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樋口式小論文の問題点と小論文の書き方

樋口式と呼ばれる、「確かに~しかし~なぜなら~よって~」という形式で書いてくる生徒が結構多い。それにはまると、議論がなされなくなりがちなので推奨しない。何を書かなくちゃいけないのかも示した。
科学 小論文 樋口裕一
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Ess_Sci @Essence_sci
樋口式小論のまずさ概説:「樋口式」のパターンはこんな感じ  (1)題意を無視してでもとにかく賛否に持ち込む。 →(2)「確かに」と言って、後に何ら論証しない、とりあえず否定するためだけの意見を書き(対論は何故否定できるのか謎のまま)、(続)
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樋口式小論のまずさ概説:(続) (3)「しかし」とつないで、一番言いたいことを書いて、 直後に(4)「なぜなら」で理由を一文書いて一息。 その後、論拠も方法論も適切に論じず、 良いことを(5)「べきだ」と書いたが、原稿の半分も埋まらない。(続)
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樋口式小論のまずさ概説:(続) なので、(6)「次に」と、取り敢えず次に思いついた意見を脈絡がないけど書く。 残り数行になったので、(7)賛否をもう一度表明して終わり。…というもの。 さて、各所での問題点を以下で解説するとともに、打開案を提示する。
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樋口式小論の打開案:(1)賛否:賛否に持ち込むこと自体悪いことではないが、題意を無視して賛否にしたり、あるいは、問題文や課題文の本来の主張内容を曲解・ねつ造して賛否に持っていくのはマズイ。→題意や課題文を理解する要約などの訓練を積んで。
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樋口式小論の打開案:(2)「確かに」:普通、対論を含めた論議をするのは議論はじめではなく、議論の途中。→「確かに」の表現は議論中何度出てきても構わないが、冒頭ではないし、段落一つ使う必要もない。また、その中身が、文脈に沿ったものであること&対論の論証をしっかりすること。
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樋口式小論の打開案:(3)「しかし」:→本来、一番言いたい部分であるはず。小論文とは、それが何故そう言えるのか、徹底的に議論を深めていくもの。論じる中身のない「確かに」で字数を消耗し、論拠不明確のままで「べき」を述べ、似たような深さの議論を複数並べ立てても深まらない。
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樋口式小論の打開案:(4)「なぜなら」:→本来、自分の論点を明らかにする前後では、論点の整理や絞り込みなどを行えばいい。いきなり決めゼリフを「なぜなら」で書くと後が続かないはず。その決定打に至る、読み手が納得できる論証の流れを書くと良い。
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樋口式小論の打開案:(5)「べきだ」:→shouldを唱えるなら、why?やhow?の説明を入れる。「~べきだ」というキレイゴトはいくらでも言えるが、なぜそうすべきか、どうやって実現すべきか、そういう論証をすると良い。
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樋口式小論の打開案:(6)「次に」:→この部分は、本来すべきであった適切な議論をすれば、浅い論点をいくつも出す必要はなくなる。 (7)結論:(1)の中で書いたものと同じのを書くのではなく、本文中で論じた内容を若干追加して具体化させた文で結ぶ。
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樋口式小論の打開案★なお、肝心の「論点」は、各自が課題に取り組むときに「あれ、こうじゃないか?」と頭に閃く内容を具体化させていき、脳内でああじゃない、こうじゃないか?と一人ツッコミで議論をして深めていくものです。もちろんそのためには判断材料である「知識」は必須です。(終)
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樋口式小論の根本的問題点は樋口式で書けたらそれで満足してしまう所。論理が成り立ってるかが大事なのに、論理破綻しててもそのままにされてしまう。小論はそこが一番大事なのに。
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樋口式小論の問題点:対論をいくら「確かに」とdisっても、自論が成り立つのではない。ましてやそれが議論の真っ先に来るものではない。例えば、恋敵をdisったところで、自分の良さが相手に伝わるか?(もちろん伝わらない)まずは自分の(論点の)何が良いのかをはっきりさせること。

コメント

