レイアウト・フレーミング・演出的に俯瞰、アオリを考察

演出的側面からのフレーミング等の考察 @toshiharumurata=村田峻治 @Hiramatz =平松禎史
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村田峻治 @toshiharumurata

うーん、今回は定説にはなっていないのだが自分が思っている自説を説こうか。

2011-01-13 22:06:05
村田峻治 @toshiharumurata

前回レイアウトについての薀蓄をたれましたが、今回はそれに関連してフレーミングについて、そしてカット割りで重要だと自分が思っている事を書いてみよう。

2011-01-13 22:07:28
村田峻治 @toshiharumurata

前回はカメラのレンズの特性からパースや圧縮といったテクニカルなものについて解説しましたが、レイアウトで一番重要なのはフレーミングなんですね。ただし、これについては100人の監督が居たら100通りの考え方が有るといっても過言ではない、一筋縄ではいかない事です。

2011-01-13 22:09:51
村田峻治 @toshiharumurata

しかし、自分で研究し理論武装というか、それなりの理屈を知っておけば演出の意図を理解するのにも役に立ち、それをふくらませる事も可能な訳です。フレーミングはそれだけ重要な要素なんですね。フレーミングで重要なのはキャラクターや物といった対象物をフレームの何処に置くのかという事ですね。

2011-01-13 22:14:20
村田峻治 @toshiharumurata

キャラクターをどう入れ込むか、どう切るのか、これは演出さん次第で変わりますので基本的にはご自分の快感原則に則っても構わないと思います。フレーミングの感覚を養うのに最も的確なのはファインダー方式のカメラを買うのが一番です。それを使い、写真等を撮っていくと自分の感覚が養われます。

2011-01-13 22:18:20
村田峻治 @toshiharumurata

フレーミングで重要なのは余白、つまりキャラクター等が描かれていない空間だったりします。描かない部分でそのカットで描かれていない、若しくはそのシーンやシークエンスで描かれていない物をお客さんに想像させる様に誘導する事もある訳です。勿論これは誰一人解らなくてもいい物も有ります。

2011-01-13 22:21:26
村田峻治 @toshiharumurata

よく言う『隠喩(メタファー)』といわれるモノや伏線に使われたりします。まあこれはディレクションの分野ですので、実際に描く場合には演出さんや監督とサジェスチョンしていくのが望ましい形です。そうやっていく事により、演出的な事を学んでいくのはアニメーターとして不可分な要素とも言えます。

2011-01-13 22:26:08
村田峻治 @toshiharumurata

簡単な所で説明してゆきましょう。北久保さんが語ったイマジナリーラインの話でも出ていましたが、キャラクターの位置をお客さんに把握させるのには色々な要素を考えねばなりません。例えば対峙している二人のカットを横位置から見せるとします。

2011-01-13 22:29:42
村田峻治 @toshiharumurata

その場合2カットで見せる場合は往々にしてキャラクターの前部分に余白を作ります。キャラクターの背中側に少し寄せてフレーミングする訳ですね。これによりそのキャラクターの前に居るもう一人の存在をお客に意識させる事になる訳です。正面のカットでも少し横にズラす事により表現する事も有ります。

2011-01-13 22:33:14
村田峻治 @toshiharumurata

この様な感覚を掴むのには写真と共に優れた実写映画を多く観るのも良い勉強方です。何故実写の方が良いかと言いますと、実写の方がデフォルメできない分、その様な理屈に則って撮られている事が多いからです。

2011-01-13 22:35:40
村田峻治 @toshiharumurata

最近は昔以上にアニメーションも映画としての映像として実写寄りの撮られ方をする場合も多いので実写映画を多く観る事の重要性は増えていると思います。

2011-01-13 22:39:02
村田峻治 @toshiharumurata

さて、ここからは自論になりますが、前回説いたホリゾンタルライン。これも実はイマジナリーラインと同様に考えた方が良いと自分は思っています。イマジナリーラインを考える時にキャラクターが全て同じ向きを向いたカットだけで撮るとお客さんが何がなんだか位置関係も解らなくますね。

