総力ガイド! これからの経済学 マルクス、ピケティ、その先へ (経済セミナー増刊) 経済セミナー編集部 amazon.co.jp/dp/B0147C9RW8/…

面白そうなところだけ拾い抜き。岩井克人だけは『パンダの親指と経済人類学』での批判に対する栗本慎一郎の回答を抜き書き。
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たく @polanyaan

"労働価値論が貨幣を交換の媒介とする資本主義においても交換価値という形で貫徹することを示そうとしたのが、マルクスの価値形態論です。"岩井克人

2015-10-26 21:19:33
たく @polanyaan

"価値形態論でのマルクスの論理を一歩進めると、「貨幣が貨幣であるのは、それが貨幣として使われるからだ」という貨幣の自己循環論法に到達してしまう。貨幣の価値が労働価値には絶対に還元できないことが示されてしまうのです。" 岩井克人

2015-10-26 21:21:22
たく @polanyaan

"私は、マルクス主義はイデオロギーとしても理論としても有効性を失ったと考えています。学者を始めてから、この結論に至るまでに何十年もかかりましたが。" 岩井克人

2015-10-26 21:22:56
たく @polanyaan

"伝統的な経済学の貨幣の起源に関する説明に対していわゆる〈経済人類学〉の立場からなされている批判は、まさに発生の論理の立場からの機能の論理の批判として理解することができよう。" 岩井克人

2015-10-26 21:27:34
たく @polanyaan

"実際、貨幣の起源にかんする最近の考古学的あるいは古銭学的研究は、ほぼ全面的にポランニーの主張を裏書しているようである。" 岩井克人

2015-10-26 21:28:06
たく @polanyaan

"だが、話はここで終わらない。経済人類学の到達点は同時にその限界点でもある。" 岩井克人

2015-10-26 21:28:56
たく @polanyaan

"「どのような社会であろうとも、その人間的自然的な実体……がこの悪魔的なひき臼による荒廃から護られなければ、一時たりともこのような粗暴な虚構の体系の影響に耐えることはできないであろう」" カール・ポランニー

2015-10-26 21:30:12
たく @polanyaan

"ここにあるのは、人間の疎外にたいする青年ヘーグル派的な怒りであり、自然の破壊にたいするエコロジスト的な嘆きである。このようなあまりにも陳腐でナイーヴな怒りや嘆 き" 岩井克人

2015-10-26 21:30:58
たく @polanyaan

"市場経済は、それが人間の経済の実体であり普遍である「社会に埋めこまれた」形態から完全に遊離してしまった非人間的な不自然な形態であることゆえに非難されるのである。" 岩井克人

2015-10-26 21:31:59
たく @polanyaan

"だが、言うまでもないことだが、バンダのかつての手首を未発達の親指と見なすべきではないように、バンダの現在の親指をできそこないの手首と見なすべきでもない。" 岩井克人

2015-10-26 21:32:36
たく @polanyaan

"皮肉なことに、経済人類学のこの逆帝国主義を支えているのは、市場経済の「自己調整機能」にたいする伝統的経済学と同様の「信奉」なのである。" 岩井克人

2015-10-26 21:33:49
たく @polanyaan

"そして、さらにその背後には、市場でもちいられている現代の貨幣は、交換手段、価値尺度、価値貯蔵手段等々の機能をすべて果たすいわゆる「全目的」貨幣として、人間の目的合理的な経済活動の完全なる媒介手段となっているという、これまた伝統的経済学と同様の「信奉」があるのである。" 岩井克人

2015-10-26 21:34:09
たく @polanyaan

"彼等は、いちいち財の非市場社会における物在的過去を詮索することは意味が無いと反論するだろうが、貨幣とは、なぜ付いているのかよくわからないパンダの親指とは違う、経済の不可欠の中心の不可解物なのだ。" 栗本慎一郎

2015-10-26 21:38:01
たく @polanyaan

"彼は貨幣が如何なる呪術的起源を持つと我が経済人類学が主張しようとも、そのことは現代経済の動きに関係がないと言おうとした。" 栗本慎一郎

2015-10-26 21:43:06
たく @polanyaan

"大衆の心に大きな不安が存在しているとき、経済は物的パラメタだけで理解できる動きにはとどまらない。不均衡動学の経済学は、価格が文化の認知体系によってもっとも大きく決定づけられるという事実を見ようとしないだろう。" 栗本慎一郎

2015-10-26 21:46:04
たく @polanyaan

"日本の「失われた20年」は、マクロ政策の一連の失敗の歴史だった。そう考えるのが一番しっくりくると思ってます。" 若田部昌澄

2015-10-27 22:57:07
たく @polanyaan

"社会学、政治学、経済学、いろいろな研究者に聞いたときに、自分の学問領域に対するプライドが一番高いのは経済学者です。" 若田部昌澄

2015-10-29 22:17:14
たく @polanyaan

"例えば、マクロ経済学で最も基本的な概念は何だろうか。貨幣量、金利、為替レート、国際収支、財政収支など、いくつか重要な概念をすぐに思いつく。ただ、最も基本的なものはGDP(国内総生産)であると言ってよいだろう。" 伊藤元重

2015-11-01 16:29:40
たく @polanyaan

"同じGDPという概念を、生産・分配(所得)・支出という異なった面から見ることができることで、マクロ経済の視野が広がる。" 伊藤元重

2015-11-01 16:36:10
たく @polanyaan

"GDPという概念がマクロ経済学の全体像を理解する上でいかに重要なもであるかわかったと思う。ただ、誤解がないようにしたいが、これは、GDPという指標が非常に質の高い指標であるということではない。" 伊藤元重

2015-11-01 16:38:47
たく @polanyaan

"ピケティは、資本主義の過去200年の統計的データ、とりわけ所得格差のデータを提供する。所得の中でとりわけ資本収入の部分すなわち利潤と、労働による報酬を統計的に明確に算出し、その割合が200年の中でかなり長期の波動で変化することを指摘する。" 的場明弘

2015-11-03 09:42:02
たく @polanyaan

"しかし、ピケティの議論で欠けているところは、なぜこうした変動が起こるのかという問題を理論的に詰めていないところである。この統計をもっと微妙な変動を含めてみると、100年周期、200年周期の中で50年くらいの変動があることに気づく。" 的場明弘

2015-11-03 09:44:01
たく @polanyaan

"この変動こそ、ニコライ・コンドラチェフをはじめとする旧ソ連の学者たちが問題にした、資本主義の長期変動の問題であることである。" 的場明弘

2015-11-03 09:45:08
たく @polanyaan

翻訳:飯田裕康, 的場 昭弘 後期資本主義〈第1分冊〉 (1980年) エルネスト・マンデル amazon.co.jp/dp/B000J86156/…

2015-11-03 09:47:18
たく @polanyaan

ほー、長期波動と関連づけて考えてみる、と。

2015-11-03 09:47:45