佐藤敏 @vinsatoo 2015年10月23日
樋口式は、そもそも書きたいことなんてない、それでも小論文の試験あるから字数を埋めないと……っていう高校生がとりあえず答案らしきものを作り上げるときに使うメソッドじゃないかと思う。「小論文だけができる(≒学科の点数だけなら不合格レベルな)受験生」は大学側から警戒されるので、最近はあまり小論文で点数の差をつけないとも聞くし。大学に入った後でロジカルライティングの基礎をつくる必修授業とかが必要だと思う。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2015年10月23日
論理展開には型があるというのは事実なので、型を提示したという点では樋口式の功績は大きいと思う。ただ日本の入試の小論文は制限時間、制限字数が短すぎるために、まともな議論を展開することが難しい。そのため、(強引でも)単一な主張を力強く行う方が評価が高くなる傾向が強い。樋口式がはびこる所以ではないか。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2015年10月23日
さきほども書いたように論理展開には型があるものなので、いくつかの穴埋め論理フレームワークを埋めることで、「型稽古」をするというトレーニングは非常に有効だと思うのだけれども、そういった本はないのだろうか。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月23日
@vinsatoo さん。コメありがとうございます。1文目は同意します。内容の論理的整合性は放置して、へのへのもへじをそれらしく見せかける技法ですから。本番1週間前にとてもできない生徒が突然来たら「樋口式でも読んで書いてみたら?」と言うかもしれない。ただし、それであっても対論disり部分は後にまわせるなら回したい。その程度の知識・論証能力だと大学でもついて行けないので、大学としては不要でしょう。「警戒される」というのはその意味でしょうか?それであれば2文目前半も賛成です。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月23日
@vinsatoo さん。(続)さて、AO入試は本来学力重視ではありませんので、その中でなら、小論文で本当に論証力が際立つ人材なら取りたいでしょうね(注:私はAO入試自体賛成ではない)。「点数の差をつけないとも聞く」がどこまで確からしい情報かはわかりませんが、みんな同じように樋口式でへのへのもへじのなかみなら点差はつかないでしょう。高大問わず、適切な論証の技能(読解・引用・(手法・結果)・考察)はどこかで身につけておくものですね。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月23日
@vinsatoo さん。(続)樋口式の弊害と言うか、本来論証力の高い人まで「樋口式の型」に縛られることで、非常に残念な論証になる実例を見ています。例えば、対論が主張していないことを主張していることにして「その政策は憲法違反だ!」と必死になって対論を打ち消そうとしている事例がありました。文章能力は高いと見たので、本人には相手の主張を適切に把握する重要性を説きました。改稿では、樋口式でない書き方でしっかりかけていました。そういう人材の芽を摘んでしまう残念な論法だと思います。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月23日
@Sukebenayarouda さん。お話をする上で、すり合わせをしていきたいのですが、「論理展開には型があるというのは事実」と言われるときの「型」とは何を指されますか?私の方は、小論文ではなく、学術論文の構成がおおよそどの学会誌でも決まっていることは認識しておりますが、そういう全体の構成スケールの意味でしょうか?
佐藤敏 @vinsatoo 2015年10月23日
例えば慶應文系(非SFC)は割と昔からAOでなくとも小論文必須でしたが、要約と意見提示問題に分かれていることもあり、「高校生には難解なレベルの人文・社会系の設問をきちんと読み解き、要約できるか」が勝負でした。意見提示問題も「ひどく飛躍しない形で意見提示できるか」程度で、読解が重要な現代文の延長という感じです。また、英語や社会の点数がイマイチな受験生を小論文で逆転させるのを嫌うようです(統計的に入学後伸びない?)。私大文系で一番難しいクラスでもこの程度でした。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月23日
@vinsatoo さん、ありがとうございます。「警戒される」とはその意味でしたか。要約能力、論理が飛ばない(飛躍しない)話ができる能力自体は論証の基礎として重要です。「小論文で逆転させるのを嫌う」点について、各教科の基礎学力が重要なのは私も同感です。既存知識の蓄積なしでは講義について行けませんし、問題整理ができない分新たな発想も出にくくなります。上で「AO入試自体賛成ではない」と書いた理由はそれです。入ってから苦労するから、生徒さんには多様な知識・技能を身に着けてほしい。入学はゴールではない。
A級3班国民 @kankichi573 2015年10月24日
そのナントカ式って要するに難癖と何が違うの?
