『劇場版ハーモニー関連のつぶやき』

ハーモニーに関連して呟いた私の雑多な感想や所見や社会論やなんやらの集合
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イルシス(雪星/イル) @Irrsys

劇場版ハーモニーの導入をトゥアレグ族とのシーンに定めたのは、アクション性が高い事もそうだし、虐殺器官とのつながりを意識してたんだろうな。劇場版「虐殺器官」の大災禍で世紀末感を味わった人が次に見るのが、放射能除去のための向日葵と青空、砂漠に落ちた大災禍時代の航空機だったわけだ

2015-11-16 12:47:34
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

霧慧=Κύριε=主よ 御冷=Μύχιε=どん底 零下堂=ρέικα δύο=茨の二人 全てギリシャ語の言葉 #ハーモニー #伊藤計劃 #projectitoh

2015-11-15 01:18:35
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

オスカー・シュタウフェンベルク オスカー⇒オスカー・シンドラー。自身の経営する工場に勤めるユダヤ人1200人を虐殺から救ったドイツ人 シュタウフェンベルク⇒「ワレキューレ作戦」実行者 どちらもナチスドイツにいながらヒットラーの凶行に歯向かった人間。暗示的ですね #ハーモニー

2015-11-15 09:36:06
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

個人的に、ミァハを引き取った御冷家が「Μύχιε=どん底」という意味を持つことが、日本に生活するミァハの救われなさを暗示しているかのように思えます #ハーモニー #伊藤計劃

2015-11-15 01:20:45
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

名前の方はケルト神話由来でカタカナ入力でもすぐに出てくるので割愛

2015-11-15 01:21:37
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

「ハーモニー」のラストシーンは、つい不意打ち的に現れる「復讐」という言葉に呑まれてしまうが、それはトァンがミァハに会うためにコーカサスまできた動機だ。トァンがミァハに出会ってからどう感じたかは描写がない。そこがぼかされているのは、あえて想像の余地を残したのでは?と思う

2015-11-15 03:09:30
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

原作でのトァンの復讐したいという感情は、トァンのミァハに対する様々な非合理的な感情の一つで、原作でも行間に秘められた動機がある。それは小説だからこそ可能な表現だ。しかし映画では、クライマックスの段階で多くの情報を詰めこんでも、観客はそれを飲み込めない。映画に行間はないのだ

2015-11-15 02:51:47
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

「原作を再現した凡作」になるか「映画としての傑作」になるか。監督はプロとして後者を選んだ。そしてそれは伊藤計劃の望んだ物語の形としてあるべき姿だと思う。 物語は語り継がれるべきもので、一つの形で保存されるべきものじゃない。 「ハーモニー」の世界は一つの解釈に囚われるべきじゃない

2015-11-15 02:53:43
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

映画「ハーモニー」でトァンの感情の変化がよく取り上げられますが、ミァハが原作より人間的に描かれていることも重要だと思うんですよね。彼女はキアンやトァンの人間的な苦しみに理解を示してるし、「原風景に帰りたかったんだね」という指摘に迷うことなく肯定する

2015-11-16 00:16:08
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

原作の「ハーモニー」では、ミァハがあまりに人間性からかけ離れた、正に「ハーモニー世界の象徴」として描かれていて、それに対し行動の非合理性(人間性)を指摘することで、ミァハを否定する。しかし映画の方はミァハ自身の非合理性(人間性)の結果としてハーモニーを目指すミァハが描写されている

2015-11-16 00:19:42
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

原作では「ハーモニーの象徴、イデオローグ」だったミァハが映画では「御冷ミァハ」として描かれていて、それに対するトァンも、「人類意思、キアンや父の意思の代理」としてではなく、「霧慧トァン」としてミァハに相対する必要があったのかなと

2015-11-16 00:27:11
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

要するに小説で描写されなかった二人の”本音の感情”に焦点を当てた映画ということで、そこを過去の事件を含めて突き詰めていくと、この結末も十分ありうると思うんですよね

2015-11-16 00:30:57

「ハーモニーの合理主義とユートピア観について」

イルシス(雪星/イル) @Irrsys

ハーモニーのユートピア観について。個の境界がなくなる集合精神的なユートピア観は、日本・ドイツ・ロシアに共通している。これらの国では合理主義の形は「集団的合理主義」で、個別的合理主義は根付いていない。ハーモニーの世界も集団的合理主義で、生府とナチスはユートピアを目指した紛い物である

2015-11-15 09:47:58
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

ドイツの「perfume」という小説では、香水によって個々の意識を失い、恍惚な状態となって悦楽に耽り、やがて互いに食人する数百人の男女というものが描かれているが、集団的合理主義とエクスタシー≒恍惚のイメージはドイツ・ロシアで共有されている。一方日本は恍惚より素朴な憧憬の傾向がある

2015-11-15 09:51:23
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

一方、集団精神の帰結としての集団自殺も、日独露の中で共有されている。日本の特攻隊と海神の関係で、特攻兵士が死の後一つの神になる図は、死によって個が融和して一になる=集団精神になる という図に近しいものがある

2015-11-15 09:56:42
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

一方個人主義合理主義の根付くフランス・アメリカのユートピア観は、個人・核家族という小さい単位の中での平和である。「大草原の中の小さな家」に住み、政府や州といった、集団からの関与を著しく嫌う。これらの国では個人の「意識」を重視する。合理主義の理解が、ユートピア観の違いに現れるのだ

2015-11-15 09:58:48
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

「ハーモニー」の世界は集団的合理主義であり、ミァハが導くハーモニーの世界は、集団的合理主義に基づくユートピアである。それは個別的合理主義のアメリカが壊滅し、日本・ヨーロッパといった国が生府社会のかじ取りを行っているのとも関連するのだろう。ハーモニーは極めて日本・ドイツ的な社会だ

2015-11-15 10:02:41
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

先程の合理性の続きですが、日本、ドイツ、ロシアのように集団的合理主義が先鋭化する国は、個人主義を非合理と捉える傾向があり、アメリカ、フランスのように個別的合理主義が先鋭化する国は全体主義を非合理と考える傾向がある

2015-11-15 11:56:37
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

社会的福祉的道徳的に集団合理主義とハイブマインドを形成するハーモニーの世界は、ドイツ人やロシア人のようにスラヴ系やゲルマン系の民族にはユートピアの一つとして理解されるだろう。 一方、西欧ラテン系国家やアメリカ人やフランス人には、ユートピアではなくディストピアに見えるだろう

2015-11-15 12:00:56
イルシス(雪星/イル) @Irrsys

合理主義の理解が各国のユートピア像に結び付くのは合理主義的な先進西洋国だけなのか、他の国でもそうなのかは気のなるところ

2015-11-15 12:10:53