劇場版名探偵コナン『業火の向日葵』から考える子供向け作品における予備知識の扱いについて

2016.1.30 2回目の更新 子供向け作品で美術や音楽などのネタを扱うときに、どこまで背景知識に触れるべきなのか? についての雑感です。『業火の向日葵』以外にも、『戦慄の楽譜』にも触れています。事件の根幹のネタバレはありませんが、万全を期したい方はご注意を。 (2015.11.28追加)
映画 名探偵コナン 怪盗キッド ゴッホ 戦慄の楽譜 ドラえもん 業火の向日葵
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森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
もはや英語全く関係ないのですが、もうすぐ今年の名探偵コナン映画『業火の向日葵』のディスクが出るので、思うところを語っておこうと思います。テーマは、「子供向け作品における予備知識解説の必要性について」。 犯人などの核心部分はなるべくぼかしますが万全を期したい方はご注意を。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
題名からわかるように、今回の映画ではゴッホの向日葵が物語の中心になります。なので、美術的な知識が事件の謎に関わる部分も多いのですが、その辺りのフォローが…正直、少し分かりにくかったです。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
今回の話は、「鈴木財閥がゴッホの7枚の向日葵を集めて展示会を開く」というのがそもそもの発端です。この7枚のうち1枚は戦争中に芦屋で焼失したのですが、ゴッホ本人による複製が発見された!?ところから物語が始まります。 ですが、実は7枚の向日葵の中には、もう一枚幻の向日葵があります。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
個人蔵の作品で、アメリカにあるらしいことはわかっているのですが持ち主が判明しておらず、展覧会にも長いこと出展されていません。 でも、この個人蔵の向日葵、劇中では何の説明もなくいつの間にか貸してもらえる話がついてるんですよね。ゴッホに詳しい人は、劇場で相当戸惑ったと思います。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
でも、実は純粋な意味で「映画だけを普通に見てるだけ」なら、疑問は生じないのです。だって、ゴッホにとりわけ詳しくないなら、幻の向日葵がもう一枚あること自体に気がつかないから。でも、パンフレットのゴッホ解説にはその話が載っていて、私も観賞後に読んで???となってしまって。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
でも、パンフレットを読むとよけい話がわからなくなるというのは、作りとしてどうなんでしょう?そりゃあ、メインのターゲット層はそういう解説はあまり読まないかもしれないけれど…ねえ。 あくまで私の好みとしての話ですけれど。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
それから、キッドの予告状の暗号を解くために「三幅対」についての知識が必要になる場面。 とりあえず皆様には、こちらのリンクで予備知識をつけていただくとして。(^^; park10.wakwak.com/~maepi11/htm62…
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
で、コナンの劇中で三幅対の用語が出る場面。美術の専門家と、美術館の館長が話をする中で、専門家が一瞬解説を口にしかけるのですが館長がすぐ「それはわかってますからキッドとどんな関係が!?」みたいな感じで話を遮ってしまいます。そりゃあなたたちはわかるだろうけど、観客はわからんよ、と。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
ちなみに、このとき舞台になるのは向日葵を所有する新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で、アニメの館長さんも本物の館長さんに激似だったりします。さすがに声はプロの声優さんですけれど。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
ちなみに、「もう一枚の幻の向日葵」と「三幅対」については、公開初日に 放映された『消えたムンクの叫び』というエピソードでフォローがなされています。この手のコラボエピソード、観ればより映画が楽しめるというのはいいのですが、観ないと映画の筋がわからない、までいくのはどうなんだろう。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
実際、『業火の向日葵』はアクション重視の方向でかなり当初の脚本に手を入れているというのが、インタビューなどで語られているようです。メインのターゲット層の要求に応えるという意味では、それ自体は間違ったことではないと思います。でも、そのために切り捨てるものが大きすぎるのも…。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
なお、当初の脚本については、小説版からその片鱗を窺うことができます。犯人の動機関連は、かなりフォローがなされています。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
とまあ、ここまでかなり批判的な言い方になってしまいましたが、仕方ないと思う部分もあるんです。と言うのは、メインのターゲット層である子供~中高生くらいには、あの手の解説は退屈だろうと思うから。エンターテイメントとしては、筋よりアクションで魅せるのも一つの考え方です。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
その一例として、『戦慄の楽譜』の話をします。声で電話をかける場面ばかりが取りざたされがちですが、この作品のメインのトリックはパイプオルガンの構造を利用したもの。当然パイプオルガンの仕組みがわからないとトリックも理解できません。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
謎解きの場面でそんな解説をぐだぐだやるわけにはいかないので、この作品では冒頭でホール関係者が少年探偵団にパイプオルガンの仕組みを教える場面を入れるという処理の仕方をしています。ただ、やはりこういう解説は、年齢の低い客層には退屈と捉えられてしまうようです。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
ちなみにソースに関しては、「『戦慄』公開当時にバイトで中高生と関わる機会があった」とだけ言っておきます。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
私自身は『戦慄』はコナン映画全体の中でもかなり好きですけど。でもそれは、私が元々『ノートルダム』好きが高じて声楽を始めたような人間で、パイプオルガンの生音を聴くだけでテンション上がる気質だから。『戦慄』はアクションも割と地味で、背景部分に興味がないと飽きるのも理屈としてはわかる。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
作中のコナンと違って、子供は今は小さくてもいずれ大きくなります。その時になってまた見直したり、背景知識を調べようとする人も…うーん、いないというわけはないだろうけれど、果たしてそれは多数派なのか。考えれば考えるほどわからなくなってしまいました。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
ただ、私自身は「小さい子には今はわからないかもしれなくても、背景知識は盛り込んでおく」という作り方の方が好きです。そうやって知識の幅を広げていった結果、今の私があるので。 コナンで言えば、グラナダ版とかカンパーバッチ版のシャーロックに手を出したり。まあにわか程度ですけど。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
これを一番うまくやっていたのは、藤子F先生存命時代のドラえもんでしょうね。バミューダトライアングル、地球空洞説、魔法の歴史…本当に奥深かったです。 でも、少なくとも初期のわさドラではその辺は軽視されがちだったかな…『魔界大冒険』と『鉄人兵団』以外は詳しくないですが。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
何にしても、「話がわからなくなってアクションにすら入り込めないバランスになるのはよろしくない」なんでしょう。でも、「話がわかる」の度合いが観る人の年齢や好みによって大きく変わるから、どこに合わせるかのさじ加減が難しくなるのでしょうね。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
なんだかとりとめもなくなってしまいました。でも、『業火の向日葵』全体としてはとても面白いですし、怪盗キッドファンをはじめ多くの方に観ていただきたいです。実は、この映画ではじめて、キッドに「色気」を感じたんですよね。ネタバレせずには語れないのでどことは言いませんが。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
本業の関係でようやく今日通販で手配していた『業火の向日葵』Blu-rayを受け取れました。映像特典DVDに『消えたムンクの叫び』が入っている模様です。これからご覧になる方は、先に『消えたムンクの叫び』から観るのがおすすめですよ。
森野智子(本名ではなくHNです) @morisato_snow
ゴッホの向日葵に関するエピソードはこの本に詳しく載っています。本当に、脚本家さんはこの本を読んで脚本を書かれたのでは?と思うほどのリンク度です。 amzn.to/1Q0nSKO

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