#空想の街・ハンツピィ宴2015【#飴渡り】

空想の街に参加してきました
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遊稀🌸 @La_trampara

忘れそう… “シン”身長150cmほどの少年。黒髪はさらっさらで、襟足のみ濃紺。瞳も濃紺で近付かないと黒に見える。単語で言葉少なめに話す。 とんぼ玉のように美しい色と模様を持つ特殊な飴を、祖父と作っている。 遠くの街から来ていて、飴を売る「飴渡り」今回は売ってるけど観光?な感じで

2015-10-24 20:57:16
遊稀🌸 @La_trampara

「あ、あめ…」少年はぽつりと呟いた。少し勢いのある音に急かされるように、近くの軒先へ逃げ込む。カフェらしいお店。いつも祖父が来ていたから、少年がこの街を訪れるは初めてだ。宿に戻る事も考えたが、初めてにわくわくしていてまだ外にいたい。そっとカフェの扉を開いた。 #空想の街 #飴渡り

2015-10-24 19:28:14
遊稀🌸 @La_trampara

セルフサービスの文字と共にある品札が目に入った。「月夜の漆黒!」幼い少年の見掛けだが、重ねた年月は比例しない。珈琲もブラックで嗜む派だ。さっそく一杯頂いて、窓際の席に落ち着いた。ひとくち含めば、月夜の名の通りあっさりした、けれど深い味が広がる。 #空想の街 #さるカフェ #飴渡り

2015-10-24 19:30:30
遊稀🌸 @La_trampara

「美味しい」そっと寄り添う気配に、丁寧に淹れられていると分かる。 きっと放っておけない人だろうな、とその人を想像して微笑んだ。のんびりと堪能させてもらったお礼に飴玉をひとつ添えた。とんぼ玉のように美しい色と模様を持つ。「ありがとう、また来ます」 #空想の街 #さるカフェ #飴渡り

2015-10-24 19:33:36
さることながら@さるカフェ @sarukotonagara

お客様のいない店内にざっとほうきをかけ、カウンターとテーブルの上を拭いて、洗い物を片付け、コルク箱を覗く。うん、ぼちぼちかな…ん?何かお金以外のものが…うわぁ、綺麗!飴だわ。いやーん、食べるの勿体無いくらい綺麗!#さるカフェ #空想の街 #飴渡り

2015-10-24 23:20:56
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 初めての街に浮き立った心も落ち着いて、そろそろ宿へと中央区を横切ろうとした時、人混みの中でなにかが気になって足を止めた。「お兄さん、それなぁに?」シンとは頭ひとつ分高い彼を見上げる。手に持つそれは雨夜に紛れてよく見えなかった。 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 21:26:11
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara 行きかうだけだと思っていた流れがひとつとまり、黒い影がこちらに呼びかけてきた。一文字は、視線を少年とおぼしき黒髪の相手に合わせ、弁慶に突き刺さった風車をよく見せる。 「俺の作った風車だ。こうして吹いても鳴るぞ、ご入用か?」 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 21:30:11
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 「すごい!」吹いても鳴る風車なんて珍しい。シンは彼の手に釘付けになった。自分の方へ差し出してくれたおかげでよく見えるようになった風車は、シンプルながら雨に負けておらず、その作りの良さを物語っていた。「どんな色がありますか?」 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 21:37:21
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara 「特に細工はしていないのだがね――、俺には珊瑚の音に聞こえる。他の者には雀の声だとも言われたな。お主にはどう聞こえるか分からぬが――色ならば何でもあるぞ、望むものを言ってくれ」一番小さいものが3クルーク、次が5クルークだ。 #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 21:40:15
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 珊瑚の音、想像が付かない。今度の街は海辺なので、連れて聴いてみようと笑んだ。持ち歩くには小さい方がいい。「じゃあ、小さい方で。薄氷みたいな青の色、ある?」なんでも、の言葉に甘えて、不思議な色の例えをしてしまった。大丈夫だろうか #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 21:53:19
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara 「うすらい色ね。お主の想像にあうか分からぬが、これでよいか」一番小さい中で、和紙ではなく別の素材を使った透き通る青のものを引き抜き手渡した。「お気に召すといいのだが。――それにしてもお主、旅の者か。もしや商売人か?」 #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 21:58:01
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 まさに想像通りの青を手渡され、目を輝かせた。「これ!これがいい」和紙に似た、でも違う素材の風車は不思議な手触りで手に馴染む。「もしや商売人か?」と聞かれて彼を見上げた。背の高い彼だが、屈んでくれている。「どうして商売人って?」 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 22:10:26
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara 「外れていたら俺の戯言だと流してくれて構わぬのだが、どうも甘い香りがしてね。何か菓子屋の売り子でもしているのかと思ったのだよ」一文字は相手の邪気のない瞳を見下ろしそう伝えた。 黒い瞳…、色々思い出しかけるが、今は仕事中だ。 #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 22:14:37
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 「お兄さん、すごいね!」お代を渡した後、シンは鞄から木箱を取り出して見せた。「僕はシン、飴渡りをしてるの」中にはとんぼ玉のように美しい色合いの飴が並べられている。模様は花のものや蔦のものなど様々。「お兄さんにひとつ贈るよ」 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 22:21:44
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara どうやら当たったようだ。常ならば客人の事情には深く入れこまないが、甘味となると一文字には別の話である。見せられた飴をみて、己の髪の組紐にある蜻蛉玉を思い出し、同時に #飴売 の青年も思い出した。「見事だな。宝玉のようだ」→ #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 22:24:04
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara あの青年には会っていないが、もしかすればこの少年と思しき客人と仲良くなれるかもしれない。「有難くひとつ頂こう。実はだな、この街には緑の作務衣を着た飴売りのものがいるのだよ。今夜はいないようだが…お主と気が合うやも知れぬな」 #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 22:26:09
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 嬉しい情報を得た。彼が言うには、自分と同じように飴を売る者がいるらしい。「今度、会いに行ってみるね!」見上げた口に飴が消えていくのを見届けて木箱をしまった。気に入って貰える事を願いながら。「僕こそ。風車、ありがとう」 #赤風車 #空想の街 #飴渡り

