10周年のSPコンテンツ!

フードファディズムに警鐘を鳴らす【チーズの依存性を例に】

10月24日付けのニュースで『チーズには麻薬と同じ常習性があると判明:米大学調査』という記事が掲載されました。 その記事のソースを調査したところ、余りにも酷い曲解がなされていたので、新薬たんなりの訂正と解説を加えることにしました。
医療 健康 馬鹿発見機 最後まで読め
162
新薬たん @ShinHiroi
【フードファディズムに警鐘を鳴らす】 10月24日付けのニュースで『チーズに麻薬と同じ常習性があると判明:米大学調査』という記事が載ったわ irorio.jp/sophokles/2015…
新薬たん @ShinHiroi
記事全文を紹介すると、 ①米国ミシガン大学の研究者グループが、チーズに麻薬と同じ常習性があることを発見した。 つまり、チーズをあまり食べ過ぎていると、チーズ中毒になる可能性があるということだ。
新薬たん @ShinHiroi
②化学物質カゼインが中毒のもと ミシガン大学の研究者たちは最初に、いわゆる「病みつき」になりやすい、習慣性になりやすい食べ物は何かを調査した。そして出来上がったリストの第1位はチーズ(特にピザの)だった。
新薬たん @ShinHiroi
③では、なぜそんなにチーズは癖になるのか? 研究者たちはそれを解明し、カゼインという化学物質に行き着いたという。
新薬たん @ShinHiroi
④体内で麻薬成分に変化 カゼインは代表的なリン酸化タンパク質で、牛乳やチーズに多く含まれる。このカゼインが体内で消化・分解されると、様々な種類のカソモルフィンという物質に変わる。
新薬たん @ShinHiroi
⑤カソモルフィンには麻薬成分と同じ効果(オピオイド効果)があり、脳に幸福感や高揚感をもたらし、人を中毒にさせてしまうのだ。 科学的に言うと、カソモルフィンが脳中枢のドーパミン受容体の機能を狂わせて、中毒を誘発するということになるらしい。
新薬たん @ShinHiroi
⑥加工乳製品がそうなりやすい 麻薬成分の元ともいえるカゼインは牛乳にも多く含まれている。だが、牛乳中毒になることはまずない、と研究者は言う。多く含まれているといっても、チーズに含まれる多さとは比較にならないからだ。100gのチーズは約1リットルの牛乳が濃縮されて出来ている。
新薬たん @ShinHiroi
⑦チーズのような加工乳製品にはカゼインが濃縮されており、それだけ常習性がつきやすいとのこと。 (以上)
新薬たん @ShinHiroi
この記事には引用元の論文が載っていた。Which foods may be addictive? The roles of processing, fat content, and glycemic load.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25692302
新薬たん @ShinHiroi
幸いフルテキストがpubmedに掲載されていたわ (元文献)ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…  これを読んで、私は「あれ、英語力が無くなったのかな?」と錯覚するくらいの衝撃を受けた
新薬たん @ShinHiroi
この論文に『カゼイン』、『カゾモルフィン』という単語は一言も記載されていません
新薬たん @ShinHiroi
確かに論文のTable3にはピザが1位にランクインしていたが、この研究は、『精製された(processed)』かそうでないもの、どちらが嗜好性が高いかを示したものです
新薬たん @ShinHiroi
論文にはニュース記事の③~⑦までの記述が一切記載されていません。 これを発表した研究者は記者を殴ってもいいと思う(私ならそうする)
新薬たん @ShinHiroi
それでも、『カゾモルフィン』には依存性があるのか不明であったため、私独自に文献を漁ったわ。 『casomorphin dopamine』の単語検索で結果0件。 『casomorphin addiction 』の単語検索でようやく1件論文が見つかったわ。
新薬たん @ShinHiroi
見つけた論文:An assessment of the addiction potential of the opioid associated with milk.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8169274…
新薬たん @ShinHiroi
