10月18日　三笠の昔話

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

さて。 実は一昨日ご紹介したい記事があったのですが諸般の事情で流れてしまいましたので、今日ご紹介いたします。 一昨日・10月18日は、作家・水野廣徳さんの命日(1945)でした。 元海軍軍人で日本海海戦にも参加。ルポや戦記を著し知る人ぞ知る足跡を残しています。 #三笠の昔話

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水野さんは松山の出身。日露戦争と言えば必ず登場する秋山兄弟の親戚筋で、実際秋山家にも出入りがあり、兄弟とも親交があったと言われています。 海兵26期、同期は野村吉三郎大将、小林躋三大将。日露戦争では水雷艇長として旅順奇襲から日本海海戦までを戦いました。 #三笠の昔話

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旅順口閉塞作戦の記録を著したことで文才を認められ、戦後は軍令部戦史編纂部出仕。 その後、日露海戦のノンフィクション｢此一戦｣を著し大好評を得ました。東郷元帥直筆の題字に、加藤友三郎参謀長の序文つきという豪華版。 #三笠の昔話

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ところが、1914年に著した日米戦争予想記｢次の一戦｣が日本の敗戦で終わる内容だったことから謹慎処分に。 さらに、私費で視察した第一次世界大戦の地獄絵図を目の当たりにし、不戦・平和論者に十六点回頭。活発な文筆活動を行いますが… #三笠の昔話

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当然海軍内部での風当たりは厳しく。 加藤海相や野村大将など、水野さんの真価を知る人は水野さんを弁護しましたが、再度謹慎処分を受けた後｢これでは言いたいことが言えぬ｣と水野さんは野村大将の説得にも応じず、海軍を退役。 最終階級は大佐でした。 #三笠の昔話

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その後は自由に、そして先見の明を遺憾無く発揮しルポや予想戦記を発表。大鑑巨砲主義の没落、航空戦力の台頭、そして帝都が空襲で焼き尽くされ資源不足で国民が苦しむ未来を1930年時点ですでに予測。 その内容ゆえに、発禁・検閲の常連になってしまいました。 #三笠の昔話

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そしてその予言通り、連合艦隊は壊滅し帝都は焼野原になってしまいました。 1939年末の日記に｢反逆児の私は、100年先の未来に友を待とう(意訳)｣とあります。見えすぎる先見の明はいつの世でも不遇ですが、負けじと筆をふるった勇気は、正に明治のそれと言えるでしょう。 #三笠の昔話

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今日は観艦式でみなさんすっかり眼福のご様子ですね。ネタもぴったりのをご用意しました。 今日は、米海軍グレート・ホワイト・フリート日本寄港の日(1908)です。 米戦艦16隻を横浜港沖に迎え、三笠たちと並び停泊。その観列の威容は日本国民を熱狂させました。 #三笠の昔話

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戦艦は続くーよ、どーこまでーもー 海越え 島越え 遠くまでー upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… pic.twitter.com/Gncdnk48e8

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このグレート・ホワイト・フリートとは、国威発揚を兼ねて行われた戦艦群の世界一周航海。セオドア・ルーズベルト大統領得意の棍棒外交の一環でした。 当時太平洋は日本の一強状態であったため、艦隊出港時は｢日本を潰しに行くのか…？｣と誰もが疑心暗鬼に陥ったのですが… #三笠の昔話

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いざ着いてみると、日本は大歓迎ムード。 ペリー提督の黒船と比して｢白船｣と呼ばれた艦隊(※当時は舷側を白く塗っていたことにもよる)は三笠以下日本艦隊の接伴を受けて横浜港に停泊。 ぞろりと並んだ戦艦計22隻は、正に威風堂々。 #三笠の昔話

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日本政府・海軍は晩餐会や艦上でのパーティを連日催し、水兵さんも日帰り上陸を許され観光を楽しむなど、事前の緊張感はどこへやら。 また、この艦隊の士官には、後に太平洋戦争で日本と戦うことになるハルゼー提督、スプルーアンス提督なども居ました。 #三笠の昔話

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もちろん三笠艦上でもパーティは行われたそうで。 記念艦三笠の甲板。あの場所に107年前、日米の海軍士官たちが集って談笑しあっていたのです。いつかお互いに戦う日が来ることを心のどこかで覚悟しながら… #三笠の昔話