
[子供とボードゲームを遊ぶコツ]0~6歳までの子供たちと楽しく遊ぶためのポイント7か条
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guchi_fukui
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児童発達支援通所事業所で発達障害の子供たちとボードゲームを遊ぶ事業をされている「たっちー」様に、その豊富な経験の中から「6歳までの子供たちと遊ぶ時のポイント7か条」を教えていただきました。
はじめに
保育士を目指す学科の学生さんとお聞きしていますので、お仕事で関わる子どもたちは、0~6歳、その中でゲームができるのは2歳以上ですよね。(3歳は何とかゲームらしき遊びが出来始める頃ですが、2歳でもその子の性格やシチュエーションによっては、参加できることもあります。)
そのような幼くてまだゲームに慣れていない子どもたちとゲームで遊ぶときに気をつけていることは、いろいろあります。
■1 プレイ人数は「年齢人数」まで。
まず第一にプレイ人数を多くしないということがあります。
適正は「年齢人数」だという話もあり、2歳なら2人3歳で3人・・・というのが基本です。
そのくらいでないと手番が待てません。興味も続かず離席してしまいます。
■2 大人もゲームに参加すること。
そしてその中の人数バランスは、子どもと大人が半々くらいが理想です。
子どもたちだけで遊ばせて大人はインスト(説明役)だけというシチュエーションは避けたほうがいいです。
慣れていないなら尚更です。
インストラクターもプレイヤーとして参加するメリットはたくさんあって、手番行動を見せることができることも大きいです。
■3 ゲームの説明はできるだけ短く
あとは、事前の言葉での説明は、できるだけ短くすることです。
言葉だけの説明が明確に理解できる発達段階にない子どもたちですから、初めてのゲームのルールを詳しく説明する意味はほとんどありません。
むしろ失敗の原因になることが多いと思います。
そのためにも自分が入っていて「まず私がやるから見ててねー」と言って始めてしまうくらいでいいです。
あとの細かいことは、そのことが起きたときに少しずつ言い足していったりは、よくします。
それから同じことでも、わかってないなら何度でも繰り返し伝えます。
決して「言ったはずだよね」などとは言わないほうがいいです。そんな段階の子どもたちですから。
私は小さい子のインストに入ると異様にのどが渇きますw
それだけしゃべり続けているということですw
■4 テンポを保った進行が重要
それから、ゲーム進行のテンポと流れを作ることも重要なポイントだと考えています。
よく見かける子どもへのインストで、プレイ中なのにひとりひとりの話を聞き過ぎたり、手番行動をするのを待ち過ぎたりして、その子はいいですが、他の子たちの集中と興味を逸らせてしまっているケースがあります。
一度興味を失った子どもを、そのゲームに引き戻すことは至難の業です。
そうならないように、常に全員の様子をよく把握しておくことも重要です。
テンポよく流れを作るためにも「はい、つぎは〇〇ちゃんの番ね。サイコロ振ってね」などとしゃべり続けていると思います。
■5 ゲームは少しやさしめの物を
出すゲームは、決して無理をさせないことです。
プレーヤー全員が無理なく理解できる範囲のものを出します。遊びですから!
特に慣れていない子どもたちには、少し幼な過ぎるかもと思われるくらいで、多分ちょうどいいです。
少しでも理解できない部分を含むものに無理に参加させると、下手すればしばらくゲームに寄り付かないほどのゲーム嫌いへの決定打になりかねません・・・
これ楽しいねーと思って、皆で笑える時間になって欲しいですものね。
■6 ゲームの組み合わせはバリエーションを考えて
それから子どももできるゲームは、プレイ時間がとても短いので、私はいくつかのゲームを続けて遊んで、その全部を「ゲームの時間」と考えています。
その組み合わせにも工夫をしています。
なるべく違うタイプのゲームを組み合わせて出します。
そのコーディネイトもインストラクターの重要なお仕事だと思っています。
子どもゲームはシンプルなだけに似た要素を含むものがたくさんあります。
例えば「色サイコロ」などです。
「果樹園ゲーム」「うさぎのニーノ」「テンポかたつむり」と遊ぶと、おなじような色サイコロが続いてしまいます。
どれもとてもいいゲームですが、続けて出すのは、できれば避けたいです。
遊ぶ子どもたちに「ゲームといえば、色サイコロを振るんでしょ」などと変な固定概念を植えつけることになりかねません。
私はドイツゲームのいいところのひとつに種類が無数にあって、固定概念を崩してくれるところだと思っているので、子どもたちにも、そう感じてもらえるように続けて遊ぶゲームの組み合わせには注意を払っています。
例えば、「にじいろのへび」「果樹園ゲーム」「テディメモリー」「スティッキー」・・・などと出していけば、前述の組み合わせより、うんとゲームの種類のバリエーションが広がって、勝敗に関係する要素も様々になっていい感じだと思います。
いろいろなことがあるので、そうとばかりはいかないこともありますが、そのことを意識できているのとできていないのとでは、明らかな差がでてくると思います。
■7 サイコロトレーは必須
あとは、小道具ですね。
例えば「サイコロトレー」は必須です。
幼い子どもたちは「サイコロを振る」ということですら、経験不足です。ましてや初めての子がいると、大人の想像を超えることをしてくれますw
思いっきり遠くに投げつけたり・・・
わざと反抗してる訳では決してありません。
「投げて」と言われたので『投げた』だけなのですw
こんなのにいちいち対応しなきゃいけないようでは、ゲームの進行が難しくなってしまいます。
なのでお互いの余計な労力を軽減し、ゲームに集中できるために役立つものは、積極的に使ったほうがいいです。
「サイコロトレー」は、何でもいいので100均ででも適当な容器を買ってきて、「ここに入れてね」とサイコロを振る「的」にしてあげます。
跳ねて出てしまったなら「この中に入るように振ってね」と、力加減を伝えて、やり直させます(最初の2~3回なら)。
それでも難しい子がいるなら、うまくできるようになるまで待ちます。
■かたろーぐを幼児と楽しく遊ぶための特別ルール
幼児クラスが女の子2人だけ(同じ幼稚園の仲良しさん)なので、「かたろーぐ」出してみました。
お母さんもいらっしゃる「親子クラス」なので、まずはお母さんたちに好きなものを決めて1~3までの順位をつけてもらいました。(7個ではなく3個でやってみました)真ん中の公開はなしで、1位と2位を当てることにしてみました。
■まずは大人が出題者1人目のお母さんのときに、どんなゲームか分かった様子で、2人ともとても嬉しそうな表情でした。
「指を一本出してー いくよー かたろーぐ!」と言いながら指差しましたが、みんな一緒に揃えて同じところを指差していました。
うまく当たって、とても満足そうでした。
次に子どもたちにも出題者になってもらいました。
カードを裏向きに並べることは、傍について丁寧にサポートしましたが、初めてだけど充分理解はできていたようです。
”すきなものは、どれかなぁ~?当てっこ遊び” を、女の子たちは気に入ったようでした。
■予想以上のウケ私の予想以上に、内容もよく理解できて、とても楽しめていたようでした。
ハートのごほうびも、やはり不可欠の小道具ですね! 女の子にはウケがいいです。
幼児なら3個くらいでも、ちょうどいい感じでした。(定型発達の子どもたちよりも少し幼いので)5個くらいでもいいのかもしれませんが・・・
子どもたちって、大人のように「はずれたけど面白い!」という感情は、まだ持ってない子が多いと思うので、よく当たるくらいで楽しめると思います。
かたろーぐとは
当てっこボードゲームです。