ネットテレビ・ギャオで「セデック・バレ 第一部」が無料公開中。日本の植民地統治にまつわるエピソード。

タグは「歴史」と「映画」どっちがいいか迷ったが、とりあえず映画で。
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イヌノオー@ @inunohibi

セデック・バレ 第一部:太陽旗|無料動画 GYAO!|映画 gyao.yahoo.co.jp/p/00339/v08689/ #GYAO

2015-11-12 20:23:21
イヌノオー@ @inunohibi

ギャオで無料公開中の、「セデック・バレ 第一部」を見る。無料公開中と最初知ったときは、「こんなに長いのは無理だよ~」と思ったが、病気もよくなってきているし、余裕が出来たのでとりあえず見ることにした。1時間持つかどうか・・・、と思っていたが、

2015-11-12 20:18:22
イヌノオー@ @inunohibi

首を動かして、こらないように休めていれば結構見ていられる。1時間半くらい、主人公の頭目が武装蜂起を認めるところで一旦やめた。

2015-11-12 20:18:40
イヌノオー@ @inunohibi

始まりの原住民が日本軍に敗れるところまでは、「こういう民族がいます」「日本が攻めてきました」という説明的で、映像的な迫力はあるものの話は単調に感じた。1930年、事件の年に舞台が移って、話は本番になる。

2015-11-12 20:19:06
イヌノオー@ @inunohibi

反抗的だった原住民が、従順に暮らしている。その象徴が血気盛んだった主人公である。日本内地につれられ、日本の進んだ飛行機や軍隊を見たことを短く話しているが、顔の深いしわは、長い年月の間にいろいろ経験したことを想像させる。セリフに頼らない力がある。

2015-11-12 20:20:03
イヌノオー@ @inunohibi

事件の発端にもなる嫌なやつ、日本人警官は、原住民を酷使して、「次やったら弁償させてやる」と当り散らす。このセリフ、今のブラック企業にもありそうなのが笑えない。

2015-11-12 20:22:44
イヌノオー@ @inunohibi

「セデック・バレ」では、吉村といういかにも人間性の劣悪な日本人警官が、殴ったり蹴ったり怒鳴り散らしているし、原住民女性をカネで宴会の「お相手」に誘う、下品な日本人警官もいる。実際のところ、植民地における警官の質はどのようなものだったか。

2015-11-12 22:21:57
イヌノオー@ @inunohibi

マーク・ピーティー「植民地」から拾ってみる。日本が台湾を領有した当初は、警官の質も低かったが、児玉源太郎や後藤新平が行政改革に取り組んだ辺りから改善された。

2015-11-12 22:22:14
イヌノオー@ @inunohibi

警官たちは厳しい訓練を受けた精鋭で、「日本の警察に対する現地人からの評判が最低であったことから見ると、信じられないことかもしれないが、義務を怠ったり規律を破ったり、警察官としての名誉や警察への信頼を傷つけるような行いをした警察官に対しては、

2015-11-12 22:22:48
イヌノオー@ @inunohibi

迅速に厳罰が下される仕組みが存在していた」。日本人警官の厳格さは、個々人の性格もあるが(穏やかで物分りのいい警察官も当然いた)、植民地統治全体のシステムに由来するようだ。

2015-11-12 22:23:08
イヌノオー@ @inunohibi

警察官に逆らえば、村が連帯責任で罰を受けた。

2015-11-12 22:24:13
イヌノオー@ @inunohibi

「たとえば砂糖工業において、総督府から便宜を与えられている製糖会社が砂糖の植え付けのためにさらに土地が必要となり、それにもかかわらず、漢族の土地所有者が土地の売却に抵抗した場合、警察は速やかに地主を脅迫して土地を売却させてしまうことが出来た」

2015-11-12 22:23:30
イヌノオー@ @inunohibi

ところで「セデック・バレ」の冒頭では、台湾の原住民が「よそ者が俺たちの狩場に入るな」という理由で、日本軍を襲撃する。日本軍が悪さをしているから悪い、などという事ではなく、素朴な排外主義の表明を、善でも悪でもないと淡々と描く。

2015-11-13 14:43:19
イヌノオー@ @inunohibi

朝鮮でも3・1運動が起こった機運の中、上海で大韓民国臨時政府が生まれるが、その指導者の1人だった金九。1896年、朝鮮で潜入捜査をしていた陸軍中尉の日本人を殺害している。

2015-11-13 14:44:19
イヌノオー@ @inunohibi

彼の自叙伝「白凡逸志」によると、閔妃暗殺に激しく憤っていた金九は、軍刀の持っていた男を日本人と思い、「国母を殺した奴か、その一味に違いない。もしいずれでもないとしても、わが国家と民族に害毒を流すものであることは明らかなのだから、あいつを殺して少しでも国の恥をそそごう」と決意した。

2015-11-13 14:45:06
イヌノオー@ @inunohibi

(ちなみに韓国の歴史教科書では、大韓民国臨時政府が現在の大韓民国政府になった、と書かれている。李承晩は有力メンバーの一人だったが、実際のところ連続性はない。)

2015-11-13 14:47:26
イヌノオー@ @inunohibi

こういう排外意識は、侵略する日本軍が悪いとは言っても、現在の我々は違和感を持つ。しかしセデック・バレでも描かれたように、日本の統治が何十年もたってくると、曲がりなりにも日本がもたらした近代的制度の中で、「もう野蛮人には戻りたくない」という葛藤が深くなってくる。

2015-11-13 14:46:55
イヌノオー@ @inunohibi

さて金九は、最初は東学運動に参加して日本軍と戦ったり、日本人を武力で撃退するという粗雑な考えを持っていた。しかし殺害事件で牢獄に入れられているとき、様々な書物、西洋の事情を知るにつれて、武力と古い思想に頼ってばかりではダメだ、と考えを改めたという。

2015-11-13 16:24:55
イヌノオー@ @inunohibi

まるで荒くれ者だった宮本武蔵が獄中で読書したり、幕末の攘夷志士が、開国して国を強くしなければいけないという近代的な思想に目覚めたような話である。国の運命は全く違ってしまったが・・・。

2015-11-13 16:25:19