北神弓子ちゃん小話集

小束弓月/凡々堂 @bonbondo_kobe

第一話 北神トンネル 弓子「三宮までお買い物に行ってくる」 ノリノリス「また山を越えて行くんスか？」 弓「いいえ、便利なものが見つかったの」 ノ「って、いつもの栗の杖じゃないスか？」 弓「これをこう構えて、と」 弓子は杖を山に向けると、念を込めた。すると杖から雷光がほとばしった。

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@bonbondo_kobe その雷光は山の中腹に命中し、瞬く間に穴を開けた。 ノ「何してんスかー！！∑(ﾟДﾟ；)」 弓「これで三宮まで10分よ♥️」 弓子はカバンを持ってさっそうと穴に入っていった。ノリノリスも渋々付き添った。 そう、こうして北神トンネルは誕生したのであった。

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第2話 雨 三宮から帰ってくると村人達に囲まれた。 村「雨が降らなくて、今年は凶作かも…」 弓「そんな事ならお安いご用よ！」 弓子は今度は栗の杖を天に向け念を込めた。 するとみるみるうちに雨雲が立ちこめ、勢いよく雨が降り出した。 村「ありがとうございます！」 弓「あれ、あれれ？」

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@bonbondo_kobe 弓「雨が止まらな～い(T_T)」 村・ノ「そ、そんな～！」 そこに遠くから紅葉をまとった美しい女性が現れた。 彼女が喝！と叫ぶと雨は止んだ。 弓「姉さん…ありがとう。」 鬼「あなたは相変わらず力の制御が下手ね」 彼女は弓子の姉、日本鬼子であった。

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第三話 末妹 鬼子が弓子にさんざん説教しているところ、天空に少女がふわふわと舞っていた。 み「弓子姉ちゃんったら、また怒られてる～」 鬼・弓「みぽん、今までどこ行ってたの！」 彼女は三女、清水みぽんであった。 み「だって～あたし三保の天女だし～富士山で踊って遊んでた～」

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@bonbondo_kobe 鬼「ま、いいわ。こうして三姉妹集まるのも久しぶりね…山に穴空いてるけど」 弓「あはは…」 み「そんな事より踊ろうよ～お姉ちゃん達～」 弓「あんたはいつまでたっても子供ね」 鬼「仕方ないわね、1回だけよ」 後に三姉妹が踊った地は「谷上」と名付けられた。

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第四話　ほくしんトン 鬼子とみぽんは踊り終わると、どこへとなく帰って行った。 ノ「で、ぶち抜いたトンネルどうするんスか？」 弓「う～ん、開けといたままでいいんじゃない？」 その時緑色の肌に、腹にトンネルを模した恰幅の良い男がトンネルから出て来た。 弓・ノ「だ、誰～Σ(゜Д゜)」

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@bonbondo_kobe ほ「私の名はほくしんトン、トンネルの妖精。以後よろしく」 ノ「妖精というかおっさんというか…」 ほ「失礼な！私はトンネルを守る妖精なのだ！」 弓「まあ本人がそういうのならそうでしょ。後は任したわよ～(^o^)」 ノ「晩ご飯ッス！」 ほ「…（切ない）」

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第五話 北神急行 （数日後）弓「何やってるの？」 ほ「鉄の長い箱を作っている。村人が乗れる大きさだ」 ノ「この鉄の長い棒は何スか？」 ほ「箱がこの上を走る。そこで巫女さんに頼みがある」 弓「何かしら？」 ほ「この銅のひもに雷の力を宿してほしい」 弓「そんなの簡単よ～えーい！」

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@bonbondo_kobe （また数日後） ほ「出来たぞ」 弓・ノ「こ、これは…！」 ほ「トンネルの中をこの鉄の箱が走る。巫女の力の無い村人でも三宮まで10分だ」 村「すごい！」 ほ「ただし金がかかった。この賽銭箱に通行料を入れてくれ。帰る時もだ」 これが後の北神急行である。

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第六話 ノリ食って… ノ「るんるん～♪」 弓「おかえり～ノリノリス、どこ行ってたの？」 ノ「三宮っス」 弓「また海苔いっぱい買ってきて～しかも味付け海苔。あんた『ご○んですよ』が好きじゃなかった？」 ノ「両方いけるっス」 弓「まったく…今日は忙しかったから海苔弁当よ。いいわね」

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@bonbondo_kobe ノ「海苔づくしで最高っス！」 弓「明日はトンネル見学行くからおむすびよ。その海苔ちょうど良かったわ」 ノ「いえーい！ノリ食ってノリノリス⁽(ી⁽⁽(ી( ˆεˆ )ʃ)₎ʃ)」 弓「変な踊り踊るんじゃないわよ」 （注：弓子さんはお料理上手です）