2011-01-13 22:42:54
村田峻治 @toshiharumurata

この様にお客さんが混乱しない様に上手、下手の観念からイマジナリーラインが産まれた訳です。囚われすぎてもいけませんが知らないのは言語道断ですよね(笑)自分はホリゾンタルラインにも同じく理屈が有ると思っています。

2011-01-13 22:44:44
村田峻治 @toshiharumurata

ホリゾンタルラインを同じ位置にして撮り続けるとどうなるか?アオリか俯瞰のみ?若しくはいつまでたっても同じ位置に地平線が見える退屈な画面の連続になるでしょう。人間とは刺激に反応する生き物です。映画でも同様な訳です。緩急も必要な訳ですね。

2011-01-13 22:48:06
村田峻治 @toshiharumurata

それと同様に自分はなるべく俯瞰のカットの次はアオリ(逆も有り)を意識してカットを構成した方が良いと思っています。これの効用は目線より上、下を見せていく事によりお客さんがその場面の空間認知を出来ると思っています。平板なカット割りで退屈しない事も重要です。

2011-01-13 22:51:12
村田峻治 @toshiharumurata

実写映画をよく観てみると横位置からのカットやきキャラクター正面のカットでも、微妙にアオリ気味のカットと俯瞰気味のカットの連続が多いのです。勿論杓子定規にでは有りませんが、明らかに意図的に上下の変化を付けている事が多いです。

2011-01-13 22:53:38
村田峻治 @toshiharumurata

これに気がついたのは絵コンテの勉強にと年間300本程の映画を観ていた時に『ん!?』と気になったんですね。で、意識して観てみるとやはり上下の変化をカット割りで付けている事が多いのです。で、試しに『ルパン三世カリオストロの城』を観てみたのですが。

2011-01-13 22:56:47
村田峻治 @toshiharumurata

そのシーン丸々その理屈にハマる所が有り、思わず膝を打ってしまいました。ルパンが囚われのクラリスを救おうと、夜の城の屋上でロケット飛ばそうとして失敗し、俗に言うルパン飛びでそのままクラリスの居る塔まで飛んでいくシーンでは最初から最後まで見事に俯瞰とアオリの連続です。

2011-01-13 22:59:41
村田峻治 @toshiharumurata

宮崎駿さんがそれを意識してやったのかは解りませんが、超一流のレイアウトマンだった氏が快感原則としてやったにしろ、こういう事を意識してやったにしろ、自分としてはそれを一つのレイアウトや絵コンテのメソッドとして考えています。

2011-01-13 23:02:16
村田峻治 @toshiharumurata

今回は思いつきで始めてしまったせいか、乱文な感が否めませんが、こういう考え方も有るのだ程度にお考え下さい。。。誰か纏めておいてくださいまし(汗)

2011-01-13 23:03:47
平松禎史 @Hiramatz

上手下手とカメラアングルの話はおもしろいですね。ボクも村田さんのツイートを受けて演出面からちょっと書いてみます。 RT @toshiharumurata …こういう考え方も…

2011-01-13 23:06:14
村田峻治 @toshiharumurata

@Hiramatz ありがとうございます☆反響無かったらどうしようかと(笑)

2011-01-13 23:09:46
平松禎史 @Hiramatz

以前も話題になったことがあるかも知れないけど、上手下手には見え方の意味を含ませることが可能で、下手(向かって左)向きは「行く・向かう、能動性」上手(向かって右)向きは「帰る・受ける、受動性」です。同様にアオリ・フカンにも意味が生じます。

2011-01-13 23:10:03
平松禎史 @Hiramatz

人物を撮った場合、アオリは「威圧的・立場が相対的に上・強さ」など。フカンは「被抑圧的。立場が相対的に下・弱さ」などです。

2011-01-13 23:12:37
村田峻治 @toshiharumurata

@Hiramatz 自分でツイートしようとして力尽きた俯瞰とアオリの解釈を言って頂いて有難いですー。

2011-01-13 23:15:15