ゆうちょ銀行のシステム統合はみずほ銀行の次期システムどころじゃない史上空前の大プロジェクトになりそう。

17歳スレンダー黒髪美少女JK(自称) @tsuchie88 が解説するゆうちょ銀行のシステムの歴史。
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(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

まぁ何とか上場した郵政三社なんだけど、構造的に郵便事業の赤字を金融二社の儲けで埋めるって言う状態には変わりないわけで、ある意味で持ち株会社の日本郵政も、金融二社の存在がないと結構実態はどうなのか、と思ったりするのだが

2015-11-08 12:09:31
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

上場によって、形式に日本郵便の金融二社への持ち株比率は下がって、今後POの実施で資本的な関係は薄れていくと思うけど、収益力が今後どれだけ向上できるのかは不安視されてるが、わしが割と心配なのはガバナンスとITシステムどうするんだろうというところが結構気になってる

2015-11-08 12:12:07
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

特に、ゆうちょ銀行の情報システムはかなり問題が多く、IT関連の費用が毎年1000億円台後半くらいはかかってる。公社時代に、ITシステムの合理化がかなり進められて、経費率は下がってるんだけど、民営化と上場でまたシステムが複雑になってしまった。主だった基幹系だけで三つある

2015-11-08 12:13:51
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

もともと、都銀では60年代には最初のオンラインシステムが構築され、70年代の第二次オンライン時代にはほぼオンライン化が終了しているのだが、郵貯の基幹系システムは78年に稼動した第一次郵便貯金システムが最初で、県単位だと84年に稼動した第二次システムで全国展開が終了した。

2015-11-08 12:22:23
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

システムに接続されていない郵便局(オフライン局)自体は00年代初頭まで残ったのだけど、急速にシステム化をされたと言う点と、口座数1億口座という超巨大システム(MTUのシステムの倍近い)であるという点ではかなり驚異的なシステムでもある

2015-11-08 12:24:24
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

システム構築は、当時の電電公社データ通信本部が担当し、中核となる勘定系システムはハードウェアが富士通製の超大型メインフレームを使用し、他のシステムにもIBM、日立、NECといった大手ベンダーが参加している。データ通信本部は、後に民営化され現在のNTTデータになっている。

2015-11-08 12:28:44
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

当時、電気通信事業は電電公社の独占事業で、システムのアウトソーシングそのものができなかった(だから企業は自前でシステムを維持して公社の回線を使う方式を多く取った)。別の方法が、データ通信本部が提供するサービス契約を使うという方式で、データ通信サービス、通称デ通サと呼ばれる

2015-11-08 12:30:47
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

デ通サは、今でも国や自治体の機関のシステム構築で幅広く行われているが、行政機関などから見ると非常に使いやすい契約形態である。システム構築費用は公社側が負担して、複数年にわたって回線+ハード・ソフト+運用経費をサービス料として支払う。当然、ソフトに対する著作権は公社が保有する

2015-11-08 12:33:18
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

構築時に多額の費用が必要なく、分割で払うことになるので予算計画がたてやすい。反面、中途解約ができない(解約するとそれまでかかった費用をまとめて請求される上に、ソフト・ハードの所有権はない)ので、どうしてもシステムの合理化が進まず、過剰なスペックになってしまう

2015-11-08 12:35:12
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

たとえば、野村證券がオンラインシステムを構築した当初、基幹系システムのバックアップ用のシステムというのは遊んでいる状態なので、これを他の企業の給与計算だとか、事務処理なんかに貸し出し始めた、と言うのがNRIの情報システム事業の始まりだったりする。他の銀行なんかもそうだけど

2015-11-08 12:37:01
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ところが、デ通サだとサービスを利用する形になるんで、システムの利用率を上げてもあげなくても払う金額は一緒(厳密に言えばメインフレームは時間課金なので利用率が上がればそれだけメーカーに払う金は発生するが)だから、切り売りしたり効率的なシステムを作る動機にならない

