東方における月と「穢れ」とあと蓬莱の薬について

月人や月の都を考えるときにいまいちよくわからない「穢れ」について書き散らかしましたまとめ。 11/12 蓬莱の薬について追記。
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銅折葉 @domioriha

月の民が嫌う「穢れ」とは、他者によって伝承で語り継がれること(それによる内容の変化や歪曲)であり、それを嫌って観測者による神話伝承に記述される前に地上を去ったのではないかという仮説を思いついたが今ここに記すにはあまりにスペースが足りない。

2015-11-09 08:40:39
銅折葉 @domioriha

@domioriha 朝思いついたこれの件について少し。

2015-11-09 21:50:28
銅折葉 @domioriha

・純狐の能力は神の力であり、神を生む力であるという。 ・ここで神とはモノに宿る本質であり、名付けられる前の全ての自然や道具が持つ純粋な力である ・この力は名付けられることで通常失われてしまう という部分からも、月人たちは神の本質が失われるのを嫌って月に移り住んだのではないか?

2015-11-09 21:54:45
ホプレス @hopelessmask

@domioriha それだと語られなくなることで穢れがなくなるってことですかね?儚月抄でわざわざ水島浦嶋子を以って月の威光を伝える道具にしたり、輝夜姫を以ってより劇的なプロパガンダを試みた理由が、と思ったけど確かにそれは月の都という概念の話で月の民個々人には関係ないんですなあ。

2015-11-09 21:57:20
銅折葉 @domioriha

穢れというのは、モノに対して「名付け」が行われ、それによって伝承や神話として記録され、伝播していくうちにその本質が失われていくことを指しているのではないか。すごく乱暴に言えば、他人による「あいつは○○なやつなんだよ」という評価のこと。

2015-11-09 21:57:29
銅折葉 @domioriha

この「あいつは○○なやつ」評価というのは、基本的には正しい。しかしどんな時でも必ずしも「○○なやつ」ではないかもしれない。 さらに「○○なやつだから××も好き(一般的には正しいので多くの場合当てはまるが、例外もある)」と、話が伝播していくうちにその内容が加わった歪んだりする。

2015-11-09 21:59:57
銅折葉 @domioriha

妖怪や神様において、鵺に雷獣の要素が付加されたり、神様に新しいご利益が増えたり、本来縁切りの神様が「悪い縁を斬る」→「次なる良縁を授けてくれる」と、「最初の設定」に徐々に他の要素が加わったりする部分があり、これを使って新しく力を蓄えるようなことを、幻想郷では行う妖怪や神様もいる。

2015-11-09 22:02:42
銅折葉 @domioriha

ぬえは登場時の正体不明の能力から、ダブルスポイラーや神霊廟にかけて、正体不明繋がりで都市伝説を自分のスペルに取り込んだりした。これは自分の強化であると同時に、新しい側面を抱え込むことでもある。不用意に行うと、「ぬえは都市伝説の妖怪である」と認識されかねない諸刃の剣たりうる。

2015-11-09 22:05:23
銅折葉 @domioriha

月人はこれを「穢れ」、本質を失うことと嫌ったのではないか。これは、過去の地上に人間よりもはるかに高度で巨大な権能をもつ何かが、過去から存在していたという仮定による。彼らは自分たちが増え始めた人間の作りだした『神話』の中に組み込まれて認識・定義される前に、月へ移住した。

2015-11-09 22:08:36
銅折葉 @domioriha

もっとも、ただ月に移り住んだだけでは穢れの発生を抑えることは難しい。さらに月人自らが自信の意志で自分の本質を変えることができないと、それはそれで面倒な気もする。したがって、月人たちは月の裏側に自分たちの存在、本質を保持するような、永年記録ハードディスクのようなものを作成した。

2015-11-09 22:10:51
銅折葉 @domioriha

これがあれば、多少自分の存在が歪んだり変わったりしてもすぐに元に戻るというようなもの。まあ実際にそんなものがあったかどうかは無論自分の想像なのだけど、月において自分たちの存在が「穢れない」ようにする何かのシステムを作ったのではないかと考える。おそらくこれが月の都の原型ではないか。

2015-11-09 22:12:36
イノキシアの人(レ/イ/セ/ンのボーカル曲できたよ!) @INNOXIAno

@domioriha 信仰される=他者の観測により存在が左右される、って考えると、純粋な月の民は信仰されるの嫌いそうな感じはありますね。 神霊(精神)に信仰集めて本体(肉体)から分離してたりするんだろうか……