この論文をかいつまんで説明すると、ラットにプラセボ、βーカゾモルフィン、モルヒネ、を投与し、それぞれ依存性があるのか調べたというものよ。 結果は依存性無し。
新薬たん @ShinHiroi
Ingestion of milk products containing beta-casomorphin is not likely to become the focus of an addiction.と結論に明記されていたわ。
新薬たん @ShinHiroi
私の調べた範囲では、『チーズが麻薬(モルヒネ)様の作用を持ち、依存を形成する』→だからチーズには依存性がある。 ということを論じた文献は無かったわ。
新薬たん @ShinHiroi
確からしいことは、『精製された脂肪、並びに砂糖を使用した食品は、生の食品よりも嗜好性が強い』ということだけよ。 もちろんチーズのような食品は高カロリーだから、摂りすぎには注意が必要よ。だけど、麻薬と同じ薬理作用を示す、という根拠はどこにもないわ。
nao @CharotanNao
豆乳王子、暑い中お疲れでした! RT “@ukitasinsuke: 牛乳にさよならデモ参加してきました!!周りの人の反応が明らかにいつもと違うのを感じました!いかに牛乳が健康にいいかと洗脳されてきた証ですね。 pic.twitter.com/O30cKVS648
拡大
新薬たん @ShinHiroi
敢えて個人を晒し上げるつもりはありませんので、1件しかRTしませんでした。ただ、ツイッターの検索画面で『チーズ 依存性』などと入力すると、最初にお話したニュースの影響からか、かなりの件数がヒットしたわ。
新薬たん @ShinHiroi
研究者の研究成果がメディアに曲解され、一般の方の生活様式や思想までをも変えてしまうことをとても悲しく思います。
新薬たん @ShinHiroi
最後に、日本に『フードファディズム』という概念を持ち込んだ高橋久仁子先生の著書を紹介して、終わりとさせて頂きます。「食べもの神話」の落とし穴―巷にはびこるフードファディズム (ブルーバックス)
新薬たん @ShinHiroi
一般向けに書かれた本なので、ぜひ一度手に取って頂ければと思います。amazon.co.jp/%E3%80%8C%E9%A… pic.twitter.com/s4GELBLiTo
拡大
新薬たん @ShinHiroi
@ShinHiroi 続編です「【なぜチーズにはドラッグと同じ依存性があると報道されるに至ったか?】」 togetter.com/li/895748

コメント

新薬たん @ShinHiroi 2015年11月3日
まとめを更新しました。
モミルン @oppai_momirun 2015年11月3日
おっぱいの中毒性について研究してる怪しい学者さんが居るのなら、 喜んで実験に協力するのに。 #ごめんなさい
ゆゆ @yuyu_news 2015年11月3日
ところでチーズ依存症になったら何か問題あるの?
マク(*´﹃`*)゙ヌス @oa26dl1NAcptdAF 2015年11月3日
“依存”という言葉を使って如何に害悪なのかを強調して心象付けたいだけで「チーズ依存症」なるものは存在しないし、もし万が一“チーズ依存症”が存在してもチーズを欲する体になるだけでなんの問題も無い。
アルビレオ@炙りカルビ @albireo_B 2015年11月3日
依存性の強さならDHMOの方が上だよな
酷道内調隊@入院中 @tocch 2015年11月3日
グルタミン酸ナトリウムの話もそうだけど、量の概念がめちゃくちゃだよねこの手の話。
ぼんじゅ〜る・Fカップ @France_syoin 2015年11月3日
フードファディズムって説明が要らないほど一般的な言葉かね?俺は知らんかったわw
新薬たん @ShinHiroi 2015年11月3日
France_syoin コメントありがとうございます。科学者に限らず、専門家はテクニカルターム(専門用語)を、『みんなが知っているもの』と考えがちになります。そして普通の会話に使用する。 知らない単語がポンポン出てくれば、その分野への関心が薄れたり、逆に騙されたりすることが増えると思います。説明不足を自覚させて頂き、感謝しています。
name @unagi_anago 2015年11月3日
心理的依存なら、それこそ、何でもなるわけで
野良馬 @nobody_oyaji 2015年11月3日
むしろ依存症になる位毎日チーズ腹一杯食べてみたいと思うのは俺だけだろうか。結構お値段張るのよね。
