現代語訳『熱田の深秘(あつたのしむひ』
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kagachi_ecm
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【『熱田の深秘(あつたのしむひ』】 「し給い」なので「です・ます」になるのかな? 語彙を現代語にしてしまうと、おもむきを失ってしまう可能性もあるので語彙を残して、【註】をつけるようなカタチになるのかも? あと『神祇官』を、どの程度、参照するのかは微妙。
2015-11-15 10:45:29
「脱あるか」の場合は参照するとしても、「天神7代・地神5代、(あわせて12代」みたいなのを、いちいちカッコに入れて補うべきか? ちなみに、底本は『神道大系』の「神道由來事(假題」「あつたのしむひ」。『神祇官』は、伊藤正義「続・熱田の深秘」から。
2015-11-15 10:51:06
それ我が朝(わがちょう)というのは、天神(てんじん)7代・地神(ちしん)5代の神の代である。はじめ3代は、親も子もなく、1人づつ、おあらわれになりました。3代の(後の)時から、嫁(とつ)ぎを、おはじめになった。
2015-11-15 12:38:59
【註】 我が朝(わがちょう):日本のことを中国(当時は震旦(しんたん)と呼んでいた)やインド(天竺(てんじく))、韓国と区別していう言い方。 天神7代・地神5代:まあ神様の数え方というか認識。 嫁ぎ:男女がペアになって、子供を産むという、やり方。4代目からだよね。
2015-11-15 11:06:51
7代の神をば、伊弉諾尊(イザナギのみこと)を男として、伊弉冊尊(イザナミのみこと)を女といいました。この2人の神のおっしゃったのは「そもそも、これより下に国がないことはない」と、天逆鉾(あまのさかほこ)を指しおろして、お探りになると、鉾のしずくが葦(あし)の葉の上にとどまって、
2015-11-15 12:41:25
砂(いさご)がさだまって厳(いわお)となったので、これが国の初めになりました。そのことによって我が朝をば葦原国(あしはらこく)と名付けました。
2015-11-15 11:20:48
【註】 しまったな、総ルビに近い仕様にしないと。 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冊尊(いざなみのみこと):用字は『神祇官』による。 天逆鉾(あまのさかほこ):そういう名前の呪具(じゅぐ)。 葦(あし)。
2015-11-15 11:23:49
「国はできた。名前を、どういったらよいか?」と、お誓(ちか)いになりました。その国の中のあたりに、大日如来(だいにちにょらい)が智拳印(ちけんいん)を、むすびになって座(すわ)っておられました。
2015-11-15 12:58:17
これを、ご覧(らん)になって「そうであるなら、この国は三身(さんしん)相応の国である。末代、仏法成就の地である。めでたい国であるので、どうしても仏法を広めよう」とおっしゃって、大日のお座りになった国なので大日本国と名付けました。
2015-11-15 13:05:07
【註】 大日如来:仏教(とくに密教)の最高の仏。 智拳印:金剛界・大日如来の手のカタチ(印相)。 三身:仏様の現れ方の3つのタイプ。法・報・応の3つ。 仏法成就:底本「けつほう」に作る。『神祇官』より改める。
2015-11-15 13:10:36
そもそも熊野権現(くまのごんげん)と天照大神(てんしょうだいじん)と、白山(はくさん)権現と、蛭子(ヒルコ)と、出雲大社(いづものおおやしろ)は父・子でいらっしゃいます。
2015-11-15 13:16:31
【註】 天照大神(てんしょうだいじん):現代では「アマテラスオオミカミ」が一般的だが、当時は「てんしょうだいじん」の方が一般的。 蛭子:『神祇官』は「夷」に作る。父子関係なので記紀神話によせる。
2015-11-15 13:19:48
【註】 やはり、ここの「えびす」は「恵比須」あるいは「ヱビス」をあてて、現在信仰されている祭神のイメーヂを強めた方がいいのか?
2015-11-16 20:53:08
その理由は、天神7代、伊弉諾・伊弉冊の2柱の尊(みこと)が日本国をお作りになって、お治(おさ)めになり「国があっても人がいない。一切衆生(いっさいしゅじょう)なくては適(てき)さない」として「我々が、夫婦(めおとこ)ということをはじめて、産んで広げていこう」と、
2015-11-15 13:30:24
セキレイ(鶺鴒)が尾を動かすのを見て、美殿(みとの)の交合(まぐわい)をはじめ、女・男ということをなさって、まず4人の子供をお産みになりました。
2015-11-15 13:38:31
【註】 お治めに:底本「あまわたらせ」 一切衆生:生きとし生けるもの。 夫婦(めおとこ):「めおと」も漢字を当てると夫婦なので、女男(め・おとこ)に夫婦を宛てる。
2015-11-15 13:46:05
【註】 セキレイ:鳥の名前。 美殿の交合:夫婦になって子供を産むことの古語・雅語。 女・男ということ:「夫婦(めおとこ)ということ」か? 子供:底本「わうし」
2015-11-15 13:46:37
1は天照大神(てんしょうだいじん)、アマテル尊。2は月読尊、丹生(にゅう)大明神であります。3は蛭子の王子、縮糸根(つくねそ)尊、胡(えびす)御前がこれです。(4は素戔嗚尊、出雲大社がこれです)こりように4人の子供を、お産みになって、その後、一切衆生を、お産みになりました。
2015-11-15 14:04:27
【註】 3は蛭子の…:「縮糸根」「胡」は『別傳』より借りる。字面からは「つづそね」。蛭子神を祭神とする神社が、あやふやになっていた可能性も? (4は素戔嗚尊…:『神祇官』より補う。
2015-11-15 14:12:59
また、国はあっても山がないとして、山野をお産みになりました。そうであるので、伊弉諾・伊弉冊は一切衆生の父・母であります。山野にも父・母ということがあります。このように、それからも、(子供を)もうけお広げになりました。
2015-11-15 14:24:09