2015-10-24 22:34:08
不可村天晴/ネプリ配信中 @nowhere_7

@La_trampara 「こちらこそ礼を言おう、商品は求めるものに買われていくのが一番だからな。俺は一文字という。何かあればいつでも言ってくれ」美味いな、と言い、飴を舌で遊ぶ。 シンと名乗った彼に別れの手を振ると、相手は律儀に振り返してくれた。 #飴渡り #赤風車 #空想の街

2015-10-24 22:39:37
遊稀🌸 @La_trampara

@nowhere_7 一文字という名らしい彼が「美味いな」と呟くのが聞こえて嬉しかった。それと、名乗ってくれた事も。「じゃあね、一文字お兄さん」別れの手を振る一文字に、笑顔全開で手を振り返した。風車を一文字さんって呼ぼうかと考えたのは彼には内緒。 #空想の街 #赤風車 #飴渡り

2015-10-24 22:50:33
遊稀🌸 @La_trampara

小さな風車に息を吹きかけ宿への道を歩く。鳴らしてみたいが、人の多さに諦めた。珊瑚の音がするなら、静かなところで聴きたい。あの人が言うのだからきっと素敵な音だ。「かっこよかった」男らしい話し方。さり気ない優しさ。憧れに火照った頬に、夜風が涼しくて心地良かった。 #空想の街 #飴渡り

2015-10-24 23:10:50
遊稀🌸 @La_trampara

寝起きの体を連れて、朝の散歩へ。とうに街は起きて活気に溢れている。雑貨屋、カフェ、時計塔…慣れない街の趣が楽しい。シンが住むのは食堂と田んぼ、それと大きな神社がある田舎の町だ。「お祖母ちゃんにお土産」探すのも良いかもしれない。シンはふたつステップを踏んだ。 #空想の街 #飴渡り

2015-10-25 09:34:48
遊稀🌸 @La_trampara

夜になれば街はまた姿を変える。昼に見た蝶の淡く白い光は、幻想的で非現実的で。陽に照らされた街もまた、その光に溶け込みそうにはかない気がした。そこここに灯りのついた今を歩けば、むしろ夜の方がしっかりと街の輪郭を感じる。シンは目的もなく夜へとその身を差し出した。 #空想の街 #飴渡り

2015-10-26 22:15:20
遊稀🌸 @La_trampara

どこかにお邪魔しようか、考えながら当て所なく歩く。例え迷っても時計塔が中央にいる。それに、誰に聞いても快く教えてくれると確信を持てるほど、この街を信頼しているのもあった。「やっぱり #飴売 さん、いない」シンは飴渡りだから、この街とはしばらくお別れになる。 #空想の街 #飴渡り

2015-10-26 22:28:28
遊稀🌸 @La_trampara

@hmoegi ふと身近な香りを感じて足を止めた。とろりと甘い…「飴?」今もシンのショルダーバッグの中にあるもの。そうだ。お使いがひとつあったのを忘れていた。少し遠くに見える姿は、お祖父ちゃんに聞いたのと同じ。シンは慌てて駆け寄った。「あの!」 #空想の街 #飴渡り #色売り

2015-10-26 22:47:54
萌葱[moegi] @hmoegi

少年の声で顔を上げた。振り返ると、少年が息急き切って駆けてくる。夜に溶けてしまいそうな漆黒の髪だった。大事そうに抱えたショルダーバッグが、それでもたまらず跳ねている。@La_trampara 「私、ですか?」#空想の街 #飴渡り #色売り

2015-10-26 22:52:04