neologcutter @neologcuter 2015年11月3日
チーズ中毒?自分みたいなカフェイン中毒よりはマシじゃないの?胃を荒らすし。
コケムシ @kokokokokemushi 2015年11月3日
馬鹿による馬鹿の再生産
温泉ぽてと@疲労困憊 @onsen_potato 2015年11月4日
旨味成分タップリな食品の嗜好性そのものは、脳内麻薬の呼び水になりそうな想像くらいはするけど、チーズの成分が麻薬に変質する訳が無い…それこそチーズ食文化の地域で『チーズを使わない料理』や、チーズ料理が並ばない食卓が存在する事から、依存性の効能を否定できるだろうに。 本気で依存性あるならチーズを必ずどこかで摂取しなきゃ、禁断症状とか出るわw
はるを待ちかねた人でなし @hallow_haruwo 2015年11月4日
シェオゴラスじゃ!シェオゴラスの仕業じゃ!(Skyrimというゲームのネタです)
マク(*´﹃`*)゙ヌス @oa26dl1NAcptdAF 2015年11月4日
今夏は、麦茶、そうめん、冷房、メントールシャンプー依存症でした。今冬は、ホットココア、湯たんぽ、ヒートテック、ねこ依存症になると思います(報告
うそこばん @usokoban 2015年11月4日
albireo_B いえ、Table 3(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4334652/table/pone.0117959.t003/)を見るとDHMOは24位なので、そこまでではないですね(マジ)
うそこばん @usokoban 2015年11月4日
ギガジンhttp://gigazine.net/news/20151029-cheese-addictive-drug/がhttp://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/11949643/Cheese-is-addictive-as-drugs-study-finds.htmlにリンクしていたのでテレグラフが出典かと思いきやそうでもない様子。
うそこばん @usokoban 2015年11月4日
カゼイン チーズ モルヒネ、でググった結果、http://www.danmahony.com/bigfood2.htm経由でhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BD%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3に英語版ウィキペディアから削除された情報が生き残ってるのを発見しました。相当に根強いカゼインフリー派と呼ぶべき人たちがいるようです。
BIRD @BIRD_448 2015年11月4日
次はカレーライスかジョギングあたりかな?(困惑
ナベーお @aro30nabeo 2015年11月4日
ハッピーターンの粉の中毒性はどうなん?
16TONS@最近ゲームやってねえ @moonintears16t 2015年11月4日
特定の食品を排撃したり優越性を標榜したりするのを、フードファディズムならぬフードファシズムとでも呼ぼうか。
fooo @foooooky 2015年11月4日
バイラルメディアやライターさんの知識がないとこうなりますよね。各個人でこのサイトは冗談半分で読もうってなればいいですが、読者の受け取り方が一致しているのは虚構新聞しかないかもしれません。
fooo @foooooky 2015年11月4日
ライターさんが自信無かったら記事の見出し末尾に「!?」つけるルール作ってほしい。IROIROみたいなお洒落なデザインのページにバカ真面目な見出しだったら信じちゃう人多いです。
やらかど@やらか堂 @yarakado 2015年11月4日
いつも思うんだが「フードファディズム」ってもっと平易な言葉にならんもんかね。
ジムメカ @JimMech 2015年11月4日
フードファディズムというかニュースファディズムというか、……と判明:米大学調査ファディズムというか。
深井龍一郎 @rfukai 2015年11月4日
効能をもてはやす方も過剰に害を怖がる方もどちらも含まれてるから、まことに訳しにくい言葉なのだよね。<フードファディズム
トレ(仮営業中) @tolerance_18 2015年11月4日
こういう捏造ニュースは「【悲報】ワイ将、チーズ食べ過ぎた結果wwww」みたいなタイトルにしてくれるとああ読まなくていい糞記事かと一目でわかるので、irorioさんにおかれましては是非ご検討いただきたい次第です
