「探偵について」 ~意見3~

「ミステリの探偵像とカタルシス」http://togetter.com/li/89226 での意見の中から、「探偵は装置か否か」(前半)と「ミステリにおける秩序回復について」(後半)を抽出しました。
2
谷山儀式_携帯 @tinydogs_REW

その意見を受けて@K_misa_maguroさんから貴重なご意見をいただきました。氏、曰く「探偵には共感を覚えたい」「事件とは非日常であり日常→非日常→日常への回帰こそがカタルシスなのだ」と。

2011-01-14 13:50:13
谷山儀式_携帯 @tinydogs_REW

しかし、よく考えてみてください。本当に本格ミステリにおいて「探偵役」は共感できる存在でなければならないのでしょうか? 「探偵役」とはつまり事件解決の装置にすぎないのではないですか?

2011-01-14 14:00:11
シュレディンガーのナツさん @natsu_san

@tinydogs さんの「探偵=装置」説には非常に同意。探偵への共感とか要らないと思う。一方で、@K_misa_maguro さんの「日常への回帰がカタルシス」にも同意。自分は「世界の再構築」と呼んでいるけども。

2011-01-14 21:07:16
シュレディンガーのナツさん @natsu_san

綾辻、柄刀あたりの探偵は完全に装置だよね。京極・森・有栖川あたりはそこにキャラクターの皮を被せてあるけど。というか探偵に共感とか出来たらワトソン役とか要らないし。そもそもホームズとか立派な犯罪者予備軍ですよ。法律を犯すことに喜びを感じるタイプじゃないから探偵やってるだけで。

2011-01-14 21:12:50
習志野権兵衛 @narasinogonbe

探偵が解明の為の装置なのは当然。むしろ、解明する人を探偵と名指しているのではないか。時折、狂言回しにしかならないヘボ探偵がいるが、あれは“偽探偵”か。だがしかし、探偵合戦というものがある。とすると、解明に挑む人が“探偵”なのか。画して、最終的に解明する人を“銘探偵”と呼ぶのだな。

2011-01-14 21:25:10
習志野権兵衛 @narasinogonbe

一般に、シリーズが大きくなるほど、探偵が装置じみてくる。それを覆す可能性をも孕んだ『密室殺人ゲーム』はやっぱり面白いと思うんですよ。

2011-01-14 21:40:29
根倉野蜜柑 @necrano_mican

一個一個の物語をみるとそれぞれ別のキャラが動いてるけど、外側からそういった物語群を見たときに共通する性質が見られるときに、特に探偵役に対して「解決装置」という言葉を使うわけで、べつに個々の探偵がロボット的なものである、ということではない。

2011-01-14 23:32:49
稲羽™ @inaba113

僕は探偵=装置と思って読んだことは一度もない。実際、装置的な面もあるとは思うが。

2011-01-14 21:26:13
mikio@暗黒青春ミステリー書く人 @mikio_at_ikarum

僕も、探偵を真実を語る機械とは思わないなあ。探偵といえば何はともあれシャーロック・ホームズだが、彼は何度も判断ミスをしている。それでも名探偵と言われる理由は、ひとえに彼の解決しようとする意識だと思う。

2011-01-14 21:33:08
1026 @_1026

解決装置っていう言い方は無機的すぎるなあ。もっと読者を惹きつけてやまない魅力をふりまきつつ、物語を誘導してくれる存在ですよね、主人公って。解決にどう関係しているかなんて一部分じゃなくて、物語を活かし、物語に活かされていれば輝く。善悪は探偵のあり方じゃなくて物語のあり方でしょうに。

2011-01-14 23:20:20
sad @Sotobato_Nihu

装置という言われ方をしていますが、これは物語が舞台的ものであるということだと解釈しています。役者や人形のように、観客から独立して登場人物が動き演じているものですね

2011-01-14 23:27:17
ありさと @fourmiliere

探偵が装置か否かは問題ではなく、ある一定の条件をみたす(装置の役割を果たす)キャラクタを探偵(役)と呼ぶのではないだろうか、とか。それと人物設定(職業?)上の「探偵」とがときにごっちゃになって、紛らわしくなる。

2011-01-14 23:47:07
SAKATAM @youmoutei

そして(本格)ミステリのカタルシスは、「非日常→日常」というよりある種の「混沌→秩序」ではないかと。

2011-01-14 21:50:58
SAKATAM @youmoutei

「物事が収まるべきところへ収まった」という意味での「秩序/カタルシス」は、(本格)ミステリに限った話ではないわけで……ミステリにおいても、それをもたらすのが探偵である必要は、必ずしもないように思います。

2011-01-15 18:27:02
SAKATAM @youmoutei

んで、ざっくりと「混沌→秩序」などと書いたために混乱を招いてしまった気がしますが……(本格)ミステリ「ならでは」のカタルシスは、「謎(混沌)→解明(秩序)」、あるいはせいぜい「事件(混沌)→決着/終了(秩序)」、という程度のつもりでした。これは@tinydogsさんに近いですね。

2011-01-15 18:15:59
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

「日常→非日常→日常への回帰」という形でまとめられてましたが、自分が言いたかったのはむしろ、探偵は事件と謎によって秩序が失われた世界に秩序を回復する存在であり、読者は「秩序が回復される」ときにカタルシスを感じるのではないか、ということですね。

2011-01-14 23:41:45
琴瀬美沙 @K_misa_maguro

そしてここで言う「秩序」とは、読者のいる側の世界における秩序であり、作中では犯人以外の人間側の秩序です。犯人の側に秩序がもたらされることは……あるんだろうか。またこの犯人以外の側の「秩序」は、繰り返しになりますが探偵役が犯人を指摘し、司直の手に委ねるといった形でもたらされます。

2011-01-14 23:50:35
sad @Sotobato_Nihu

回帰する秩序は理(ことわり)ですね。人は無秩序や不合理を回避するように元からできています

2011-01-14 23:57:43
nemanoc @nemanoc

思い出すに、やはり、「秩序を回復するものとしての探偵と、秩序を破壊するものとしての怪盗」の定義からヘーゲルの弁証法の議論マッシュアップして、「なぜミルホでアルセーヌ様が四色を助けるのか」を読み解いた某先輩は天才だった。関ミスで誰一人として彼に共感しなかったのが、フシギなくらい。

2011-01-14 22:13:34
鉄文(隠居中) @te_ho_603

まやかしの「秩序」を探偵が事件を暴く事でぶっ壊し、結果として「混沌」がもたらされ、収束しないというパターンも面白いかもしれず。まあ、話投げっぱになりがちだから、一作で纏めるなら、ラストにもう一度反転は必要そうだが。・・・このネタは面白そうだ。

2011-01-15 18:47:39