オルガ・イツカのヤバさをインクエッジさんが斬る

インクエッジ @02Curry

かねてからのオルガ・三日月・クーデリアの疑似親子観をそのまま敵方に拡張しただけ。そだ、オーリスはクランクの「元教え子」だったんだわ。オルガとクランク、それぞれの二児にたいする「父親の教育」はそっくり一対だった。 pic.twitter.com/deVeZ7we8v

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オーリスはよほど父の教育が苛烈で堪えたのか「家督」を譲られると反動にまみれああまでになる。クランクはその反省もあり末子アインには厳しくも「優しく」育てていたんだと想像する。オルガの「教育方針」の使い分けはすこぶるうまくいっていて、悲劇が続くクランク家とそこでも対称を成す。

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おそらく、おそらくアインもオーリスとは別のかたちで「親の心子知らず」を演じてくんじゃないかと思う。ここはクランクを軸にした三日月との対置で、外形的にこそクランクと断絶しつつ内心に「伝わった」ミカと真逆に、アインは亡きクランクを慕うあまりにその志の反対を行ってしまうんじゃないかと。

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クランク二尉はただ景気づけにコケにして殺っちまうマト、ただ愚かな大人の役じゃあない。オレがずっとずっと言ってるのは、拙く去った彼の「誠意」というものはハタ目には無表情の三日月にちゃんと届いただろうってこと。それはこの反復でもみえる。 pic.twitter.com/5Cs3wwH49d

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インクエッジ @02Curry

ミカが助け、それに対し「ありがとう」と言いかけ騒音に遮られる。印象的な芝居、３話での三日月対クランクと４話の三日月対クーデリアで「同じことを繰り返させてるな」というのは認識できると思うんだ。「だから」その先の画面に映さないシーンでも「同じことを繰り返したんだな」という読みかたよ。

インクエッジ @02Curry

クーデリアに告げたのとそっくり同じように、きっとあのときクランクに対してもミカは「ありがとう」と言ったんだと。アンタは俺達のことを知らなかった、俺達がなぜこうしてるのかを知らなかった。でも「アンタのおかげで、ほんの少しだけ俺達は救われたんだ」と感謝してるんだと。きっと、きっとだ。

インクエッジ @02Curry

「アンタのおかげで俺達は首の皮一枚繋がったんだ」 「ほんとうにありがとう」 そういう読みかたをするとき、こういう言い回しはほんとうに繊細に感じるんだ。

インクエッジ @02Curry

そういう尖り切った深夜帯の映像作品群とこの鉄血のオルフェンズはやや趣が異なり、さすが夕方の番組らしく込み入った表現を無視して「ふつう」に汲み取ってもじゅうぶんストーリーが成立するよう手配されている。それでもし「足りない」というんなら「もひとつ込み入った部分」を読めばいいだけだ。

インクエッジ @02Curry

反復と相互参照。クライマックスにてクランクとの断絶にみえる融和が描かれた３話では、同時に前半で「いかにも反復の仕込みにしそう」なやりとりを置いて(オレを)震えあがらせる。一軍リーダーの処刑シーン、これはとてもとっっってもヤバい。 pic.twitter.com/eggdY4uAHy

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インクエッジ @02Curry

「これはミカにしかできない仕事」ああまったくそのとおりだわ。オルガの目算だとそりゃミカにしか務まらない。いずれそのときが来るかもしれない「仕事」も込みで、オルガは三日月そのひとを見込んで依頼している。 pic.twitter.com/4BocB8pSHg

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インクエッジ @02Curry

「いいや違うな」 「それじゃあスジが通らねぇ」 これが端的にオルガの為人をあらわしてんだけど、かれはああみえて相当な理想家で、自らの想う「スジ」を確固たるものとしていて常にそれに徹するのだけど、そのスジがあまりに融通効かなすぎる。 pic.twitter.com/on9GxIux5V

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インクエッジ @02Curry

「仕事には正当な報酬が必要」「リーダーに逆らう奴は決して許さない」…「子供はそれだけの理由で虐げられるべきでない」とかな。理想があまりにも高く、それを絶対遵守しようとし、そのため自分にも他人にも厳しい。トドを抱えるのだってクーデリアを売らないのだってガチムチ達を解放したのだって…

インクエッジ @02Curry

いまのかれをみていると、なんというか結婚しただの子供が生まれただの新居を手に入れただの部長になっただの、ヨッシャこれからはしゃんと俺が志高く引っ張ってやるぜ！みたいな「浮かれ気分」がそこに感じられる。…ああこの「父親」気分に共感してしまう。