熾(旧アカウント) @methylenedioxy2 2015年11月4日
なるほど。ちなみにチーズにはチラミンという物質も含まれており(熟成の進んだナチュラルチーズには多く、プロセスチーズには少ない)、この物質はドーパミンや、覚醒剤のアンフェタミンと構造が似ているため、微妙に覚醒剤と類似した作用がある可能性もあります。ただし、アンフェタミンとは異なりモノアミン酸化酵素で分解されやすく、また血液脳関門を通りにくいため、あまり強い薬効はありません。この物質は、ココアやチョコレートに含まれるフェネチルアミンと構造が類似しており、(続きます)
Y Tambe @y_tambe 2015年11月4日
ああ、これは"exorphin"からの歴史を知らんと、話がつながらん。
熾(旧アカウント) @methylenedioxy2 2015年11月4日
フェネチルアミンもモノアミン酸化酵素で分解されやすいですが、こちらは多少の精神作用があるとされます。あと、まとめの「ラットにプラセボ、βーカゾモルフィン、モルヒネ、を投与し、それぞれ依存性があるのか調べたというものよ。 結果は依存性無し」という書き方だと、依存性なしなのがカゾモルフィンのみを指してるのか、モルヒネも含めているのかが分かりにくいです。
新薬たん @ShinHiroi 2015年11月4日
methylenedioxy2 コメントありがとうございます。誤解を招く書き方をしてしまいました。『βーカソモルフィン→依存性無し』、「モルヒネ→依存性あり」という実験結果でした。(URL)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=casomorphin%E3%80%80addiction
新薬たん @ShinHiroi 2015年11月4日
まとめを更新しました。
こーりょー @nen_neko 2015年11月4日
チーズに中毒性があるのは認めるわ1度に一箱とかたべちゃうわƪ(・◞౪◟・)ʃ塩分過多の方が心配だわ
熾(旧アカウント) @methylenedioxy2 2015年11月4日
ShinHiroi なるほど。ただ、その論文(直前の英語の「milk.」とつながってリンクされていますが、この部分を削ると見られます)の概要を見ると、どういう投与方法なのかはわかりませんが、注射や喫煙で依存性がある薬物でも、内服の場合は依存性が低いという結果になる場合がありますし、「モルヒネよりは依存性は低い」という事は判断できるものの、依存性が完全にゼロであるかどうかは不明です。(続きます)
熾(旧アカウント) @methylenedioxy2 2015年11月4日
まあ、モルヒネなんかよりも、同じ飲食物由来であるカフェインあたりとの比較の方が、判断材料としては分かりやすいと思いますが……
新薬たん @ShinHiroi 2015年11月4日
methylenedioxy2 コメントありがとうございます。リンクの件は大変失礼いたしました。論文には『injections』と記載されていましたので、(どういう経路かは分かりませんが)、注射によって投与したのだと思います。経口投与では無く、注射によって投与しても殆ど依存性を示さなかったことから、通常摂取する量のチーズでは依存症を引き起こす可能性は無いと考えます
和田名久司 @sysasico1 2015年11月4日
醤油を呑んで走り回ることで徴兵試験を不合格にって、都市伝説という話しもね聞くし、それで死んだとも聞いたことがある。でも醤油を禁止しろなんて聞いたはないな。依存性が強いのはアルコールだが、殆どの人は適量ならいいと思ってるだろ
うそこばん @usokoban 2015年11月4日
翻訳元記事、おそらくこれですね。他にない「100gのチーズは約1リットルの牛乳が濃縮」に相当する部分もある。またデイリーメールか… http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3285478/Cheese-really-like-crack-Study-reveals-food-triggers-brain-drugs.html
亜山 雪 @ayamasets 2015年11月18日
たとえ依存症があったとしても、食べ過ぎで肥満になる以外に特に問題はなかろ。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする