【橋下徹に不当に吊るしあげにされたＭＢＳ女性記者のその後】

屋代聡 DEMOCRATIC WORDS @yashirosatoru_

【橋下徹に不当に吊るしあげにされたＭＢＳ女性記者のその後】

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2012年5月、大阪の公立学校で国歌を教員に強制する際、起立斉唱に加え、橋下の友人である中原徹校長は口元チェックまで行った。他校の校長の半数以上がやり過ぎと批判。これをうけMBSの女性記者が一律強制をどう思うか質した際、橋下は職務命令の出どころはどこか？と逆質問して煙にまいた。

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記者は「府の教育長だ」と返すと、橋下は「とーんでもない、組織としての教育委員会が命令を出した、ちゃんと調べろ」と返し、その後も記者の質問を遮って、勉強不足、そんなことも知らずに来るな、ふざけた取材、頓珍漢、話がむちゃくちゃ、などと感情をむき出しにして痛罵しつづけた。

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「自分は条例を作っただけ。命令は教育委員会が出しているから、そちらに聞け。」と権限外を主張したが、詭弁もいいところ。条例を作った本人が運用に無関係なわけがない。また橋下が全否定した「教育長命令」も“間違っていない”。通達は職員、校長、副校長あてに教育長名で出されていたのである。

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適切な質問と逆質問に対する正しい回答。これに抗して強引に話をそらし恫喝まがいの罵倒。しかしネットでは橋下ではなく、記者がつるし上げを食らう。橋下が30分にもわたって罵倒した動画が広まり「記者は無知で不勉強」「何様」「反日左翼記者」「ＭＢＳは解雇しろ」などに始まり誹謗中傷が溢れる。

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橋下は数日後にツイッターで満足げに勝利宣言。しかしもっと問題なのはメディアがＭＢＳ女性記者をほとんど擁護しなかっただろう。同業者の彼らでさえ「勉強不足」「市長に敬意を払え」「橋下にああやって食いさがったら勝ち目はない」「囲み取材の雰囲気をしらない」などと橋下側だったのだ。

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このＭＢＳ記者は橋下とネット住民のつるし上げにあってもひるまなかったが、その後、ドキュメンタリー制作部門に異動になった。 みなさんは気の毒に思うだろうか。（次、大事→）

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しかし、違った。彼女が、異動後、最初に撮ったのが次の作品だ。 「なぜペンを取るのか～沖縄の新聞記者たち」 bit.ly/1SNAJCM … 自民党勉強会で百田直樹が「沖縄の二紙はつぶさなあかん」と暴言を吐いたことを契機に、琉球新報の記者たちに密着取材した力作だ。

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沖縄の日常を追い、感じる疑問を記事にするだけで、政府から敵視され、偏向と言われ、同業のメディア関係者からも冷淡に扱われる。記者たちの迷い。それでも彼らは「なぜ記者をやっているのか」と原点に返る。―故郷を二度と戦争の島にしてはならないという当たり前の言論活動をするためでないか、と。

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このいきさつは松本創『誰が「橋下徹」をつくったか』にある。 ぜひ一読してほしい。 そして彼や女性記者（著作では実名で登場する）の問いかけに、メディア人は応えてほしい。 「何のために仕事をしているのか、なぜ記者をやっているのか」 （了）

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「なぜペンを取るのか～沖縄の新聞記者たち」 bit.ly/1SNAJCM …