『バビロン川のほとりで BWV653』は、実はシリアスな内容だった - 2015年10月21日
- hausenjapan
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2015年10月21日の「古楽の楽しみ」にて、「バビロン川のほとりで」BWV653が放送されましたが、タイトルである「バビロン川のほとりで」について、時代背景や聖書の該当する箇所を紹介したいと思います。 #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:52:26BWV653の参考音源はネットに多くありますし、スコアもネットで入手できます。 むしろ、よく分からないのが、タイトルの「バビロン川のほとりで」です。#古楽の楽しみ
2015-10-23 09:52:34「バビロン川のほとりで」の音楽はゆったりとした心安らぐ音楽なので、このタイトルの内容もバビロン川のほとりでゆったりつくろいでいるような雰囲気だと感じるかもしれません。しかし、実は、内容は対極とも言える内容です。#古楽の楽しみ
2015-10-23 09:52:43まず、タイトルに該当する聖書の箇所を探します。 「バビロン川のほとりで」は旧約聖書の詩編137編にあります。 詩編137編 リビングバイブル(日常語)bit.ly/1Xne3w9 #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:52:55日本聖書協会ホームページの検索ページで、詩編137編を調べる場合、 書名選択は、「詩編」、 章選択は、「137」と入力すると、聖書の内容が見られます。 bit.ly/1MHgRgh #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:53:11時代背景です。 古代イスラエル王国は、紀元前922年ごろ南ユダ王国と北イスラエル王国とに分裂しました。「バビロン川のほとりで」は、この南ユダ王国の話です。 bit.ly/1NWSQrm #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:53:23紀元前626年、新バビロニア王国が建国されました。この国が南ユダ王国を攻撃して、ユダヤ人の大量移送、いわゆる「バビロン捕囚」をしました。 bit.ly/1RrbHbP #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:53:32南ユダ王国の首都エルサレムとバビロンとどれだけ離れているかは地図を参照してください。 bit.ly/1Ks9E1Q #古楽の楽しみ
2015-10-23 09:53:43つまり、バビロン川は捕囚された先の新バビロニア王国の場所です。旧約聖書詩編137編に書いてある、「バビロン川のほとりに座って、シオン(エルサレム)をしのんで泣いた」とは、捕囚によって、強制的に移送された先の地での悲しみを表現しています。#古楽の楽しみ
2015-10-23 09:53:56そして、征服したきた新バビロニア王国の人々が「エルサレムの歌を歌ってみろ」と、からかいます。そんな状況で、とてもエルサレムの歌など歌えないという心情を詩編137編は表現しています。#古楽の楽しみ
2015-10-23 09:54:07ここまでで、お分かりになったように、「バビロン川のほとりで」の音楽はゆったりとした心安らぐ音楽なのですが、詩編137編によれば、捕囚先のバビロンで征服されたエルサレムに対して悲しみを表現しています。#古楽の楽しみ
2015-10-23 09:54:33以上ですが、バッハをはじめ、古楽のタイトルで意味不明のタイトルは、よく調べてみると、結構、深い意味がある場合があります。#古楽の楽しみ
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