サトセレリレー小説 第2弾【完結】

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man 心地よさそうな表情でずっとサトシの頭に鼻を寄せている。 「そんなにピカチュウが気に入っているなら、サトシのシャンプーもセレナとお揃いのシャンプーにしたら？」

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man ユリーカのその発言は、一歩後ろで赤面していたセレナを更に動揺させるのに充分過ぎる破壊力を持っていた。 「確かに。普段ピカチュウはサトシの肩にいますもんね。良いアイデアだと思いますよ？」シトロンが相槌を打つ。

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man 「うん、だってセレナも前言ってたよ？この匂いはテールナーも好きなんだー、って。ね、セレナ？」 　ユリーカから突然の質問、セレナは心の準備　どころか、なんの思考回路も働いていなかった。

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man 「え、う、うん、そうね！サササトシノニオイモスキダケド、じゃなくって！テールナーもこの匂いが好きなの」 　もはや支離滅裂である。三人は振り返ってセレナの方を向いていた。他の二人には見えない角度で、ユリーカが意地悪そうな笑顔を見せている。

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man （この子、絶対ワザとやっているわね……） 「え、テールナーもこの匂いが好きなのか？」 　セレナの心配とは裏腹に、サトシの興味はどうやら別の方向へ向いたようだ。

趣味子(ｼﾞｭﾆｦ) @shumi_man

@shumi_man 「ポケモンには味の好みがあるように、匂いの好みもありますからね」シトロンが説明した。 「そうね、せっかくだし出てきて、テールナー」 　セレナはモンスターボールを取り出した。この機会に自分から注目を逸らしたかった。

あんのうん @unknownyahho

「テナァ！」ボールから出てきたテールナーはセレナの顔を見てニッコリ笑った。セレナがぎこちない笑みを返すと、不思議そうな顔をする。「ねえねえテールナー！ サトシの匂い嗅いでみて！」「テナッ？」ユリーカの突然なお願いに困惑顔を浮かべるテールナー。サトシの顔をチラリと見るが、警戒したよ

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho うにセレナのそばへと回った。「あれ？嫌なの？」「そりゃそうですよ。いきなり匂い嗅げって言われても…」なんで？と首を傾げるユリーカにシトロンがため息と共に説明する。一方サトシは拒否されたようなテールナーの反応にがっくしと肩を落としてしまった。「ピカ！」

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho セレナもどうしたものかと考えていると、サトシの肩のピカチュウがテールナーに話しかけた。「テナ？」「ピカ。ピカピ！ ピカチュ！」「テェナ……」ふたりの会話にサトシ達が顔を見合わせると、テールナーが突然サトシに近づいてきた。そしてピカチュウが指し示す、

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho サトシの髪に顔を寄せ その長い鼻を近づけた。「！ テナァ！？」「チャア〜」驚いた顔をしてテールナーがサトシから離れた。混乱したようにサトシとピカチュウを交互に見ている。「テールナー？」テールナーの反応を不思議に思ったセレナが話しかけると、テールナーは

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho 突然セレナの腕を引いて再びサトシのそばへと寄り始めた。「えっ！？ テ、テールナー！？」テールナーは驚くセレナをサトシのすぐそばまで連れてくると、交互にその匂いを嗅ぎ始めた。すぐ隣同士に立たされたサトシとセレナを、まるでソムリエのようにその香りを

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho テイスティングする。そしてある結論を出した。「テ〜ナ！」テールナーはニッコリ笑ってサトシとセレナ、二人の体を抱きしめた。「うわっ！」「きゃっ！」その力は細い腕に似合わず強く、二人の体がさらに近づき 密着する。テールナーの意図を察したユリーカがおもしろ

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho そうに笑った。「サトシとセレナ、やっぱり同じ匂いがするんだね！」「テナ！」ユリーカの言葉にコクリと頷き、テールナーはサトシとセレナの間で嬉しそうに微笑んだ。「(セレナの匂い……いい匂いだな。これが俺からも匂ってるのか)」「(サ、サトシいい匂い……)」

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho 一方サトシとセレナも、密着しているためお互いの匂いがよく香った。 セレナから香るこの匂い、それが自分からも香っているのなら なんだろう、嬉しい？ それにピカチュウもこの匂いを気に入っているのなら……

あんのうん @unknownyahho

@unknownyahho 「そうだなぁ……ユリーカの言う通り、俺これからセレナと同じシャンプー使うことにするよ」 「ふぁっ！？」

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

「ピカチュウとテールナーもこのシャンプーの匂い好きみたいだしな」 「そ、そうだけどさ……」 それに、とサトシは続けて密着しているセレナから顔をそらしボソッと呟く。 「……俺もこの匂い好きだし」 「へ？　ええええええ！？　サトシそれって……」

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 「うお！？　いきなり耳元で叫ばないでくれよセレナ」 「あ、ご、ごめんビックリさせちゃって……」 目の前にいるセレナの叫び声にサトシは思わず耳をふさぐ。 今だテールナーにより密着させられている二人の距離は近い。

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 「ま、まあその、なんだ……女の子ってやっぱりいい匂いがするもんだし、セレナもいい匂いがするなっていつも思ってたんだけど、シャンプー使って何だか分かった気が…… えーと、何が言いたいのか分からなくなってきた……」

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 伝えたいことをうまく伝えられずサトシがうんうん唸っているのを横目にセレナは（え、え、サトシにいい匂いだと思ってもらえてた……良かったあああああ、このシャンプー使ってて良かったああ！） 内心小躍りしているセレナはテールナーの腕の中でテレテレとしている。

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 「どう、お兄ちゃん上手くいったでしょ！」 「ユリーカ趣味が悪いですよ……」 したり顔のユリーカに呆れながら答えるシトロン。 「サトシは鈍感だからねこれ位しなきゃ」 「まあ確かに鈍感ではありますけど……」

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 「でも同じシャンプー使ってたら、嫁のシャンプー勝手に使ってる旦那さんみたいだね」 「ユリーカは想像力豊かですね……」 ゲッソリとした顔でユリ－カに返事をしていると、突如上空から黒い四角い箱のようなものが投げ込まれる。

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 その箱は当たりに黒い霧を撒き散らし四人とポケモンたちの視界を防ぐ。 「一体何なんだ！？　て、うわああ！」 「きゃあああああああ！　な、なに！？」 「サトシ！　セレナ！　どうしたんですか！？」 サトシの驚愕の声とセレナの悲鳴が周辺に響き渡る。

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 辺りを覆っていた黒い霧が晴れてくると何かを見つけたユリーカが声を上げる。 「お兄ちゃん！　あれ見て！」 そこには見慣れたロケット団の気球から伸びるアームに捕まっているサトシとセレナの姿が確認できた。

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 幸いにもテールナーととピカチュウは難を逃れたようで鋭い目つきでロ ケット団を睨みつけていた。気球に乗っている三人組みが何時もの口上を始める。 「”お兄ちゃん、あれ見て！”と言われたら」 「答えてあげるが世の情け！」 ～省略～

たからまろ とみひこ @tomihiko0969

@tomihiko0969 「ちょっとニャース！　なんでジャリボーイとジャリガールなんて捕まえてるのよ！　ピカチュウ捕まえなさいよ！！」 「そ、そんなこと言われても黒い霧で見えなかったニャ……」 「まあ、まあムサシ。とりあえずこいつらの持っているポケモンを頂けばいいじゃないか」