投票機能を使った小説まとめ
- cross_naoki
- 3227
- 6
- 6
- 2
塔の整備をサボっていた私は、怠け癖によって人類最後の生き残りとなった。都市機能は全て塔に集約され、全ての土地が自然に帰した23世紀。開戦放送が流れるや否や、眼前の塔は跡形もなく崩れさった。この調子だと、他国の塔も同様だろう。私は―
2015-10-30 23:12:461.塔のあった場所へ向かう。(72%)
2.自然の奥に逃げ込む。(28%)
39票
走る私の視界を埋めるのは、轟々とそびえ立つ砂埃だった。13階に及ぶ人類の叡知は、爆破解体の要領であっさりと消え去った。柱や壁が残っている様子はまるでなく、そこに住まう幾多の人々がどうなったのか、想像するまでもないし、したくもない。
2015-10-31 23:15:451.生き残りを探す。(31%)
2.使える物を漁る。(69%)
16票
どうせ生き残りなどいやしない。他人に掛けてやれるほど、心配の余分は残っていなかった。タンクトップにショートパンツの軽装は、この状況の中であまりにも無防備だ。土埃に耐えながら跡地を探っていると、硝子の破片を見つけた。ないよりはマシか。
2015-11-01 23:14:191.海辺へと向かう。(41%)
2.森の奥に進む。(59%)
29票
止む気配のない土埃に、身体が限界を訴えた。咳き込みながら森への道を進んでいく。流れる涙は、断じて恐怖や絶望からくるものではない。そんな感情を抱ける程、思考は回っていなかった。考えるだけ無駄だ。生き残ること。それだけを考えよう。
2015-11-02 23:22:321.ほどよいシェルターを作る。(25%)
2.水辺を探しに進んでいく。(75%)
16票
私はあくまで塔の整備員であって、地図屋ではない。塔の外のことは、サボりの場所しか把握していなかった。川や湖の存在など、憶えている筈がないのだ。数時間の徒労に座り込むと、草を掻き分ける音が耳に届いた。動物か、或いは人か。
2015-11-03 21:54:421.声を殺し、やり過ごす。(67%)
2.先手必勝。硝子片を構える。(33%)
9票
音が過ぎ去ってから身を出せば、なんということはない、残っていたのは小動物の足跡だった。見れば複数の跡がどこかへ向かっている。辿っていけば、まさしくそこには清流があった。汗と砂埃に汚れた私が取るべき行動は、衣服を脱ぎ捨てる他にない。
2015-11-04 21:55:281.ふと、妙な視線を感じる。(44%)
2.魚がめっちゃ跳ねている。(56%)
25票
生で食べたら危ないのではないか。その疑念に辿り着いたのは、食料になる筈の魚に弄ばれ続け、全身がぬるぬるとし始めた頃だった。水を確保した以上、優先すべきは火。しかし、気付くのが遅すぎた。冷えた身体で見上げれば、陽は今にも沈みそうだ。
2015-11-05 21:55:321.体力温存。この場に留まる。(60%)
2.夜を明かせる場所を探す。(40%)
20票
薄紫の広がりに釣られるように、肌寒さと硝子片を握る力が大きくなる。葉音にすら過敏になり始めた頃、自然界には有り得ない始まりの電子音が響いた。唐突に動き出した多脚機械は人程の大きさもある百足のようで、仕込まれた刃を唸らせていた。
2015-11-06 21:56:111.二足歩行の機敏さで以て逃げる。(23%)
2.ロボット三原則を信じる。(77%)
13票
意を決して近付くと、こちらを認識したのか刃の音が止まった。機体から飛び出た鋏やチェーンソーが仕舞われていく。どうやら農林業機械だったらしい。よてよて寄ってきたと思えば、頭の節を傾けてこちらを窺っている。心配してくれているのだろうか。
2015-11-07 21:58:071.食べ物を調達して貰う。(45%)
2.どこかと通信を試みる。(55%)
20票
国内の塔であれば通信はできるのだが、結局繋がらなかった。崩壊の事実を改めて認識していると、百足の触角が点滅した。雑音しか聞こえないが、近くに発信源があるらしい。陽は完全に暮れたし、行動は明日だ。座り込むと、意識はすぐ闇の中に消えた。
2015-11-08 22:01:401.誰か生き残りに会えるだろうか。(86%)
2.最後の生き残りとして精一杯生きよう。(14%)
14票
物音に目を覚ますと、林檎が積まれていた。ありがたく頂きながら百足の頭を撫でると、触角をぱたぱたとさせた。発信源には人か機械かはいるだろう。この百足のように友好的かはわからない。硝子片では心許ないし、なにかしら武器は調達すべきか。
2015-11-09 22:05:251.殴ったり切ったりできるものがいい。(32%)
2.遠くから攻撃できる武器なら安心だ。(68%)
19票
百足に頼むと、高枝切り鋏を渡された。そりゃ確かに遠くから攻撃と言ったが、いくらなんでもこれはあんまりじゃないだろうか。他をせがむも出てくるのは園芸用品だけで、諦めて目的地に向けて歩き出す。と、何を思ったか百足も私の後を着いてきた。
2015-11-10 21:58:021.こいつに乗って行けば楽チンだ。(82%)
2.別行動で食料を集めて貰おう。(18%)
11票
崖道やらで歩くには苦労する場所だったが、多脚の安定性は伊達ではなかった。すんなりと発信源まで辿り着き、荒廃した小屋を見つけた。開けるまでもなく崩れたドアから中を覗けば、そこには棺が。刻まれた「ドッキリ大成功」の文字が掠れている。
2015-11-11 22:00:44