼しつつ、また製作意図と違う解釈が生まれることを期待しつつ、作者が好きなだけオリジナリティを追求する、というのが大きな流れとしてあるかな、と思っています。以上のように考える次第です。

2015-10-15 22:05:40
ユーリ(時には休息も必要です) @yu_riir_uy

@samayoikurage 最初にこのお話を聞いた歌人の方は、もしかしたら歌壇でもかなり「異色」なのかなと思っています。その方は「自分のオリジナルな経験から歌を詠むことはある。でもその経験の具体性をぼかして、誰でも自分を投影して共感できるように詠む。さながら(続きます)

2015-10-15 22:33:10
ユーリ(時には休息も必要です) @yu_riir_uy

@samayoikurage (承前)絵の輪郭だけを切り取る感じ。中の色をどう付けるかは読む人に委ねる」とおっしゃっていました。これは多分「好きなだけオリジナリティを追求する」のとはちょっと違うスタンスですよね。

2015-10-15 22:35:49
篠田くらげ @samayoikurage

@yu_riir_uy そうですね。たしかにそれは独自のスタイルかもしれません。ただそれも十分にアリだと思います。その懐の深さは短歌の魅力と言えるかもです。

2015-10-15 22:39:37