「探偵について」 ~意見4~
確かに探偵には「巻き込まれ方タイプ」「知的好奇心タイプ」があると思う。で突き詰めると前者は物語の主人公(=感情移入できるキャラクタ)で後者は物語を俯瞰する神様(=感情移入できないキャラクタ)になると思う。
2011-01-14 21:14:53二種類があるのではなくて多分濃度勾配があるのだろうけど。神様型=装置としての探偵はトリックスター過ぎて「物語に関係のない振る舞い」をするからそれが悪のように見える。
2011-01-14 21:19:02巻き込まれ方はCCに多いけど要するに謎を解きたいんじゃなくて犯人をとめたいから謎を解くわけで、彼の行動そのものが物語となる=感情移入できる=善人のほうが書きやすい。
2011-01-14 21:19:13探偵が解明の為の装置なのは当然。むしろ、解明する人を探偵と名指しているのではないか。時折、狂言回しにしかならないヘボ探偵がいるが、あれは“偽探偵”か。だがしかし、探偵合戦というものがある。とすると、解明に挑む人が“探偵”なのか。画して、最終的に解明する人を“銘探偵”と呼ぶのだな。
2011-01-14 21:25:10名探偵はいくらクズであってもかまわないわけだが、なかなかそんな奴がいないのは、犯罪にはどうしても人間が、同時に人情が絡むからだろう。所謂解明シーンを想像すれば、名探偵には周囲の承認が必要になる。然るに、クズ過ぎるとお話に介入し辛くはなるまいか。だから普通の話にクズ探偵は居ない。
2011-01-14 21:32:24常軌を逸したキャラが探偵であるためには、それこそメルカトルや貴族みたいな特権や身分違い、はたまた物語の方を常識から外し、主要人物全員覆面偽名で倫理を撤廃しないといけないのではないか。
2011-01-14 21:37:05「完璧な名探偵(もしくは探偵役)なんて存在しない!」という意思表示のために、昔から何度も「探偵の敗北/挫折」が描かれている気がします。
2011-01-14 21:53:45その反面、どうしても虚構内で「探偵による完璧性」を追い求めてしまうのは、虚構の中でなら「論理によって事象を完璧に理解できる」という一種の希求であり、現実世界に対する意趣返しなのではないでしょうか。
2011-01-14 21:57:04「本格ミステリにおける新たなる探偵像」に関しては、『名探偵ベスト101』(村上貴史 編)が何かしら参考になるのかもしれません。「二十世紀以降の探偵たちは、謎を解く存在であることに加えて、プラスアルファの何かがなければ生き残れなかった」(はじめに 探偵について考えてみるということ)
2011-01-14 22:24:42シャーロック・ホームズなんぞ、アヘンやってたり部屋でピストル打ったり、悪癖だらけだけど「魅力的な探偵」ですな。 善悪を超越してて、「勧善懲悪」というより「判官贔屓」っぽいとこが人気の一因なのかな。 ワトソンを含め、物語としてのトータルバランスの中で魅力を発揮してるんだなあ。
2011-01-14 22:18:11僕も、探偵を真実を語る機械とは思わないなあ。探偵といえば何はともあれシャーロック・ホームズだが、彼は何度も判断ミスをしている。それでも名探偵と言われる理由は、ひとえに彼の解決しようとする意識だと思う。
2011-01-14 21:33:08姪探偵TLなんてあったのかー ぼくはミステリーにホラーっぽいものも求めてるから、探偵=エクソシスト的な考えを持ってるかなー バスカビルから京極堂、金田一少年やカーも霊媒師っぽいですよね
2011-01-14 22:30:06ああ、探偵は生き方、ってのもあったなぁ。知能ゲームとしての探偵と生き方としての探偵の違い、とか面白いかもしれん。
2011-01-14 22:33:31そもそもフィクションに過ぎない探偵小説に現実社会での主要な価値基準たる社会的な善悪を持ち込むこと自体がナンセンスではないか。善悪を超えた個人的な動機で犯罪や謎に挑む探偵のほうがむしろ自然だと僕は思う
2011-01-14 21:37:13名探偵論TLが有ったのか。一時期、考えてた事もあったな。他人の人生を裁く、干渉するという点では、名探偵と犯人は、同次元に有る存在。単に、それが社会規範に沿ってるかに過ぎない。同じ業を抱えるがゆえに、探偵物、スパイ物の最期は、死か、自らの殺人になるケースが多くなる。
2011-01-15 11:14:13デスゲーム物で、探偵が裁く>相手即死のパターンは、有る意味、此れを純化した物とも考えられるかもしれない。そうした場合、往々にして探偵自身も、ロクな最期を迎えないが。生き残るにしても、大概、無条件での明るい未来は無い。此れは、因果応報、物語の「バランス」の問題でもあるが。
2011-01-15 11:20:01探偵小説と特撮ヒーロードラマは構造が同じだと思ってる。 @K_misa_maguro さんの「ミステリの探偵像とカタルシスについて」をお気に入りにしました。 http://togetter.com/li/89226
2011-01-15 22:45:30きのうの名探偵TLをみて思ったが、あれだけ名探偵のあり方に関心が持たれるのは、ふだん絶対的な正義なんてないし、真実は人の数だけあると感じているのに、作品の中ではたったひとつの真相を求めてしまうという矛盾に、名探偵もまた直面しているからではないだろうか。
2011-01-16 00:13:03名探偵については、一回きちんと考えるべきかなあ。 以前一回書いたけど、名探偵の属性が問題になるのは、短編用の物語装置であった「名探偵」をそのまま長編用にシフトしたせいじゃないかなあ、なんて。 物語圧縮のための名探偵。
2011-01-16 03:55:50サンデルさんの政治哲学みたいに、探偵哲学という思考実験をしてみるのも良いのかも。真実が、どういう場合に正義として機能するのか、しないのか。探偵がどういう立場で推理を開陳するのがふさわしいのか。
2011-01-16 19:55:25