2015-11-09 22:14:57
銅折葉 @domioriha

永夜抄で、それまで隔絶されていた永遠亭を外に向けて開いた時、止まった時間が流れ、「変化」が起こることを受け入れたというような話がある。これは彼女達が「他者の評価」を生む他人との交流を許容し、「本質」の変化を受け入れた、つまりは穢れていくことを認めたということなのではないか。

2015-11-09 22:15:55
満足ひろpon @mnzk_pon

穢れ=在り方の変容という方向で考えると、うどんげが逃げ出したのは実は月から追放されたんじゃないか疑惑もありそう。彼女の狂わせる=波長を乱す能力、命に畏れを抱いてしまった点などなどで穢れを生み出してしまうのだ(みたいな)

2015-11-09 22:16:03
銅折葉 @domioriha

メタ視点からも加えてみると、東方の物語の舞台上に名前や顔、姿を持って登場することは「穢れる」第一歩とも言える。 二次創作や感想、推測、考察で「○○は××なやつ」という要素が加わることは、まさにその状態と言ってもいいのではないか。だから輝夜や永琳は、幻想郷に登場した。

2015-11-09 22:18:19
満足ひろpon @mnzk_pon

んでんで、紺珠伝のうどんげの種族「人間」は誤植ではあるが、偽りでもないんじゃないか。うどんげの在り方が人に近くなった。

2015-11-09 22:18:48
銅折葉 @domioriha

月の上層部や嫦娥が、設定こそかなり早く現れながら、長らく名前しか登場せず、いまだにまったく顔を見せないのは、逆に言えば「穢れたくない」と考えているからということもできそうな気もする。

2015-11-09 22:19:35
銅折葉 @domioriha

月から天孫降臨が起きるめいたことを言っていたり、地上にいたはずのアマノサグメの神格みたいなのが月にいたり、嫦娥の存在など月の設定が今し割れる各種神話群と符合しないのは当たり前で、そのへんの人間が勝手に決めた神話に分類区分をされるのを嫌がった存在が、本質を保っているのが月だから…?

2015-11-09 22:23:46
銅折葉 @domioriha

逆に言えば、今の幻想郷はここ百年単位くらいで安定していた「酒呑童子」「鵺」「かぐや姫」「ヴァンパイア」「聖徳太子」「命連上人」「覚り」なんかに、露骨に新しい信仰の一面、最新流行の新たな解釈を描き加えている真っ最中の、いわば「穢れ」の最先端ファッションリーダー情報発信地。

2015-11-09 22:26:42
銅折葉 @domioriha

月が穢れのない場所というのは、神主がその登場人物を描写しない限り保たれていて、彼らが顔や姿を持って表舞台に登場した時点から、彼らの「穢れ」は避けえぬものになるし、物語として見た時にも、実際に作中に登場した月人たちは霊夢や魔理沙たちから少なからぬ影響を受けているとも言える。

2015-11-09 22:28:44
銅折葉 @domioriha

月という舞台がわざわざ漫画やゲームに顔を持って登場したのに、「こいつら一切穢れません!」「なにやっても無駄です! 主人公たちの努力はまったくの無駄!」ってのはあまりやる意味もないし、なにかしらの関係性の変化は起こる。それはわずかなりとも穢れを容認したという意味にもなるのでは。

2015-11-09 22:31:03
銅折葉 @domioriha

儚月抄は図らずもそんな感じの物語になりかけていたし、最終的には綿月姉妹たちはお酒を盗まれており、霊夢の面倒を見たりもした。ある程度の地上との関係性を容認せざるを得なかった(相互を認識するだけですら、「穢れ」たりうるのだ)。というあたりも、それなりに符合してる気もする。

2015-11-09 22:32:34
銅折葉 @domioriha

もう少し詰められそうだけどとりあえず書き散らかした。「穢れ」が他者理解と伝播による本質の変容、というのはそこそこ間違ってないんじゃないかと思うのだがどうなんだろう。

2015-11-09 22:46:26
銅折葉 @domioriha

つまり早々にニートネタの定着した輝夜は、率先して二次創作、ファンフィクションによる新たな側面の獲得=穢れを受け入れることを身を持って示して見せたんだよ!(キバヤシっ面で

2015-11-09 22:47:57
銅折葉 @domioriha

うどんげの座薬ネタの方が定着早かったかもしれいないがそこはまあいいんだ。俺にだってわからない事くらいある……(調べろよ

2015-11-09 22:51:31