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第七話 遅延 ノ「お散歩楽しいっスね」 弓「何言ってんの、巫女としての巡回よ」 その先のトンネル入口でほくしんトンと村人が揉めていた。 弓「何があったの？」 ほ「電車が故障して動かないので困っている。さっきまで問題無かったが」 ノ「それは大変っスね」 弓「なら私の出番ね！」

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@bonbondo_kobe 弓子はおもむろに右手の人差し指を電車に向けた。すると指先から清冽な青い光がほとばしり、電車を包んだ。光が消えると、電車の駆動音が鳴り響いた。 ほ「すごいじゃないか！感謝だ」 弓「いえいえ、どういたしまして」 村人「仕事に遅れたから遅延証明書下さいな」

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第八話 干物妹 弓子とノリノリスがお茶していた時、天井から物音が。 ノ「何っスかね？」 すると天井の板が外れ、そこから天女が現れた。 弓「みぽん！」 み「へへ～お姉ちゃん久しぶり～」 弓「ちゃんと玄関から入りなさい！」 み「そんな事よりポテチとコーラある～」 弓「あんたってば…」

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@bonbondo_kobe みぽんは携帯ゲーム機を取り出した。 み「あ！充電切れてる～」 弓「乾電池あるわよ」 み「違う～USBは？」 弓「ゆーえすびーって？」 み「も～アナログ！～お姉ちゃん充電して！」 弓子はゲーム機を持ち軽く念じた。すると煙が。 み「お゛姉ち゛ゃん～(泣」

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第九話 デレ姉 弓子とみぽんが騒いでいると玄関を叩く音が。 ノ「今度は誰っスかね？」 鬼「鬼子です。久しぶりね」 弓「久しぶり～姉さんどうしたの？」 鬼「い、いえ！ひ、久しぶりにあなた達の顔が、み、見たく…」 鬼子はなぜか赤面していた。 鬼「そんな訳…あなた達を指導しに来たのよ」

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@bonbondo_kobe み「買い物袋持ってるね」 鬼「こ、これは、そ、そうよ栄養！特訓の後の食事よ！」 弓「食事の支度してくれるの？助かるわ」 鬼「あ、あなたがどうしてもそう言うならしてあげないこともないわ！」 鬼子は赤面したまま台所へ走って行った。 み「よくわかんない」

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第十話 西と東 とんとんとん… み「ごはんまだー」 弓「もうちょっとよ」 鬼「私だって…少し頑張れば…」 鬼子は実は料理下手で、ばつの悪そうな顔をしていた。 結局三人は弓子の家に居候する事に。 弓「は～い、出来たわよ」 み「って、味薄っ！」 弓「関西の味付けは関東より薄いのよ」

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@bonbondo_kobe み「こんなのより『さわやか』がいい～」 弓「？」 み「げんこつハンバーグ～」 弓「ちゃんとお野菜も食べないと育たないわよ」 み「どこ見て言ってるの！お姉ちゃん！」 二人がきゃーきゃー言う間、鬼子は 鬼「私だって…やれば…」 ※さあ『さわやか』で検索！

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第十一話　天女 「ごちそうさまでした」 三姉妹は昼食を終えるとそれぞれの行動を始める 鬼子は薙刀を振り稽古、弓子は片付けを終え庭の掃除を始めた。みぽんは… み「しゅい～ん！」 鬼・弓「何！その板！飛んでるの！」 み「今流行のホバーボードだよ～！」 鬼「スケボーなら知ってるけど…」

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@bonbondo_kobe み「お姉ちゃん古い～今は空を飛ぶんだよ！」 弓「羽衣は？」 み「ゆっくりしか飛べなくてつまんない～」 弓「あ、みぽん…」 どーん！みぽんは木にぶつかった。羽衣のおかげで怪我はなかったが… 鬼「ハイテクも善し悪しね、ぷぷっ…」 ※ネタbyぽてろんぐ様

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第十二話　弓 ノ「そういえばッス、弓子さん」 弓「何かしら」 ノ「その杖で何が出来るんッスか？前は山に穴開けたッスけど」 弓「この杖は宮司様から授けてもらった杖、色々な力があるわ」 ノ「例えば？」 弓「えい！」 弓子が念じると、杖は弓と矢に変わった。 ノ「弓子さんの名前の通り！」

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@bonbondo_kobe 弓「腕もダテじゃないわよ～」 弓子は的を庭に準備し、矢をつがえ弓を引いた。 弓「やっ！」 矢が放たれ的の中央に命中した。 ノ「ぱちぱち」 そこにみぽんがやって来て、 み「お姉ちゃん正規空母？矢は飛行機に変わらないの？」 弓「あなたはゲームのし過ぎよ」