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月24日
@Sukebenayarouda さん、ありがとうございます。「樋口式」の型と全く違うものが出てきたので、驚いています。提示していただいサイトをさっと見ましたが、学術論文だとCDの部分はイントロに来る、などの違いはあれど、学術論文で必要な要素はそろっていますね。これって、樋口式とは異なりますよね。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月24日
@Sukebenayarouda さん。(続)樋口式のように、いわば文章の流れは決まっていて、文中の空欄に穴埋め枠を作って埋めていく形式じゃなく、必要要素をボックスにして書かせてみる→そののち構成させる、というのはできるかもしれません。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月24日
@kankichi57さん。理系というか論理を意識すれば、成り立ってないものがすぐわかるレベルの文章が大量生産されるのが樋口式です。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2015年10月24日
@YamamotoScience 確かにさきほどのページのものと「樋口式」を同列に扱うのは不適切ですね。私があったらいいなというのは、さきほどのページの小論文版です。制限字数が1200字程度であるということと出題形式によっていくつかテンプレートをつくることができるように思います。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2015年10月24日
@YamamotoScience 私も小論文の授業を受けたことがありますが、課題文の要約を200字程度でまとめてそれに対して態度を表明し、その根拠を述べるといったテンプレートを提示されました。こうしてみると「樋口式」に近いですね…
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月24日
@Sukebenayarouda さま。提案されている型は少なくとも、詳細は存じ上げませんが授業での型もおそらく、接続詞の間を穴埋めにする「樋口式の型(展開)」ではないですよね。でしたら、私の考えている展開と近いかもしれません。「自説をどう補強していくか」という視点が根本ですから、適切な論旨把握、適切に相手の主張・情報を引用して述べること、自説の利点(「べき」を述べるなら理由や手法)を述べるなど、必要な「パーツ」はありますね。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月24日
@Sukebenayarouda さま。(続)そこで「樋口式」がよろしくないのは、樋口さんの模範解答がそうなのですが、無理やりあの流れにしてしまっている点です。明らかに作者の主張でないことを「作者が○○と述べている」ことにして賛否にしたり、順接で進む展開なのに無理やり「確かに」「しかし」をねじ込んで、意味が解らないものがあります。論理が成り立ってないべき論で終始するものもあります。それを見て書く生徒の答案も当然そのようになります。それがダメなんです。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2015年10月26日
@YamamotoScience 確かに接続詞以外を空欄にして、その空欄を強引に穴埋めしていくのは無茶ですね。ただ「各自が課題に取り組むときに『あれ、こうじゃないか?』と頭に閃く内容を具体化させていく」プロセスをある程度フレームワーク化ができたらいいなと思います。私が出したサイトのようなフレームワークが受験の小論文でもあるとよいのではと思います。
Ess_Sci @Essence_sci 2015年10月27日
@Sukebenayarouda さん 同感です。ただ、学術論文の全体の形式はおおよそ統一されいますが、小論って大学ごとに形式が違うんですよね。そこをどう「共通化」するかですね。ところで、穴埋めのように無理やり当てはめて「確かに、かつての地域社会はなくなっている。(略)だが、(略)個人個人が孤立した町になってしまう。」などと書いている樋口さんご自身の模範解答があります。そこどうみても「だが(=しかし)」ではなく「そして」かなにかでしょう。無理に接続詞以外の穴埋め方式にするとダメだという好例です。
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