2015-11-08 12:39:17
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

しかも、公社はまだしも実際にシステム構築を行うベンダーは、請負でシステムを構築するよりも、ハードを売った方が儲かるので、実際に効率の悪いシステムが結構現れた。

2015-11-08 12:41:04
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

00年代半ばに、郵政公社や社会保険庁のシステム分析を外部のITコンサルが分析したところ、CPU使用率が低いシステムがゴロゴロしてることがわかり、大問題になった。

2015-11-08 12:41:10
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

それから、もうひとつ問題なのは郵政のシステムと言うのは、一般の銀行と比べて独自の部分がとても多いという点。システム構築が比較的後だったということもあり、たとえば口座番号の表現なんかだと、全銀は金融機関コード+支店番号+口座種別+口座番号と言う形になる。あんましよくない表現方法だが

2015-11-08 12:46:26
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

これが、郵貯の場合には支店という概念がない。昔は、都道府県ごとに郵便貯金事務センターというバックオフィスがあって(今は地域ごとに統合されている)、貯金原簿やシステムもこのセンターごとに分散されていたのだが、これも銀行でいう支店の概念とは異なる

2015-11-08 12:48:03
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

なので、郵便貯金の口座番号というのは、口座種別と管轄する郵便貯金事務センターのコードによって構成される「記号」と、入ったり入らなかったりするが、再発行番号、それから口座番号に相当する番号によって構成され、桁数も全銀の15桁に対し、郵貯は13桁と互換性がまったくない

2015-11-08 12:51:57
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

どちらかというと、全銀の表現方法の方が世界的に見ると特殊な形態で、支店の概念がない郵貯の方が合理的なのだが。支店単位で口座番号を採番すると、7桁しかないので口座番号が足りなり、利用効率が非常に悪い。ネット銀行なんかだと、本店だけでは足りなくなる現象が起きたりするのはそれ

2015-11-08 12:54:05
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

なので、郵貯オンラインは全銀ネットとは切り離されたシステムで、後の時代になって郵貯口座からの銀行振り込みなんてのもできるようになったけど、全銀に加盟していないので個別の銀行と契約する必要があり、すべての金融機関が送金対象にはならなかった

2015-11-08 12:56:45
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

もうひとつが、ATMや通帳の仕様の違い。昔の郵貯の通帳というと、縦型通帳と言われる銀行の通帳よりも小さなやつでたて開きで横に印字する方式で、オフラインも加味してはんこも押せるようになるとかレイアウトがぜんぜん違っていた。

2015-11-08 12:57:59
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

銀行も、通帳のサイズは同じでも磁気ストラップの位置や大きさ、フォーマットが違っていることが多いが、コレ実はフォーマットは数種類しかないので、装置メーカはちょっと仕様を変えるだけで全部の銀行に対応できた。しかし、郵貯の場合は特殊なフォーマットだったので専用装置が必要になる

2015-11-08 12:59:28
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

ATM自体も特殊で、郵便局の場合はAPM(Automated Payment Machine)と称している。キャッシュカードや通帳による現金の入出金、通帳の取り扱いの他に、払い込み用紙をOCRスキャンして、データイメージを払い込み先に電信送信する機能である。一種のFAX付きATM

2015-11-08 13:01:56
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

郵便局は、貯金だけでなく為替の取り扱いも大きな業務なので、それを省力化するためにこういう機能がついているのだけど、そのためにATMは専用品になってしまい、結果的に高コストになっている。最近は銀行も取り入れつつあるが、タッチパネルの他にキーボードをつけないといけないなど要求も違う

2015-11-08 13:03:41
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

まぁキーボードがついてるが故に、郵貯のATMは海外発行のクレジットカード利用が早くからできていたし、結果的に今それがない多くの銀行がオリンピックや訪日観光客対応であわててつけはじめてるので、先見の明があったといえばそうなんだけど(元は高齢者・障害者対策)

2015-11-08 13:06:05
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

また、システム自体も複雑な割には機能がない。郵便貯金は、いわゆる貯蓄銀行(預金を公債で運用する金融機関)なので、融資機能は必要ないし、顧客に対するマーケティングもそれほど重要じゃないから、情報系システムの整備が非常に遅れている。

2015-11-08 13:08:42
(๑╹◡╹๑) @tsuchie88

また、郵便・簡保・貯金の三つの事業をやっているので、システムもそれぞれ個別に作られたものを、郵便局では全部やっているので、電算センターと郵便局をつなぐネットワークは非常に規模が大きく、データ種別の大変多い。このため、かつては郵便局ごとにオフコンが置かれていた

2015-11-08 13:11:38