「むらっ気のある男の子」タイプの指導法

コツコツと努力するのが苦手。集中力はすごいが、飽きると周囲がどれだけ言ってもやらない。というより周囲が口に出せばその逆にしようとする、男の子に多いむらっ気のあるタイプは、学習方法や学習量を気にするより、「やる気スイッチ」を入れる心理戦に取り組んだ方がよい。
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shinshinohara @ShinShinohara

嫁さんの友人家族が遊びに。図形の面積計算に苦労したという男の子。「だって他の子は塾に行ってるし」とエクスキューズを始めた。「そうそう。だから塾に行かずに勉強できたらかっこいいよね」と言ったらハッと顔色を変え、目の色がキラーン。塾に行かないからこそのアドバンテージに気づいた様子。

2015-11-25 12:06:31
shinshinohara @ShinShinohara

大人から与えられる課題を嫌がらず、こつこつ毎日続けられるタイプの子どもは好成績を上げやすい。しかし中学生くらいの反抗期になると、こうしたタイプの子でも反発し、親に成績管理されるのを嫌がることがある。そうなってしまうと親が口を出すほど嫌がるようになるので、学習習慣を失いやすい。

2015-11-25 12:25:00
shinshinohara @ShinShinohara

男の子の場合、負けん気を刺激するとうまくいく場合が多い。塾に行っていないという不利な条件を逆手にとって、「それさえも克服して成績が上がったら、かっこいいよね」と話すと、男の子は負けん気を発揮して「やったろやないか!」となることが多い。すこしけしかけるくらいが男の子はちょうどよい。

2015-11-25 12:28:02
shinshinohara @ShinShinohara

男の子は女の子と比べると、むらっ気がある。気分屋さんで、気が乗ると大変な集中力を発揮するが、飽きると全然やる気を示さない。女の子は、嫌がりさえしなければ毎日コツコツができるタイプが多い。男の子はむらっ気があるものだと諦めて、むらっ気に合った指導をする必要がある。

2015-11-25 12:36:10
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気の強い男の子の場合は、やる気がない間は我慢して放置。「そろそろ勉強しないとやばいんじゃないか」と思っても我慢。何も言わないでおく。下手に言うとやる気がわく時期が遠のく。そして本人も「やばいかな」という気がし出した時「さあやるぞ!」と手をパチンと叩くと爆発的に集中する。

2015-11-25 12:38:43
shinshinohara @ShinShinohara

ギリギリまでやらなかった割には、集中して取り組むのでそこそこ成績をあげられる。しかしあまりに短時間過ぎて、満足いかない成績のこともある。しかしある意味、それも狙い。男の子自身が「時間が足りなかった」と自覚している。今度はもう少し早めに取り組もうと思っている。だから黙っていていい。

2015-11-25 12:40:26
shinshinohara @ShinShinohara

次の機会は本人も「そろそろやばいかも」と思うのが少し早まる。そうした気分になっているな、というのを見計らって、引き金を引いてやると、バチンと音がしたかのように集中して取り組む。男の子の勉強の仕方は爆発的なタイプが結構いるので、遊ぶだけ遊ばせ、集中するだけ集中させるとよい。

2015-11-25 12:42:05
shinshinohara @ShinShinohara

「ギリギリまでやろうとしない」タイプの男の子で注意が必要なのは、少しスタートが遅れ気味なくらいまで、放っておくこと。「もうそろそろ勉強したほうがいいんじゃない?」と早めに口にすると、かえってやる気を出すスタートが遅れる。こうした男の子は天邪鬼だから、言えば言うほど逆効果。

2015-11-25 12:43:44
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子は、波のある競走馬のようなもの。走れと言われると走らず、走らなくてよい時に疾走する馬のような。こうした馬は走れと言うより、スタートの銃砲がなっても手綱を引いて我慢させた方が効果的。「走らせろ!」と躍起になった時にパッと手を放すと怒涛の走りを見せる。

2015-11-25 12:45:57
shinshinohara @ShinShinohara

スタートが遅くて一番になれなかった場合は、「次こそスタートで出遅れないようにしなければ」と鼻息荒くなる。そうなればしめたもの。勝手に勉強しだす。「まあまあ、一番になんてならなくていいから、のんびりやれよ」と言えば、天邪鬼だから余計に頑張ろうとする。

2015-11-25 12:48:08
shinshinohara @ShinShinohara

子どもの学習は、子供性格にもよるが「勉強を教えること」より「毎日課題をこなす」ことより、「心理戦」の方が有効なことがある。学習方法より学習量より、その子のやる気に火をつけられるかどうか、その心理戦がカギ。その子の性格に応じた指導法が重要。