インクエッジ @02Curry

かれが打ち立てかれが守る「スジ」ってのはまぁ所詮「かれのルール」に過ぎないもので、どれだけ「リーダーの指示に逆らうな」がもっともであっても、じゃあ違反した者は死罪な？守れよ？てのはどうやっても「オレルール」の域を出ない。 pic.twitter.com/HZnA2vDsTi

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インクエッジ @02Curry

「オルガルール」てのはかれ独自のものであり、その全容も詳細もまだまだわからないんだけど、少なくとも「かれが口にし実際にやってみせたこと」はかれのスジ、それが「かれ自身が」「絶対に」守るべきルールだというコトだけは間違いない。ソコがヤバい。自らの言霊によって自らが危うくなる。

インクエッジ @02Curry

「貴様ら、いったい誰を相手にしてると…」 「”ろくな指揮もせず、これだけの被害を出した無能を”　ですよ」 「無能な指揮のせいで死ななくてもいいはずの仲間が死んだ」 「その落とし前はきっちりつけてもらう」 pic.twitter.com/c9RAoeJvY6

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インクエッジ @02Curry

一軍を罠に嵌め殺害した場面、しかし生殺与奪を握って圧倒的優位に立ってもオルガは「これまでよくも理不尽に虐待してくれたな！」というようなことは一切申し立ててない。あくまで大将ひとりに向かって「リーダーたるべき者の責任をとれ」とだけ迫り、スジに従って「処刑」してるんだ。

インクエッジ @02Curry

「これからCGSは俺達のものだ。さあ選べ」 殺害したふたりめ、出っ歯のササイはこの宣言の直後に飛び出し射殺されている。オルガは宣言と同時に「リーダー」となった、それからの指示に逆らった者はリーダーがその権限において処罰できると。 pic.twitter.com/kFJprQa9wb

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インクエッジ @02Curry

もうだいたいおわかりかと思いますが、オルガがここで一軍リーダー相手にはっきり提示した「ルール」には、とうのオルガ自身も絶対に従わないといけないワケなんですわ。ここで一軍リーダーに宣告した罪状はいかにももっともらしいが、そのなかで「いっさい害意を問うてない」のが激烈にヤバいんです。

インクエッジ @02Curry

「指揮がうまく執れず余計な落命者を大量に出した」これだけが死刑の罪状。もしも新リーダー・オルガがいつかどこかの局面でそういう失敗をしでかしたときは、オルガは自らの「スジ」に従って自らに死刑を課さねばならんのだよ。…そして「死刑執行人は三日月」なんだ。「ミカにしかできない仕事」だ。

インクエッジ @02Curry

「俺達ゃこれから一軍の大将を殺る。この不始末の落とし前をつけさせるんだ」 「そして俺がここの新しいリーダーになる」 「これからは、お前が”リーダーに落とし前をつける”役目をするんだ」 「”わかる”な？」 「…うん」 こんなカンジ pic.twitter.com/zg8DdAguGI

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インクエッジ @02Curry

３話クランクの決闘の申し込みを聴いての三日月のこの顔。そりゃあね、同話でオルガによる一方的に「みえる」リーダー処刑を経てのこの一方的な宣告だから「カチン」とくる。 pic.twitter.com/nB1rWTwVHV

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インクエッジ @02Curry

オルガはあのとき一軍リーダーにたいし「敵にビビッて逃げ出した」とか、もっともな罪状をいくらでも述べられたのにしなかった。だってそんな「罪」では今後自分にかえってくるコトぁないからな。何の戒めにもならない。「撃っていいのは撃たれる覚悟があるヤツだけだ」を生真面目にやってるからだ。

インクエッジ @02Curry

いまこのとき一方的に一軍リーダーのてめぇを殺すのは、それと「同じ条件」になったとき自分も殺される覚悟を決めてるからだと。そのためには「こんご自分が陥る可能性のある罪状」だけを宣告しなきゃあなんねえんだわ。なので卑怯だとか臆したとかはいくら言いたくても絶対に言わない。

インクエッジ @02Curry

一方的に撃ち殺すからこそ同じように撃たれる覚悟を積極的に決めてみせる、なのでこの時点であらかじめ三日月にたいし「リーダー処刑人」を任命する。オレがいつかこうなっても同じように「殺せ」。そういう経験を経た直後のクランクの言、「自分が負けることを想定していない」申し込みには腹が立つ。