2015-11-25 12:50:02
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子に「だからあの時言ったじゃない」は禁句。本人も「あの時始めておけばよかった」と思っているときにその言葉があるともうダメ。「言うから嫌なんだよ!」とふてくされて、もうやらないでおこう、と腹を決めてしまう。やる気をもっと失ってしまう。

2015-11-25 12:54:22
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子には「あれだけ短時間しかやらなかった割にはよかったな。まあ、こんなもんだろ」とあっさり話を終えたほうが、本人に考えさせることができる。親であろうと本人以外の人間のアドバイスで動いた、という事実に我慢できない性格なのだから、口出しを抑えるべき。

2015-11-25 12:57:56
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子の場合、褒めるのも要注意。「こっちに誘導しようとしている」という意図を嗅ぎ取るともうダメ。そっち方面に興味を失う。たとえ褒め言葉であっても他人の企みに乗るのがとにかくイヤ。自分がそうしたいからそうする、という行動原理を尊重する必要がある。

2015-11-25 17:30:14
shinshinohara @ShinShinohara

たとえば「わあ、すごいねえ、こんなに点数採れるなんて。もっと早く勉強始めたら、もっといい点数採れるねえ」と、早めに試験勉強を開始することを暗に促したとする。むらっ気のある男の子はもうこれでやる気をなくす。自分でない人に軌道を敷かれたことで、もうその軌道から外れたくなる。

2015-11-25 17:30:43
shinshinohara @ShinShinohara

「短期の勉強でこの点数は大したもんだわな。まあ、早くから勉強しろって言ってもそんなに長いこと集中力も続かんだろ。まあ、無理すんな」と言うと、早目に学習を開始し集中力が持続するところを見せつけて、大人の予想を裏切ってやろうとワクワクする。天邪鬼は予想を裏切るのが大好き。

2015-11-25 17:31:47
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子には、「お前ならやればできる」という基礎能力への信頼を暗に伝えることは大切。その上で「やるかどうかはお前次第」と、意思決定は子供に放り投げる。「ま、あんまり無理すんな」というと、挑戦気質の子どもは躍起になってそちらを選ぼうとする。

2015-11-25 17:32:31
shinshinohara @ShinShinohara

むらっ気のある男の子に最も効果的な褒め方は、驚くこと。意外だ!と伝えること。相手の想定を超えた時に快感を覚えるタイプ。他人の予想通り、期待通りに動くのが嫌い。予想を超え、期待を裏切ることが好き。「まさか!そんなに集中力があるなんて!本当かいな。へ~!」感心されるととてもご満悦。

2015-11-25 17:33:24
shinshinohara @ShinShinohara

「今回はよくやったな。でもまあ、無理すんな。疲れちまわないように、ほどほどにしておけよ」と肩をポンと叩くと、「ようし、もっと俺の底力を見せてやる」と、「無理」と言われた方向に頑張ろうとする。予想を裏切って驚く顔が見たい。むらっ気のある男の子は、往々にしてそういう性質を持つ。

2015-11-25 17:33:51
shinshinohara @ShinShinohara

「意外だ」と伝える時に気を付けなければならないのは、「嬉しそうに驚く」こと。やはり喜んでくれるのは、むらっ気のある男の子でもうれしいのだ。「意外ではあるけれど、どうせ今回だけさ」とバカにしたような態度だと、子供は傷つくし不快に思う。

2015-11-25 17:48:24
shinshinohara @ShinShinohara

「まあ、無理するな」というのも、バカにした調子にならないよう注意が必要。「今回よく頑張ったよ。でも体を壊してもいけないし、無理をするなよ。」と、心配といたわりの気持ちを込めるように。心配してくれることが子供はうれしいし、「まだまだ頑張れる」と、よい意味で期待を裏切る楽しみもある。

2015-11-25 17:51:28
shinshinohara @ShinShinohara

まとめると、むらっ気のある男の子には①学習方法・学習量について口をつぐむ。②こちらの思惑を絶対口にしない。③「無理すんな」とむしろ抑制的に。④褒めるのではなく「意外だ」と驚く。➄バカにした調子にならないように、嬉しそうに、そして子供の身を案じるように。

2015-11-25 17:53:04
shinshinohara @ShinShinohara

⑥意思決定は子供に一任。

2015-11-25 18:07:48
shinshinohara @ShinShinohara

ただしこのやり方は「むらっ気のある男の子」あるいは同様の性質をもつ女の子の話。別の性格の子どもに同じやり方を適用すべきでない。子どもの指導は、それぞれの性質によって変える必要がある。

2015-11-25 17:34:27